オレンジの下

オレンジは優しくて怖い。

いつものように家から一歩も出ず、朝食兼昼食と昼食兼夕食を宅配で済ませた22時半。今日も終わる。いつものように何もしなかった今日が幕を閉じる。
光が欲しいのに光を遮断しているこの部屋で唯一付ける、オレンジ電球。

暖かい。一日を包み込んでくれる色。

同時に、明日を準備する色。

オレンジが優しくて絞め殺されそう。
思考が麻痺してトロトロに溶ける。
グニャグニャでかたちにならない。

オレンジに侵されて怖さと安心に身を包み、明日の光を遮断する。 カーテンの隙間から風が吹くたび漏れる強い光に安心して、目を閉じる。

そしてまたオレンジを付ける。

🍊