冬って夏よりあったかい、よね
もうすぐクリスマス。
クリスマスって24日の夕方4時頃から25日の夕方4時頃までを言うんだって、どっかで見た。(じゃあもうクリスマスか。)
ちょっと前まで「冬なのにそんな寒くなくてラッキー」とか思ってたのに、先週あたりから急に寒くなってきて、既に夏が恋しいです。
毎年冬は夏の暑さを思い出せないし、夏は冬の寒さを忘れてるんだけど、ふと、「冬って夏よりあったかいな」って感じたんだよね。寒いからこそ傍にいる人のぬくもりを強く感じるっていうのもあるし、寒い外から暖房が効いた室内に入ったときの温度差でめっちゃあったかく感じるっていうのもあるし…。
私にはよく行く近所のスーパーが2つあって、1つは学校帰りに行くスーパーで、もう1つは街の方まで行った帰りに寄るスーパー。どっちも家からだと徒歩15分以上かかるんだけど、京都で一人暮らし始めてから2年半以上お世話になってるお店。
あれは半年前ぐらいだったかな。今より10度以上は気温が高かったと思う。
学校帰り、いつものスーパーに向かう途中の道路で工事が始まった。それからその道路だけ一部車線/歩道規制されるようになって、トラックとか三角コーンとか、ピカピカ光るロープとかも置かれるようになっていった。
工事が始まって数週間後、工事現場に女の作業員さんを見かけるようになった。その人は毎日のように通行人を誘導していた。そしてその道を通る度に、毎回笑顔で挨拶してくれた。
工事現場にいる誘導係の作業員さんはよく見るけど、こんなに気持ちの良い挨拶をしてもらったことも、返してもらったこともなかったから、すごくあったかい気持ちになった。
先週の木曜日、学校帰りいつものようにスーパーに寄って帰ろうと、あの工事現場を通った。そこで、いつものように女の人と挨拶を交わした。
「こんにちは~」
「こんにちは~」
ほぼ同時に挨拶をする。
目を合わせて笑顔で言ってくれる。
ただ一言なのに、その日もすごく満たされた気持ちになった。痛いぐらい寒い風が強く吹きつける日だったけど、その瞬間だけは不思議とあまり寒さを感じなかった。
スーパーの帰り、また同じ道を通る。
また同じ挨拶を交わす。
いつものように。
でもその日はどうしても「ありがとう」も伝えたかった。
スーパー行く度に会うのに挨拶しかしたことがなかったから。
毎回笑顔で挨拶してくれてとっても嬉しいのに、それを伝えたことがなかったから。
なんでも、伝えようとしないと伝わるものも伝わらないし、言わないで伝わることより言って初めて伝わることの方が何百倍も大きいって、最近思う。
その日は、スーパーで缶コーヒーを買っていた。どこにでもあるような小さな缶コーヒー。あったかいのがなくて気温より少し冷たかった。
「ただ挨拶したことあるだけの私が差し入れなんてしたら怪しまれるかな」とか「普通にこれは重い?」とか色々考えたけど、一度やりたいと思ったら気が済まない性格だから一秒後には悩みなんてどうでもよくなっていた。
「こんにちは~」
「こんにちは~」
いつものように挨拶をする。
少し緊張して間があいた。
「あの、これ、どうぞ!いつも挨拶してくれてありがとうございます!凄く嬉しくて…」
女の人は驚いた顔で、でもすぐにいつもの笑顔に戻って
「ありがとう~!」
と返してくれた。
そして私がありがとうを言い終わるのと同時に
「あったけぇ~~~」
と、渡した缶コーヒーを両手で包みながら、満面の笑みで、私の目を見て言ってくれた。
その日は、本当にあたたかかった。
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