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いまさら聞けない脱炭素④:グリーン成長戦略(自動車・蓄電池産業)

この記事は、育休中のリスキリングを実践するため、Outputの場として執筆しています。
前回に引き続き、政府(経済産業省が中心)が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」でピックアップされている14分野について、「今更聞けないけど、そもそもその技術ってどんなもの?」ということをざっくり知りたい方に向けて、簡単な解説をしていきます。
今日は、⑤自動車・蓄電池産業について、書きました。

⑤自動車・蓄電池産業

◇自動車
自動車については、いわずもがな、電動化が進められています。具体的に推進されているものを、以下で箇条書きにしました。いずれも従来のガソリン車よりもエネルギー効率を高めることができるため脱炭素に寄与すると言え、これらの車両増加のためのインフラを整備も課題となっています。

  • 電気自動車(EV):搭載したバッテリーに蓄えられた電気によりモーターを回転させて走行する自動車。

  • 燃料電池自動車(FCV):専用のタンクに蓄えられた水素を酸素と科学反応させて発生させた電気によりモーターを回転させて走行する自動車。

  • ハイブリッド自動車(HV):2つ以上の動力源を合わせた自動車。一般に、エンジンとモーターを動力源とした自動車。状況に応じてエンジンとモーターを使い分けることでエネルギーの効率化をはかる。

  • プラグインハイブリッド自動車(PHEV):外部から充電できるハイブリッド自動車。

東京電力エナジーパートナーのウェブサイトの図がわかりやすかったので、引用しておきます。

出所)EV DAYS by 東京電力エナジーパートナーウェブサイトhttps://evdays.tepco.co.jp/entry/2021/03/22/000002(閲覧日:2023年9月18日)

◇蓄電池
蓄電池について、グリーン成長戦略では「自動車の電動化や再生可能エネルギーの普及に必要となる調整力のカーボンフリー 化等のグリーン化や、デジタル化の進展の要となる「新たなエネルギー基盤」である」とされています。

そもそも電池とは、「光や熱、化学反応などのエネルギーを電気に変換する装置」です。そして、蓄電池はその名の通り、電気を蓄える機能を持つ電池のことです。充電することで繰り返し利用ができます。
蓄電池には、いくつかの種類があります。

  • 鉛蓄電池:鉛を使用しています。価格が安い、寿命が長い、電気を繰り返し使ってもバッテリーが傷みづらいという特徴があります。大きくて重たいのがデメリットです。

  • ニッケル水素電池:ニッケルと水素吸蔵合金を使用しています。過充電や過放電に強く、安全性の高い電池です。

  • NAS電池(ナトリウム・硫黄電池):負極にNa、正極にSを使用しています。大容量でもコンパクトな蓄電池です。大きな電力貯蔵システムで使われます。

  • リチウムイオン電池:電極にリチウムを含んだ化合物を使っています。軽量で小型です。

出所)東芝ウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/battery/scib/product/module/sip/download/batteryschool/episode1.html

◇次世代蓄電池
さて、政府は「次世代電池の実用化」を目指すともしています。具体的に挙げられているのが、以下の電池です。まだ開発途上のもとが多いようです。

  • 全固体リチウムイオン電池:通常のリチウムイオン電池は電解液をリチウムイオンが行き来しますが、全固体リチウムイオン電池では固体電解質層からなっており、安全性が高く、使用できる温度範囲が広く、耐環境性に優れている(真空でも膨張しない)とされています。

  • フッ化物電池:リチウムイオンの代わりにフッ化物イオンが電極間を行き来する電池で、電気をためる性能がリチウムイオン電池の6~7倍に高まり、より軽く小さい電池を実現できるとされています。

  • 亜鉛負極電池:負極に亜鉛を使用する電池。電解質に水溶液が使えて安全性が高く、理論上の体積エネルギー密度が極めて高いことが特徴とされています。

  • 多価イオン電池:Mgなど、2価以上のイオンを用いる蓄電池。リチウムイオン電池よりも高い性能を発揮する可能性があり、開発がなされている。

あとがき

電動車関連のことは基本的なことと思いつつも、ちゃんと分かっておらず混乱してたので、改めて整理できてよかったです。
蓄電池は、整理するにあたり、そもそも電池とは…というところを考えさせられました。将来こどもに「電池ってなあに?」と聞かれたときに答えてあげられる母親になりたいなぁなどと思いました。多価イオン電池は、大学の友人が研究していたような記憶がよみがえりました。

参考文献

経済産業省ウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/pdf/green_honbun.pdf

EV DAYS by 東京電力エナジーパートナーウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)

EV DAYS by 東京電力エナジーパートナーウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)
https://evdays.tepco.co.jp/entry/2021/12/07/000025

日本自動車連盟ウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)

次世代自動車振興センター(閲覧日:2023年9月18日)

三井物産ウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)

日本ガイシウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)

日経新聞ウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)

日経XTECHウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)

fabcross for エンジニアウェブサイト(閲覧日:2023年9月18日)


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