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苦しい、というのは

マームとジプシー『cocoon』

もうすでに、作品、として見れない。

今、に、今、を重ねて、限りなく、どこまでも密度を高めてしまおうという手つき。

音だった。

声だった。

言葉さえも、超えてしまっていた。

瞬間にたいする、執拗なまでの、情熱、というか欲望、、、

音だけが、たしかにあった。

瞬間、

かさなってしまうだろう、誰かの記憶に

背中をみつめて、星空が、奥のほうまで広がっている、美しかった

瞬間、でしかない

そのとき、そのときの、音、だけ

味覚もなくなった

嗅覚も、感覚も、飛んでいった

張り裂けるくらいの、反響する、喉から、劇場から

瞬間は、だれにでもあった

嗚咽をこらえている

物語なんて、ついでだと知った

感情すらも、あとづけだった

運んでいく、運ばれていく、どちらでもあった

だれでもそうだった

理由もなかった

そこに立っていた

時間もなくなった

拍手なんてできたものではなかったが、拍手の音で我に返った

ただ、とんでもなく、今だった

演劇じゃないか、、、

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