ヒョロい主婦が格闘技を3年間習ったら世の中の見え方が変わった

3年間、週2でキックボクシングとボクシングをやったら、世の中の見え方が全く変わった。

まず、今までちょっと怖かった近所の風変わりなおばあちゃん(いつもヒョウ柄のスパッツにタンクトップ姿で顔をしかめながら道路に水をまいている)そういう人が全部自分より弱い存在になった。その辺歩いてる女子供が全員弱者になった。下手したらヒョロヒョロの若い男性や、高齢男性も弱者になった。
無意識に守らなきゃいけない使命感が湧いてくる。具体的には「狭い道なら自分が道路側を歩いてあげなければならない」ような謎の使命感。

しかしそれと同時に「いざとなったら自分の方が強い(から大丈夫)」みたいな変な感情も湧いてきた。具体的には「うわ、前方30mにいるあのおばちゃん歩きタバコして、しかもポイ捨てした…木造住宅多いから辞めて欲しい…注意しにいくの怖いな…いやまてよ、私の方が強いから注意できるやん」みたいな気持ち。初めてその気持ちを持った時、世の中の男性は少なくとも常にこういうメンタリティなのか、と少し羨ましく思ってしまった。

自分は一人で公共の場にいるとき、少なからず恐怖心を感じている。ワザブツおじさん怖いなと思いながら改札を足速に通り抜け、ホームに変な挙動の人がいたら距離をとり、帰路に酔っ払いに話しかけられては、全力競歩。もしもボブサップみたいなビジュアルに生まれてたら、「人に言うまでもないけど毎日すこしずつ味わうような地味恐怖」のない世界なのかな? 

一般の女子供よりほんの少しだけ強くなった今、それを誇示するのではなく、自分より弱いものを守る、という新しい責任が生まれた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?