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ことばで映すポートレイト屋

自分の話したいことを話してもらう。

それをポートレイトのように、インタビュー記事にまとめてお返しする。

こんな活動を始めてみたい。

湖に映すように

もう10年以上前のことだけれど、聖高原の湖に満月がきれいに映る幻想的な景色を覚えている。

対象がそのままの形で映る湖は、静けさそのもの。

正確さや情報量の多さでは鏡や写真には及ばないけれど、ことばを使うからこそ表現できたり、引き出されたり、共有できたりすることがあると思う。

映すも映されるも、人・自然であるのが湖っぽいと感じるところ。主観的なフィードバックになることを強みとして、その人の一部分が私からどう見えたか、その対話から私が何をいただいたか、私のなかを通して書いてみたい。

語りの時間や、映し出された姿が、その人の力になるといい。


原点は検査報告

心理士の仕事で一番好きだったのが、心理検査とその報告書を作ること。

検査データと受検者の行動・言葉にどっぷり浸って、その人だけの世界やストーリーを追体験しながら報告書をまとめる。

その人をことばで表してみて、それを本人と共有することで対話が広がることが好きだった。

もうひとつの原点

「この人のこと大好き!」と思ったとき、頭に浮かぶフレーズは「この人の伝記を書きたい!」だった。

メインの仕事が終わったあと、その人が何か話し始めるとつい前のめりに聞いてしまい、畑や会議室や駐車場の片隅で2時間…みたいなことがよくあった。

いつかまとめたいと思って、その人の言葉を集めていたけれど忙しさを言い訳に実現できなかった。

その人の歴史を綴る伝記というより、一瞬を切り取るポートレイトに。イメージは変わっているけれど、今こそやってみたい。


「伝記を書いてみたい」のフレーズは実をつけなかったけれど、確実に土を豊かにしていて、新しいアイディアの育ちを支えてくれている気がする。

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