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Asian Science Camp 2022参加体験記① 知ったきっかけと応募について

こんにちは。閲覧ありがとうございます。Asian Science Camp 2022の参加報告書が公式サイトで公開されていて、4月あたりから応募受付だと思うので、参加報告書には書ききれなかった部分の細かい話をしていきたいと思います。これから参加しようと考えている方や、ASCってどんなものだろうと気になっている方のお役に立てたらと思います。

Asian Science Campとは

アジアサイエンスキャンプはノーベル賞学者や世界のトップレベルの研究者による講演、講演者がリードするディスカッションセッションなどにより、アジアからの参加学生が直接科学の面白さを体験し、また学生同士の交流を深める場です。
2005年のリンダウ会議の際、小柴昌俊博士(2002年ノーベル物理学賞受賞者)とYuan T. Lee 博士(1986年ノーベル化学賞受賞者)の間で、アジアの若者のためにトップレベルの学者と若い学生の交流プログラムをはじめたいと発案されました。

https://www.jst.go.jp/cpse/risushien/asc/

まとめると、アジアの高校生と大学生が集まり、研究者の講義を聞いたり交流するイベントです。

ASCを知ったきっかけ

ここは宣伝と昔ばなし多めなので興味がなければ飛ばしてください。
私は琉球大学グローバルサイエンスキャンパス(琉大GSC)の受講生で、2019年の全国受講生研究発表会で発表していました。

ここで発表することをTwitterで表明した際に何人かと繋がったのですが、アジサイだったりASCといった文字列が何度か目に入ったのでそのうちの一人に聞いて知りました。おそらく徳島出身の某氏をきっかけにこれを知った方も多いと思いますが自分もそのうちの一人です。そこの発表会ではTwitterでつながった方々の他にもいっぱいASC2019の参加者がいたらしく、一つの大きな集団が出来ていました。その背景を知らなかった当時は、みんな繋がりあってすごいなーって田舎者みたいな感想を抱いていました。同じような興味を持っている人は同じようなイベントで集まるんでしょうね。ちなみに今年も似たようなことが起きてました(後述)。
ちなみに、GSCとは簡単にいうと高校生が大学で講義を受けたり研究ができるプログラムです。運が良ければ海外に発表しにいけたりします。今の私は高1のときにこれに応募したから出来上がっていると言っても過言ではありません。他校の交友関係もほぼこれだし、高1のときにこの発表会で一瞬会っただけの人と今でも会ったりTwitter上とかで濃い交流を続けているくらいすごい居場所のいいプログラムでした。今は千葉大GSCの運営のお手伝いをして高校生たちに絡みにいったりしています。高校生たちのほうがすごいことやっているので非常に良い刺激になっています。これ見た高校生は上のリンクから近場の大学の事業に応募してみよう。ちなみに場所にもよるけど交通費の補助もあったりするので興味のある分野を学べる大学があったら遠くても応募してみよう!!

高3で応募しようとしたらコロナで消えてしまい、B1のときもコロナで消えたので存在を忘れかけてたころにこのツイートが流れてきました。

科学の甲子園……我々の代だけ中止になってこのアカウントを見るたびにモヤモヤしていたのだがこんな情報をまさかここから得られるとは……フォロー外さなくてよかった……
これを見た直後にすぐ応募書類を請求しました。

応募の話

ASCは例年は20人募集し、大学生(B1-B2)2人、高校生(2年と3年)18人が派遣されています(高専や中等教育学校からも行けます)。個人的には応募書類を仕上げるのがすごい大変でした。

  • ASC2022参加申込書

  • 成績証明書

  • 推薦書1-2枚

  • 英語関連の証明書

  • 提出課題

これがすごい大変でした(2回目)。一個一個書いたときのことを思い出して書いていきます。

ASC2022参加申込書

これはほぼ事務作業のための用紙なので一番楽でした。住所とか。と思っていたのですが開いてみたら割と書くこといっぱいありました。

1.参加目的[アジアサイエンスキャンプに参加して何をしたいか、参加して何を得たいか、簡潔に記載して下さい]
これは参加したい気持ちがあれば楽に書けると思います。

2.科学技術に関する研究活動・研究テーマなど
[課題研究が科目に開設されている高校や科学部等の活動だけでなく、個人で取組んでいる研究等があれば、記載して構いません]
GSCでやってたことについて書きました。2,3文程度でオッケーでした。研究やってなかったら参加できないんですかね、GSCに参加してなかったら応募を諦めていたと思います。

3.学外活動等
GSCの発表会と科学の甲子園(なお全国大会中止)について書きました。他は沖縄県の科学作品展のお手伝いだったり、県の科学系の研修や宿泊学習会に参加したことだったり、千葉大GSCのTAについて書きました。

成績証明書

留年スレスレをさまよっているので結構不安でしたが、うちの大学は取得した単位とその成績しか載ってなくてGPAの掲載がなかったので耐えました。

推薦書

ここすごい大変だと思います。応募要項には以下のように書かれています。

推薦書 (A4 用紙 2 ページ以内、様式自由、日本語または英語で記載)
① 担任・指導教員等(英語の能力や科学に対する興味・意欲について)
現在所属する学校または高校時代の担任、あるいは指導教員による推薦書。
推薦書には、1)英語の能力(読み書き、英会話及び総合評価)、2)科学に対する興味、3)ASC プログラムに参加する意欲、の三つの観点から記載してもらってください。
② 学外活動の指導者・関係者(学外活動における積極性や活動実績について)現在または高校時代の学外活動(ボランティア活動、地域活動、科学コンテスト出場等。生徒会活動・部活動等の活動も含む)の指導者・関係者(活動の先輩、OB・OG 等でも構いません)による推薦書。
推薦書には、1)活動における積極性・協調性、2)取組の実績、3)ASC プログラムに参加する意欲、の三つの観点から記述してもらってください。

https://www.jst.go.jp/cpse/risushien/asc/asc2022/pdf/asc2022_youkou.pdf

1年の前期のときの学科の講義の先生に名前を覚えられていたうえに面白そうなことを研究されていたので、1年の後期のときに先輩と一緒に絡みにいって仲良くなった先生がたまたまいました。担任の先生もいるのですがまともに話したこともなかったので、担任ではなくその先生に①の推薦書をお願いしました。ありがたいことに、本当に私のことを書いているんだろうかと思うほど素晴らしい「私」がその推薦書の上で錬成されていました。いまこれ書いてて気づいたのですが高校の先生でもよかったのですね。高校でこっちの方面で詳しく知ってくれている方はいなかったのでどちらにせよお願いしなかったですが……
課外活動に参加していなかったら①だけでいいのですが、私は参加していたので、お世話になった研究室の先生にお願いしました。GSCは高2で修了したし先生の研究室の学生でもないのに、忙しい中で快く引き受けてくださって感謝しかありません。

英語関連の証明書

これ、盲点でした。なぜかというと私は2016年の1月あたりの大幅改定前(Writingがありません)にギリギリ滑り込みで英検2級を取ったのを最後に資格試験を全く受けずに過ごしていました。取らないといけない理由もなかったので。実家に合格証明書はあるけど、大昔だし2級だし今から何かしら受ける時間も無いしどうしようと思っていたら大学入学直後に大学のお金で受けたTOEFL ITPの存在を思い出しました。その成績表が家にあるだろうと思い適当に書類をつっこんだ本棚からちっさい成績表を掘り出してコピーして提出しました。大学に入ったあとに何かしらこういうイベントがあるかもしれないので高3の受験直前でも英語力が一番高い時期に気休めにこういうの受けておいたほうがいいかなと思います。

提出課題

これも大変でした。AとBの2つありました。

(A)過去の講義動画の視聴による課題
応募者は、これまでに ASC で行われた講義(以下、「ASC 講義」といいます)から、下記のいずれか一つの講義動画を全編視聴し、課題①および課題②を提出して下さい。
【講義動画】
(1)(ASC2012)Prof. Kobayashi Makoto (2008 年ノーベル物理学賞)
「Development of Particle Physics」
(2)(ASC2017)Prof. Howard (Haim) Sider「The footnotes of life」
(3)(ASC2012)Prof. Aaron Ciechanover (2004 年ノーベル化学賞)「The Personalized Medicine Revolution」
(4)(ASC2016)Prof. Cédric Villani (2010 年フィールズ賞)「Lecture on Of Particles, Stars and Eternity」
課題 規定・文字数
課題①(日本語)「視聴した ASC 講義の要旨」
視聴した ASC 講義動画の指定箇所(10 分程度)について、内容を日本語で要約して下さい。指定箇所は、資料請求後の応募書類のご案内の際、お伝えします。要約にあたり、応募者の意見・感想は含めないで下さい
【用紙サイズ】 A4 サイズ(縦)
【フォント】 MS ゴシック 11pt
【行間】 1.5 行
【文字数】本文 700 字以上 850 字以内(厳守)
※冒頭に課題番号・表題・氏名を記載(文字数には算入しません)
課題②(英語)「講師への質問とその理由」
講義後のディスカッションを想定し、聞いてみたい質問一つ英文で記載して下さい。またその質問をしたいと考えた理由を英文で記載して下さい。対象とする ASC 講義は、課題①で選択した動画と同一のものとしますが、質問は、全編を通した視聴に基づくものとして下さい。
【用紙サイズ】 A4 サイズ(縦)
【フォント】 MS ゴシック 11pt
【行間】 1.5 行
【文字数】質問及び理由をあわせ 200 語程度。
※冒頭に課題番号・表題・氏名を記載
※質問と理由の間は、空行を入れて下さい

https://www.jst.go.jp/cpse/risushien/asc/asc2022/pdf/asc2022_youkou.pdf

いかにも実践的な課題。私は小林誠先生の動画にしました。一番前提知識があるからです。Dirac方程式の話から始まり、素粒子物理学について様々なことを学べました。Diracの海って何、ここ何て発音してるかわからん、って気持ちになりながら色々調べて非常に勉強になりましたが、これを講義を受けながらやってる暇なんかないので通ったとしてもついていけるか不安になりました。要約は受験期にひたすらやっていたので楽しく出来ていましたが質問どうしようとなりました。1930年って今みたいに加速器とかないしどうやって素粒子物理学が発達したの?ってことを200語に頑張って引き伸ばした覚えがあります。全然いい質問ではなく、これのせいで落ちちゃうかもな、とも思ったし、難しすぎて後回しにし続けた結果、消印が有効となる当日になりました。GWの予定全部埋めたあとに開催のお知らせが来たので前っ膳書く時間がなくて学科の友達とメイドカフェに行くために大学から秋葉原に向かう総武線の中でパソコンを膝上でカタカタしながら書いていました。雨の中、メイドカフェに向かう前に秋葉原でコンビニで書類を印刷し郵便局を探して提出しました。最初の画像はこのときに食べたオムそばです。これに嫌な顔せず付き合ってくれた友達ありがとう……

(B)作文課題
課題③(英語)「これまでの科学の取組み」
これまで自分自身の興味から行った科学分野(物理、化学、生物学、数学)の取組みを紹介し、取組みを通して得た、人に伝えたい面白さを英文で記述してください。
【用紙サイズ】 A4 サイズ(縦)
【フォント】 MS ゴシック 11pt
【行間】 1.5 行
【文字数】 400 語程度
※冒頭に課題番号・表題・氏名を記載

課題④(日本語)「将来の取組み」
2015 年 9 月の国連サミットで持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)が採択され、日本においても様々な活動がなされ、現在広く認知されています。一方で、大規模な自然災害や感染症の世界的流行をはじめとした、新たな世界的課題が現れることに伴い、現在社会を取り巻く環境も大きく変化しています。応募者は、上記を踏まえ、下記の URL を参考とし、SDGs17 目標の中から、達成に興味のある目標または将来希望する進路に関係が深い目標を一つ選んで下さい。そして、選んだ目標について、解決に向け取組みたい研究テーマ・新技術・活動等とその理由を自分のこれまでの体験等を交えて記述して下さい。
【用紙サイズ】 A4 サイズ(縦)
【フォント】 MS ゴシック 11pt
【行間】 1.5 行
【文字数】 850 文字程度
※冒頭に、課題番号・表題・氏名、および選択した SDGs 目標を記載。

https://www.jst.go.jp/cpse/risushien/asc/asc2022/pdf/asc2022_youkou.pdf

③は比較的楽でした。高校生のときにやってきた研究をある程度細かく紹介して「面白いでしょう??これが実用化されたらアツくね??」ってテンションでゴリ押ししました。高校生のときの発表会で作成したポスターのデータとにらめっこして専門的な表現が間違ってないか確かめました。

④は非常に難しかったです。漠然としか将来やりたいことを考えていなかったので850字で具体的にSDGsと絡めて書くのなんてどうしたらいいんだ……となりました。高校のときにやってた研究がこれに絡めて書きやすい題材だったのでそれを発展させて500字まではなんとかかけたものの、それ以上どうしたらいいのかわからなくなりました。そこで、前述した学科の先生にヘルプを求めたらアドバイスをもらえてなんとか文字数をクリアしました。このような感じで出来上がったのでここも自信がなかったです。(ちなみに先生の研究室に進む前提で色々コメントが返ってきました^_^)今見返したら大学在学中の目標全然達成できそうにないじゃん!となりました。B2始まった直後の理想とB2終わった後の現実の差に打ちのめされています。精進せねば。

思っていたよりもだいぶ長くなりそうなので、キリがいいこの部分で一旦終わりたいと思います。参加が決定してから当日になるまでも色々な出来事があり、JSTで国内交流会もあったのでそのことについて春休み中には全部書きたいと思います。


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