サーンキヤ学派
【サーンキヤ】
『知識によって解脱するための道(マハーバーラタ)』
ヨーガ学派…解脱への実践
サーンキヤ学派…その理論面
この学派の現存する最古の経典
イーシュヴァラクリシュナ『サーンキヤ・カーリカー』
それ以外にも多くの書物に散見される
サーンキヤ学派は知識によって解脱を目指す
イーシュヴァラクリシュナ「サーンキヤ体系における苦を取り除く方法はウパニシャッドのそれよりも優れている」
【因中有果説】
『原因の中にはすでに結果が内在している』
例)土を取り上げたとき、すでにそこには【陶器】という結果が内在している
決定論的な思想
【転変説(パリナーマ・ヴェーダ)】
現象世界のいっさいは一つの実在が展開・変化して生成する
サーンキヤの世界生成論
純粋精神【プルシャ】
『ただあるもの』であり自分からは何もしない
『見ること』だけが可能
【プラクリティ】
トリ・グナと呼ばれる3つの要素で成り立つ
普段はそれらのバランスが平衡していて全く変化しない
プルシャがプラクリティを観照することで
ラジャスの活動が激しくなりバランス崩れる
プラクリティのバランスが崩れることで、原理が流出
→知の働きの根元状態マハットまたはブッディが成立
その後、自我意識アハーンカーラが生まれ
思考器官・心のマナスが生まれ
感覚や行動、その他の微細な要素が表出
一番最後に現れるのが世界を構成する主要素
五祖大元素
プルシャが一番根源的な真自我
サーンキヤの体系
『真自我が生じることで、世界が生じる。』
サーンキヤ哲学ではプラクリティから全てが生まれ出て
最後はそこに還っていくと考えられる
→現代の物理学、スピノザの流出論と親和性
輪廻の原因
心の奥の『自我(アハーンカーラ)』は
無知によって『マハット』や『ブッディ』をプルシャだと誤認
そのため、完全にプラクリティを逆戻りできなくなり
プラクリティの中で繰り返しが行われてしまう
まずは世界の成り立ちを正しく理解し
一番低次にある五大から逆向きに消滅させていく必要がある
自我が真自我(プルシャ)として完全に目覚め
プラクリティに対して完全に無関心になることで
輪廻から解放され、晴れて無の境地に達する
その行程においては知識が最重要ではあるものの
実践もそれなりに必要
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