在宅医療の道に進むことになったキッカケ
2016年6月。
この日はAさんの入院前、最後の訪問日でした。
日本鍼灸理療専門学校の夜間部に通学しながら外来整形外科に勤めていた頃、院長から
「通院出来なくなった方を訪問して欲しい」
という依頼があり訪問をすることとなった方。
ただ、当時在宅医療には全く興味がなかった私にとって
「行きたくないなー...」
というのが正直なところでした。
Aさんは通院で1年近く担当していたものの、無表情で声を出している場面を一度も見た事がない方。こちらから話しかけてもほとんど返事をしてもらえず、決して関係構築が出来ている方ではなかった事も訪問したくない理由の一つでした。
いざ訪問開始日となりご自宅に行くと、無表情で声を出さないAさんが笑ったり声を出したりする姿を見て衝撃を覚えたのは未だに忘れられません。
そのエピソードをきっかけに、
「患者さんの本当の姿は通院では知る事は難しいのではないか?」
「こちらから相手のパーソナルスペースに入り込んでこそ真のリハビリテーション に繋がるのではないか?」
その疑問が私の心の奥底からふつふつと沸いてきて、在宅という未知の領域に本格的にDIVEする事となりました。
以降、転職した後もAさんを担当しているケアマネさんから連絡があり、再び担当することになり、約6年間担当する事となりました。
看護師歴40年以上の奥さんには、ケアをしに行きながらも、逆に沢山の事を教えて頂きました。
色々な想いがこみ上げ、最終訪問日は2人で涙が止まりませんでした。
奥さんから
「白石さんの事を実の子供のように思っていた」
一生忘れず胸に刻みこみます。
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つい先日、4年ぶりに奥さんへ連絡をしてAさんにもご挨拶してきました。
※ご家族に了承頂きお写真を載せさせて頂きました
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