アンセルムス
生涯
1033年、神聖ローマ帝国統治下の都市
アオスタに生まれる
両親は貴族だったため、裕福な生まれだった
母の敬虔な信仰心に大きく影響され
15歳のときに修道院に入ることを希望
しかし、アンセルムスを政治の道に進ませたかった父によって拒まれる
その後、尊敬する母が亡くなり、それをきっかけに家を出て、各地を放浪する旅に
ベック修道院に滞在、最終的に修道院長に
その間『モノロギオン』『プロスロギオン』などの
後世に残る護教論文を書き残す
その後、イングランドのカンタベリーにわたり、
大司教として死ぬまでその職務を全うする
Godの存在証明
『プロスロギオン』の中で
Godの存在存在証明に挑む
Godとは、それ以上に大きなものを考えられない存在である
何かが人間の理性の中にあるだけでなく、
理性の外にもあるのならば、そちらの方がより大きいと言える
もしもそのような存在が理性の中にあるだけで
現実には存在しないとするならば、
『それ以上に大きなものを考えられない』
という定義と矛盾してしまう。
よって、神は理性の中だけでなく、
現実にも存在する。
Godよりも大きなものはない
…パルメニデスに始まり、プロティノスが唱えた【一者】
アウグスティヌス「万物はそのGodから流れ出たもの」
理性の中に神がいることをAと表すと、
理性の中と、理性の外にも神がいることはA+Bと表せる
Bが限りなく小さなものだとしても
少なくともAよりは大きい
Godが人間の理性の中にしか存在せず、
現実に存在しないのであれば、
『Godよりも大きなものはない』
という前提が矛盾してしまう
そのような背理法的な考えから、
Godの存在を証明
このように、論理的な思考方法により本質を追求する手法は
実はアリストテレスの思想を基盤に作られている
アリストテレスの論理学と、中世の神学が融合した哲学が
スコラ哲学
アンセルムスはこのスコラ哲学の父と呼ばれる
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