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節分

「今年の鬼はパパにやってもらう」
と息子
「パパの中の鬼に出ていってもらう!」

(鬼は3年前パパを転落事故で頚椎損傷にしてしまった)

ぐっと胸が締め付けられる
「そうやな!そうしよ!」
と私は悲しい雰囲気にならないように
張り切った調子で言った

なんて健気なんだろう
パパが大好きなんだもんね
本当はいつもいつもパパが元の様に
動ける事を望んでる
最近はそんな話をすることも
夜に泣くこともなくなって来ていた
悲しみはいつもそこにあるのだけど
前に進む為に見ないようにして
日々を過ごしているから

だけど、諦めたことは1度もないよね
私達
いつだって奇跡を信じてる

息子は車椅子で外に出た父親に向かって思いっきり豆を投げつけた
寒いからほんの一時だけだったけど
本気でパパの中の鬼と戦っていたね
優しいね
ありがとう

主人はきっと幸せだけど辛い気持ち
私も同じ
愛おしさの分辛い

あぁ、神様
願わくば願わくば
今すぐにでも
主人の手足を動かせて下さい
この愛でいっぱいの息子の為に

またパパとふたりでしたい事が
いっぱいあるのにね
大人になっちゃう前に
喜ばせてあげたいなぁ

寝室でひとりになると
久しぶりに涙が止まらない
仕舞い混んでいた感情が溢れ出す
だけど願いは必ず叶うと信じてるから大丈夫
宇宙は完璧だから
明日からもただ自分を愛し
愛する人達に愛を伝える
そうやって生きていく
ただそれだけ
今はひとしきりこの感情を出し切ろう

闇に輝く眩しい程の光
それは純粋な愛
それに触れられる奇跡に感謝
体験させてくれて
ありがとう

ありがとう
愛しています

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