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CR7と28%のスタジアム

お金の計算が苦手だ。苦手もしくはあまり意識が向かない。300円くらいだろうと思って会計してもらったシャーペンが1000円だったことは今でも後悔してるし、お小遣い(月に15000円だ!)を前借りしすぎて、来年の一月までもう、私の小遣いはない。

38000円。

これは7月27日に開催されたアル・ナスル対インテルのカテゴリー2のチケット金額だ。家族3人で見るなら114000円だ。

観客動員数は13805人

全体としてチケットは売れなかった。スタジアムは空席が目立った。ヤンマーフィールド長居のキャパシティが50000人だとすると(47000〜55000の幅がある)スタジアム動員の割合は27.61%だ。四捨五入して、28%だ。このnoteの主題は「アル・ナスル対インテルのチケットはいくらだったら良かったのか?」である。


アル・ナスル対インテル、カテゴリー別観客動員

5000円〜350000円まで
席種について

①メインスタンド側〜試合開始直前の写真から

バックスタンドからの一枚

メインスタンド側を撮影した試合開始直前の一枚からわかること
・ホスピタリティシートはごく少数
・カテゴリー1はまばら
・カテゴリー2は非常に多い
・カテゴリー4は少ない

金額としては安いカテゴリー4(15000円)よりカテゴリー2(38000円)が多いのはなぜなのか?」という疑問については最後に触れる。

ちなみに両方のゴール裏のカテゴリー4には比較的多くの人が集まっていた。

②バックスタンド側

バックスタンド側の上段はカテゴリー2(38000円)が多くを占めるが、客はよく入っていた。メインスタンド側と同じくサイドのカテゴリー4(15000円)は比較的少ない客の入りだった。
下段のカテゴリー1やファンシート、ピッチサイドシートも空席がめだった。

カテゴリー2の謎は後述するとして、これらのことからわかることは『カテゴリーが高額になればなるほど観客動員が少なくなっていた』ということである。当然のことなのかもしれないが、当然のことが夢の一夜のようなスタジアムで起きてしまっていたのである。

価格設定が適切でなかったのであれば、いくらだったら良かったのか?ここで実際の海外サッカースタジアムでのチケット価格を調べてみた。

日本の代理店を通したセリエAチケット価格

海外サッカーのチケットを手に入れる方法はいくつかある。具体の方法は別の記事に譲るとして、ここでは日本の代理店にチケットを手配してもらい購入するときの金額を挙げていく。

以下はインテルのホーム、ジュゼッペ・メアッツァのチケットを手配してもらうときの『ある企業』のチケット料金である。

リーグ戦 vs スペツィア
チャンピオンズリーグ vs バイエルン

リーグ戦とヨーロッパの試合では料金が違う。ここでのリーグ戦の金額が今回の『アル・ナスル対インテル』の料金に近いと言える。もしかしたら今回の料金設定もこのあたりの基準を参考にしたのかもしれない。

セリエAチケット価格

実際に現地ではいくらでチケットは販売されているのだろうか。ジュゼッペ・メアッツァのチケットについて調べた。少し古いデータであり、2023年現在での現地価格とは違うのかもしれないが、参考までに挙げていく。ちなみに対戦相手も不明である。

より細かな価格設定になっている
最安値は60ユーロ
VIPをのぞくと、最高値は208ユーロ

人気の『ロングサイト3階ペナルティボックス間』は61ユーロ。今の換算でいうと9400円だ。(2023年7月) 一般チケットで最も高額な『ロングサイト』は208ユーロ。日本円で32000円だ。

あくまで個人で検索したのみの情報なので、もし正確な金額を知っている方は修正して話をとらえて欲しいと思う。とにかく、今回の『アル・ナスル対インテル』よりも現地チケットの価格の方が安い。

いくらだったら良かったのか?

アル・ナスル対インテルには夢があった。夢のような一夜だった。たしかに真剣勝負のバチバチはないかもしれないが、たしかに夢がかなった人たちはたくさんいたはずなのだ。

選手たちも、チーム関係者も、興行主も、素晴らしい夢のような試合を満員の観客の前で行いたかったはずなのだ。CR7がプレーするスタジアムは100%の満員がふさわしい。

今回、明らかな価格設定の失敗が起こった。価格設定には理由があるはずだ。この金額でないと、元がとれなかったのだろうし、この金額でもサッカーファンは購入するだろうと予測していたのだろう。今回の予測の過信は今後数年のプレシーズンマッチのあり方を左右するものだと思う。いくらだったら良かったのか?

『日本の代理店を通したチケット価格』と『現地のチケット価格』の間が良かったのかもしれないし、そうではないのかもしれない。

ぜひ興行主の企業にはふりかえりをして、継続してもらいたい。こんな多くの人に夢をあたえるような素晴らしい仕事は他にはないのだから。

カテゴリー2には多くのサッカーチームの少年たちがいた。チームや友だち、または家族と来ているようだった。おそらく地域のサッカー協会を通じて、タダ券が配布されているはずだ。ガラガラのスタジアムにしてしまうくらいなら、未来のサッカー好きの子どもたちに夢のような試合をプレゼントしようじゃないか!という運営の決定は英断だったように思う。彼らはサッカー界の歴史に残る選手を、イタリアの強豪を、無料で見ることが出来たのだ。なんて素晴らしいことなのだろう!とても隣にいる10万払って観戦している人には言えないことだが。

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