孤独2

君くらいの背格好の男の子を見ると、
ああ、君が生きていればなぁって、

いや、なんて、不謹慎な、
君は生きているよねえ

生きているのに会えないのと
生きていないから会えないのと

もう一生会えないなら
同じだね

いや、なんて、そんな悲しいことを、
ねぇ、会えるよね

君の記憶から
ぼくがもう
消えているなら
それは何を意味するだろう

君がぼくにはじめて
君の話を、
君という人の話を、
ぼくに話してくれた時、
君は君の親友の話をした
君の亡くなった親友の話をした

その日からぼくは君の親友になれたらいいなと思っていた

君はぼくにとって、ずっと特別な存在なんだよ

君に出逢ったとき
君は19歳でぼくは20歳だった

だからもちろん
わかっているさ
君は男の子じゃない
一人の人だ

ぼくも君に人として見てほしかった

君はぼくを女の子として扱う
君は女性を人として見ていない
君は自分を人としていない

自分は男で
相手は女で

それでもそれは仕方のないことだって
なんでそうなるか、
ぼくだってわかっているよ

君を前にすると、ぼくが人でいられなくなることを
君を前にすると、ぼくがまるで幼い女の子になってしまうことを
だからこそ大人っぽく振る舞おうと無理してしまう自分を

このままじゃいけないって
ぼくはわかっているから

人と人として向き合わないで愛し合うと
残酷な未来が訪れてしまうことを
ぼくはわかっているから

先人から学んで、
それを繰り返すんじゃなくて、
先人からちゃんと学んで回避する道を、
ぼくは進みたいから

ぼくはまだ一人で進む

ぼくは君を人として見てた

君はぼくに男として見てほしかったんでしょう

心配するなよ
見ているから

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。