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ピアノ購入のヒントPart.2

今回も「ピアノを買おうかな」とお考えの皆さんに向けて発信したいと思います。(全3回を予定)

Part.1を読んで販売側のポジションはなんとなく分かったけど「じゃあ結局どうしたらいいの?」という方が多いのではないでしょうか。ここは肝心な部分なので長くなりますが出来るだけ圧縮して書いていきます。
と、その前に今回も一筆。

※この記事は独断と偏見によって書かれています

ここが実際と違う、それは間違いだ、言い過ぎだ、等のご意見は一切受け付けないので悪しからず。全てフィクションだと思っていただいても構いません。それでは本題に入りましょう。

Part.1のおさらい

前回はピアノ販売業者を4種類にカテゴライズしました。

1. 中古ピアノ販売店
【昔のピアノは素材が良かった】
2. ディーラー・直営店
【お店選びが最も重要】
3. ピアノ量販店
【〇〇最大級!激安販売!】
4. 個人店や紹介販売
【ピンからキリまで】

自身でもかなり横暴な分け方だと思うので、同カテゴリー内でも様々なケースがあることはご了承ください。

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じゃあ結局どうしたらいいの

これが今回のテーマです。つまり個別の「あなた」にとっての最適解を示そうという試みです。これには「あなた」の側をカテゴライズする必要があります。前回同様にかなり横暴な分け方になること必至なのでこれが一番自分に近いかも知れないくらいの感覚で見てください。カテゴライズの基準となるのは予算ブランドの拘りピアノ選び習熟度。全部読もうとするとひたすら長いので、占いの記事のように自分のカテゴリーだけ読んでくれたら幸いです。尚、今回はアップライトピアノ購入に絞った話を書きます。

A. ブランドやスペックや信頼感が大事という方

「金に糸目はつけない」とまでは言わないものの、安物買いの銭失いだけは絶対にしたくない、このブランドのピアノが欲しい、そんな方はコチラ。アップライトピアノの販売価格は20万円~600万円くらいの、ある意味限られた範囲です。日本大手メーカーの日本製アップライトピアノの最低ラインが70万円程度~のため、それ以上の予算をお持ちなら2のお店「ディーラー・直営店」での購入をお勧めします。正規ディーラーで新品を購入すればメーカー保証を受けられ、万が一何かトラブルがあった場合もメーカーが対応してくれます。但し、既に欲しいピアノやブランドが総合的に絞り込めている方に限られます。もちろん、新品の値段を出せば同じブランドの「より高スペックな中古品」が買えるのが悩ましいところ。ここの迷いどころに関しても、新品と中古の両方を扱う正規ディーラーであればどちらが売れても店の利益があるため、偏りのない意見で一緒に考えてくれます。これも安心の理由です。

B.心から信頼している技術者やセールスがいる方

初めてのピアノ選びではレアなケースですが、グランドピアノ選びだとこういったケースは珍しくありません。最初に買ったピアノや対応に満足している場合、その後のお付き合いのある技術者に信頼を置いている場合などがこれに当たります。この場合は4のお店をお勧めします。今までのお付き合いの延長線上で今後のメンテナンスやフォローを任せることが出来るというのが最大のメリットであり、安心してピアノを迎えられるからです。中には量販店に同行して技術的な細部までサポートしてくれる方もいます。もちろんこういった技術者さんやセールスを介する場合、彼らの手持ち在庫や提携のある業者のピアノの中から斡旋を受けることになりますが、自分独自であちこちの店に出向いて商談することは避けた方が良いです。せっかくサポートしてくれているその方の厚意を無下にすることになるからです。予算や要望に沿ったピアノを斡旋してくれたのなら「幻の選択肢」に想いを馳せても仕方がありません。もしどうしてもそこが頭から離れないのであればきっと心からの信頼ではないのでしょう。任せるなら任せる、意見が欲しいだけなら意見が欲しいだけだとハッキリした方がお互いに信頼を損なうことなく関係を保てるはずです。

C.予算は決まっているが詳しいことは分からない方

初めてピアノを選ぶ人の多くがこのカテゴリーに属するでしょう。大体30万円くらいだとか100万円以内だとか予算は決まっているものの、さて何から始めたらいいか分からないからとりあえずネットでも見てみるかというパターンです。この場合は商品のレベルが高い店よりウェブサイトの作り方が上手い店やSEM※を得意とする店で購入することになる確率が高いです。あとは当然家から近い店を選ぶ人も多いです。このカテゴリーの人は1の中古店か3のピアノ量販店に落ち着くでしょう。3は価格帯の幅が広く選択肢が多いのが魅力です。そして予算を伝えるだけで、手慣れた販売員がコミュニケーションを取りながら案内してくれます。そこで自分が「このピアノが気に入った!」と思うものに出会えたならそれが正解なのだと思います。また70万円以上の予算があり「このブランド好きだな」と思えるものがあったなら、2の店に行ってみることもお勧めします。
※【サーチエンジンマーケティング / Search Engine Marketing】とは、企業などが検索エンジンを利用して行うマーケティング活動の総称。

D.とにかく《安く・お得に》ピアノが買いたい方

最も正解のハードルが高く、最も失敗しがちなピアノ選びがこのパターンです。具体的な失敗としては、正規ディーラーの新品より安く非正規店の新品を購入して肝心のメーカー保証を受けられないケースや、同年代製同品番の中古品で最も安いピアノ=最も調整や修復のレベルが低いピアノを選んでしまうケースです。もちろんこの他にも目に見えないデメリットが多種多様にあります。高いから安心とは決して言いませんが、安いということは確実に何かを犠牲にしています。修復時に交換すべきパーツを交換していなければ当然ながら安いし、出荷調整作業の時間をカットすればするほど安く販売出来ます。メーカー指導の技術研修や営業研修、それに展示台数等の条件クリアというコストをかけていないならディーラーより安く新品を販売出来ます。当然その分だけサービスやモノ自体の《質》が下がります。残念ながらこの《質》に関しては実態がうまく隠されていて、一般消費者に分かりづらいところ。お金は大事ですが、安くなった金額の分より価値が高いのがこの《質》 の部分です。このカテゴリーの方の最適解は今までの比較軸=価格・機種(スペック)・製造年に《質》という要素を加えるということです。ピアノはどこまでいっても手工芸品ですから、家電や自動車などの工業製品と同じ考えが通用しないことを強く意識しましょう。具体策としては、お店側に(中古なら)修理項目や交換パーツ、アフターサービスについて詳しい話を尋ねることが第一歩です。内容を100%理解出来なくても、そのときの販売員の出方をうかがうことが出来るはず。今後このnoteでは、こういったピアノの《質》に対する考察も記事にしていきたいと思います。

E.何も分からない方

意外とこういう方は多いのではないでしょうか?何も分からないからお店に行きたくないし、知らないのに店員と話すのが恥ずかしいという感覚。私にはこういった方の気持ちがとても良く理解出来ます。こんな方は、まず予算の範囲をなんとなく設定しましょう。それだけでCの選び方に移行出来るはずです。そしてピアノ販売店のサイトを見てみましょう。決めた予算で買えそうなピアノがどんなものか段々分かってくるはずです。新品なのか中古なのか、国産なのかアジア製なのか。予算があればヨーロッパ製やアメリカ製の高級品もあります。自分はどんな色や形が好きなのか、家に合うのはどんなピアノなのか、そんなところまではウェブサイトでなんとなく分かるはずです。あとは家の近くのピアノ屋さんへとりあえず行ってみてください。ピアノ屋の販売員や個人店の代表者は想像以上に来店客を大切にしてくれるので安心してください。そこで説明を受けながら実際にピアノを触ってみて、気に入ったものがあればラッキーだし、もし気に入ったものがなかったとしても、理想のピアノ選びに一歩前進するでしょう。

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今回のまとめ

さて、今回は「あなた」の側をA~Eにカテゴライズし、それぞれの解を求めてみました。きっとどこかのカテゴリーに自分の状況に近いものがあったのではないかと思います。最も大切なことは自分自身が良いと思ったものが正解であり、そうであれば他人がとやかく言う問題ではないということです。また「究極の理想」を追い求める必要はなく、ある程度自分の考えに沿ったピアノに出会えたのならそれは1つの正解です。
2000年以降、日本社会のデフレスパイラルによってモノとカネのバランスが崩れ、生活必需品ではないピアノは売りにくい状況が続いています。新品の素材や生産地が揶揄されるのも、相対的に《質》を落としてでも安く生産することが求められているからです。ここでいう生活必需品ではないとかピアノは奢侈品なのか?という議論は割愛しますが、いずれまたどこかで記事に出来たらと思います。

次回のテーマ

繰り返し登場する「自分が良いと思ったピアノ」「気に入ったピアノ」というゴール地点は見えたものの、そもそもそれが良く分からないといった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで最終回Part.3は「自分にとって《良いピアノ》を考えよう」をテーマにしたいと思います。

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