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いまさら聞けない脱炭素②:グリーン成長戦略(再エネ&水素・アンモニア)

この記事は、育休中のリスキリングを実践するため、Outputの場として執筆しています。

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」

前回、カーボンニュートラルとは何か、そのためには様々な主体の協力が必要であるということを書きました。
政府(経済産業省が中心)は、2021年、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。この戦略は、産業政策・エネルギー政策の両面から、成長が期待される14の重要分野について実行計画を示したものです。

政府の資料では、14分野について、基礎というよりは政策・技術的な課題や今後の取り組みが書かれています。しかし、「今更聞けないけど、そもそもその技術ってどんなもの?」ということをざっくり知りたい方もいると思います。そこで、今回はこの14の分野そのものについて、簡単な解説をしていきたいと思います。今日は、①洋上風力・太陽光・地熱産業(次世代再生可能エネルギー)と②水素 ・燃料アンモニア産業について、調べて書きました。

出所)経済産業省ウェブサイト(閲覧日:2023年9月4日)
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html

①洋上風力・太陽光・地熱産業(次世代再生可能エネルギー)

再生可能エネルギーとは、エネルギーとして永続的に利用可能なエネルギーのことです。グリーン成長戦略では、3つの産業が取りあげられています。

  • 洋上風力発電:風車を洋上に置く、風力発電です。そのメリットについて、「大量導入やコスト低減が可能であるとともに、経済波及効果が期待される」とされています(グリーン成長戦略より引用)。

  • 太陽光発電:シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池により電気に変換する発電方法です。これまで、世界でも再エネの主力として導入が拡大してきました。

  • 地熱発電:地下のマグマなどによって熱せられた高温の水や水蒸気の力を用いて行う発電です。継続的な稼働が可能な「ベースロード電源」としての役割が期待されています。

②水素 ・燃料アンモニア産業

水素とアンモニアは、燃料時に二酸化炭素を排出しないため、環境にやさしい次世代エネルギーとして注目されています。具体例として、以下のような産業・技術が挙げられます。

  • 水素発電:水素を燃料とした発電です。水素をボイラーで燃焼させて上記をつくりタービンを回転させる「汽力発電」、水素をガスタービンで燃焼させて発生させたガスによりタービンを回転させる「ガスタービン発電」、水素と酸素を化学反応させて発電する「燃料電池」の3種類の方法があります。

  • 燃料電池車:燃料電池車とは、水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使って、モーターを回して走る自動車です。自動車については電化が進められていますが、トラック等の商用車は、電気自動車では対応しづらい長距離輸送が定常的に必要であるため、水素利活用が期待されています。

  • 鉄鋼業での産業利用:水素の産業利用の中でも、特に期待が大きいのが鉄鋼業です。現在、鉄鉱石の還元剤として炭素(C)が利用されていますが、それを水素に置き換えることができれば、多量の CO2排出量の削減が達成可能となります。

  • 燃料アンモニアの混焼:アンモニアを石炭火力発電に混ぜて燃やす(混焼)することで、CO2の排出量を抑制することができます。水素利用に移行するまでに利用可能な技術として期待されています。

  • キャリアとしてのアンモニア:アンモニアには、水素と異なり、液体として安全に輸送が可能というメリットがあります。アンモニアを分解すると水素が得られるため、アンモニアの形態で輸送して、輸送先で水素を取り出すことが検討されています。

参考文献

経済産業省ウェブサイト(閲覧日:2023年9月4日)https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/pdf/green_honbun.pdf

資源エネルギー庁ウェブサイト(閲覧日:2023年9月4日)

産総研マガジンウェブサイト(閲覧日:2023年9月4日)
https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20230719.html

三井物産ウェブサイト(閲覧日:2023年9月4日)

日本自動車研究所ウェブサイト(閲覧日:2023年9月4日)
https://www.jari.or.jp/jhfc/beginner/about_fcv/index.html

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