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クイズの解説と今後の方針について

はじめに

Twitterにて、note販売の告知を行いましたが、内容を推敲していた際に、販売予定のnoteは有料コンテンツとして出せないと感じ、販売しないことにしました。

販売予定だったnoteの内容は、ブロッカー効果によるスートの差異について問うクイズ全5問及び解説でした。

クイズ形式のnoteの大きな問題点として感じたことは、クイズを解くための前提知識がない購読者の方がクイズを解いて解説を見ても、適切なフィードバックを受けられない可能性が高く、支払ったコストに対するリターンが殆どないということです。

販売は行いませんが、アンケートで出題した問題の正解、解説及び補足に関しては、下記で無料公開していますので、もしよろしければご覧ください。

クイズの解説及び補足

GTO wizard 500z basicからの出題です。

BTN RFI
BB facing BTN RFI

BTN vs BB 2BP
A❤︎7♦︎3♣︎(5.5BB)
BB x/c
BTN b 1.5BB

Q❤︎(8.5BB)
BB x/c
BTN b 13.5 BB

5❤︎(35.5BB)
BB x
BTN ?

上記のリバーの局面(?)において、以下のBTNのハンドをエクイティの高い順に並べよ

A)A♦︎Q♦︎
B)A♠︎7❤︎
C)7♠︎7♣
D)3❤︎3♦

画像の下に正解を記載していますので、解答してからスクロールすることをおすすめします。

正解) D>B>C>A(高→低)

解説及び補足

BTN vs BB 2BP
A❤︎7♦︎3♣︎(5.5BB)
BB x/c
BTN b 1.5BB

BTN strategy
BB strategy facing b 27%

Q❤︎(8.5BB)
BB x/c
BTN b 13.5 BB

BTN strategy
BB strategy facing b 159%

5❤︎(35.5BB)
BB x
BTN ?

BB strategy
BTN strategy after BB check

上記のリバーの局面(?)において、以下のBTNのハンドをエクイティの高い順に並べよ

A) A♦︎Q♦︎
B) A♠︎7❤︎
C) 7♠︎7♣
D) 3❤︎3♦

正解 D>B>C>A

この問題を解くために考えるべきことは、BTNのハンドA,B,C,DがそれぞれBBの残レンジに対してどのようなブロッカー効果を持つのかということです。

そして最も重要なのは、 BTNのハンドがBBのflushをどれだけブロックしているのかということです。

単純な役の強さは、C(77のset)>D(33のset)>A(AQのtwo pair)>B(A7のtwo pair)となりますが、BBのプリフロップコールレンジにAQがないこと、リバー残レンジに77と33のセットが殆ど残っていないこと、そしてflushのブロッカーの影響で、このリバーの局面におけるEQは、D(3♥3♦)>B(A♠7♥)>C(7♠7♣)>A(A♦Q♦)となります。

また、A7oのEQは以下の通りです。

7♥の有無でEQに7%程の差があります

BBのflushのコンボ数

ソートした結果、BBのflushは10.4 combosあることがわかりました

BTNの3♥3♦がブロックするBBのflush

3.79/10.4 combos(36.4%)のBBのflushをブロックしています

BTNのA♠7♥がブロックするBBのflush

3.65/10.4 combos(35.1%)のBBのflushをブロックしています
加えて、BBの7♥7xもブロックしています

解説は以上ですが、以下ではPIO SOLVERを使用して

・riverのみPIO SOLVERで再計算させた結果
・BBがriverでレンジチェックした場合
・BBの残レンジにsetが一切なく且つriverでレンジチェックした場合
・BBのBBの残レンジにsetが多く含まれていて(77..70%,33..100%)且つriverで 
 レンジチェックした場合
・BBのBBの残レンジにAQoが多く含まれていて(50%)且つsetが多く含まれて
 いて(77..70%,33..100%)且つriverでレンジチェックした場合

の5パターンの計算結果をまとめます。

資料が多いため、計算結果の掲載は省きます。

500z basicのriver残レンジをコピーし、ゲームツリーもそれに即して作成しています。

そして、以下の設定を元に計算させます。

SPR2.33/rake 5%-0.6BB cap

また、この比較はOOPがレンジチェックするということ以外のノードロックをしておりません。

以下の表は計算結果をまとめたものです。

①riverのみPIO SOLVERで再計算させた結果
②BBがレンジチェックした場合
③BBの残レンジにsetが一切なくレンジチェックした場合
④BBのBBの残レンジにsetが多く含まれていてレンジチェックした場合
⑤BBのBBの残レンジにAQoが多く含まれていてsetが多く含まれていてレンジチェックした場合

BBのプレイヤーがドンク戦略を持っているのか、残レンジ内のtwo pair+の濃度はどうなっているのかということ次第で、A♦Q♦とA♠7♥の戦略が変わっていることがわかります。

特に、BBのflushをブロックしているA♠7♥は、GTO wizard 500z basic上はpure betですが、BBのAQoやsetの濃度次第ではcheckした方が良いということは留意すべきです。

また、BTNのベットに直面したBBの戦略次第でも、これらのハンドの戦略というのは変わります。

以下の条件でPIO SOLVERに計算させます。

 ・BBがriverでレンジチェック且つb 85%にオーバーフォールド且つオールインレンジがK high flushのみの場合

AxX♥を全てコールするノードロックをしている

・BBがriverでレンジチェック且つb 85%にさらにオーバーフォールド且つオールインレンジがK high flushのみの場合

コールレンジはset+にノードロックしている

ノードロックをかけた箇所はBBがレンジチェック、85% pot betに直面した際のBBの戦略の2点です。

①BBがriverでレンジチェックした場合

BB strategy+EV
BTN strategy+EV
BB strategy+EV OOP facing b 85%/IP EV..66.45

②BBがriverでレンジチェック且つb 85%にオーバーフォールド且つオールインレンジがK high flushのみの場合

BB strategy+EV
BTN strategy+EV
BB strategy+EV OOP facing b 85%/IP EV..55.45


③BBがriverでレンジチェック且つb 85%にさらにオーバーフォールド且つオールインレンジがK high flushのみの場合

BB strategy+EV
BTN strategy+EV
BB strategy+EV OOP facing b 85%/IP EV..66.00

数多あるGTOとの乖離を網羅して説明することは非常に難しく、上記で挙げた例はほんの一握りのものですが、相手の解離性によって戦略が変化すること、安直に均衡解を実戦投入することで損するEVがあることに留意していただければと思います。

この手の問題を解くにあたって、解答の正否よりも、どのような思考過程を踏んでその解答を出したのか、ということがより大切だと思います。

また、正解というのは、あくまでも均衡上そのようになっている、ということに過ぎませんし、ソリューションを自分自身の戦略に直接反映させるよりも、相手のGTOからの解離に対してより良い戦略はどのようなものなのか、ということを考えることが勝つために必要なことだと思います。

ほんの一例に過ぎませんが、そのようなより良い戦略を探すアプローチについては、補足部分にて述べていますので、参考にしていただけたらと思います。


今後の方針について

どうすれば私が書いたnoteを、長期的に多く方々に購読していただけるのか。

それを考えたときに最も重要だと思ったことは、みなさまにとって価値あるnoteを提供し続けること、そうすることによって信頼関係を築くことです。

今回販売しようとしたものが、どれだけの価値があったのかを正確に見積もることはできませんが、おそらく販売予定だったnoteを有料公開した場合、購読してくださった方々、特に、一作目のベット/レイズをする意図の明確化を購読してくださって、期待感を持って新作を講読してくださったみなさまには残念な思いをさせてしまう可能性が高いと判断しました。

信頼関係を損なう、あるいは内容が批判対象になる可能性の高いものは販売すべきではないと思っています。

みなさまから支持され、推奨してもらえるようなコンテンツを発信できるよう、精一杯努めていきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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