読むことの問題化 市村弘正『季刊 本とコンピュータ 2004春号』82頁

これまで「読む」ということは繰り返し問題にされてきましたけれど、最近、読まなくなったとか、読めなくなったとか言われますね。この「読めなくなった」ということはどういう事態なのか。(・・・・・・)なぜいまあらためて「読む」なんてことが問題となるのか。読むことが問題となる契機には、まずひとつに技術的な変化がありますね。「読む」条件が技術的に大きく変わると、読み方、読むことの核心的部分まで変わるます。(・・・・・・)それとは別に、たとえば連帯といったことばが急速に色褪せて、社会が社会たりえなくなってきたり、文化の形式が機能しなくなってきたときに、「読む」ということがあらためて問題化しますね。
市村弘正「読むこと経験すること」『季刊 本とコンピュータ 2004春号』82頁

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