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夢のある話と夢のない話 #一口馬主


一口馬主に関心が高まると


とりあえず検索をする。

で、
アーモンドアイがとか、デアリングタクトとか
夢のある話をいくつかみてみて
「おお、自分も相馬眼を磨いていい馬に出資するんだ」
となると思うのだけど

とりあえず
一定程度の資産(毎年の出資馬が一定数ある)があって
自分なりの試行錯誤をしている人は
オープン馬にたどり着いたり、果ては重賞を勝つ馬を選びぬけたりしている

ざっとした感覚だけど、
20頭くらいに出資しているなかで
1~3頭はオープン馬がいてもおかしくない
というイメージ

ただ、
私たちが見ることができるのは
継続的にブログで書いたりしている人なので
どちらかというと上澄みというか、
少なくとも持続可能性を実現している人なのだろうなと



で、

夢のない話。




「一口馬主 大損」とかで検索してもそんなに情報があるわけではないのだけど
自分みたいに
「一口馬主はじめました!」というかんじで
キラキラと現実を知らないではじめて
途中で情報更新を諦めたり
「自分の失敗談が皆さんの参考になれば」というように
俺の屍を越えてゆけ感のある投稿をざっとみていくと

やはり競走馬の世界の厳しさというか、
経済動物としての馬や馬産だなあというか。



▽一口馬主DBから

クラブ馬データベースで
2019年産(=現時点での3歳馬)をみていくと


上位には重賞を勝った馬や
安馬でかなりの額を稼ぎ出した馬など
夢のある情報が掲載されている一方で

ページの左下みると
表が「1~9」まであるわけで
・おおむね半数は未勝利馬や中央抹消馬が
・0戦0勝 中央抹消の想像以上の多さよ
・高額馬の未活躍馬
・勝利してもトントンになる馬は全体の2割程度
(3歳のこの時点でなので古馬になれば回収率も高まるのは承知のうえで。あと、2013年産から2019年産までみても、100%超えが表1~2を超えることはない。)

⇒これはデータが出ているクラブ馬808頭(2020年産)の話。



▽以下は書籍。


岩崎徹『馬産地80話:日高から見た日本競馬』から。
少し古いデータですが傾向はおそらく変わらないだろうということで。

岩崎徹『馬産地80話:日高から見た日本競馬』2005年 北海道大学出版会 P166

最近では、7600頭くらいが年間で生産されているなかで
「馬名未登録馬」「未売却馬」などいろいろいて、

そもそも事故なく生まれてくれるか?

成長して「走れるからだ」というお墨付きが得られるか?

2歳のトレーニングセンターに行けるか?

さらに
1勝できるか?

ケガをせずに走れるか?という

いくつものハードルを経たうえで、
私たちがみている競馬が成り立っているんだなあと改めて。

さらに
引退後の馬生が過ごせる馬まで考えると
どれだけの幸運が重なればいいのかという途方もない思いもありつつ。

※近い気持ちになったのは、
 庭で育つアゲハ蝶の卵⇒幼虫⇒成虫になる割合を知ったとき。
 一般的に1~2%と言われてる。


結論としては

少しでも実力が発揮されること
少しでも馬生が豊かになる仕組みを願いつつ。


「なにか自分にできることがあるかなあ」
と頭の片隅には常にいれておきたい。

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