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カラスの行水姿がかわいくて

カラスは何かと忌み嫌われるが、観察していると、なかなか愛嬌がある。クリクリとした黒い瞳はいつも好奇心に輝いており、観察しようとすると、すでに向こうがこちらを観察している。

歩く姿や水浴びをする姿は、なかなかいい。
ある日、近所の浅い小川の岸辺をお尻を振って歩いていたかと思うと、うれしそうにピョン、と跳ねて川へ飛び込み、水浴びを始めた。ものの数秒で岸辺に上がって、再びお尻を振り振り歩き始めたが、よほど行水が気持ちよかったのだろう。「もう、我慢できない!」といった様子で、またピョン、と川へ飛び込んで水しぶきをあげた。

短時間でよく洗わずに入浴をすませることを「カラスの行水」と言うが、実はカラスよりもヒヨドリの方が早い。一回あたりの水浴び時間は1秒あるかないか、という短さだ。飛び込んだかと思うと、もう水から上がって羽づくろいをしている。それでも、満足そうに目をキラキラさせているから、「ちゃんと洗いなさい」とは言えなくなる。

浅い小川とともに、ロータリーの噴水も鳥たちの行水場となっている。ここではカラスは、ほかの鳥のように溜まった水で行水をしたりはしない。くちばしをくいっと上げて、頭上から降り注ぐ水を、顔から頭からシャワーのように浴びるのだ。その姿は、まるで乙女のよう。幸せそうな様子に、こちらもうれしくなってきた。


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