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5 使われて見えてくるもの

「死ぬまで毎日やる」ことを何か決めてそれを毎日意識して行動すると、毎日が「死」と直接的につながることに気がついた。

そうすると「どのように死ぬか」と毎日問いかけることになり、それは「どのように生きるか」と同じことなのだ・・というのにも気がついた。

いのちとは何か知らなかったので、いのちとは何かをまなぶために、この問いかけを続けられるよう、死ぬまで毎日更新すると決めてみるのもいいかも、と思った。

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今日は、会社員のような先の保証のようにみえるものが何もないところで、丸腰で体当たりで人と関わりながら道をきりひらきつつ歩いている「おっさんフォトグラファー」、ひろこさんにお会いさせていただいた。

▲魅力あふれるおっさんたちの表情


紆余曲折を経ながら「おっさんフォトグラファー」としての道を歩き始めた話をうかがって、

やはり

・保証(のように見えるもの)がない場所で
・お金のような保証(のように見えるもの)を得るためではなく
・自らの感覚と身一つで
・実際に人と関わり合い、相互作用しながら

歩いている人は強いしすごいなとあらためて感じさせてもらえた。

人と相互作用しつつ毎瞬自分の内側にも尋ね続けるというガチの実践をされながら、どんどん深く広く世界を広げ、広げた世界を世界に与え返すということをされてる・・・そんなふうに感じられた。

実践にまさるものはない。

ひろこさんのようにガチで生きて見せてくれる人が存在していることが本当にありがたいし、自分も覚悟を決めるぞ!という思いがより深まったと思う。


その帰り道、新宿駅の改札口の外でぼーっと立っていた。
たまにこんなふうに人混みのなかに身をおいて、大勢の人が行き交う表面上のせわしなさの向こう側・奥側にあるなにかを感じようとしてみるのが、けっこう好きだ。

しばらく立っていると、外国人のおっさんに声をかけられた。
ロシア語っぽい言葉でホテルの情報が書かれたスマホの画面をみせてきたので、「ここに行きたいの?」と聞いてみるとどうやらそうらしい。(英語はすこししか話せないようだった)

ホテルの名前をGoogleマップで検索すると出てきたけど、駅からけっこうな距離があった。
「英語が通じるかもあやしいのに、ホテルの位置を口頭で伝えるのはかなり厳しい・・しかも新宿だし」ということで、時間もあったし「ホテルまで連れて行くよ!」と伝えた。

彼は「いやさすがにそれは悪いからいいよ!」(みたいなこと)を何度か言ってきたけど、このホテルはけっこう遠いから連れて行かないと説明できないと納得させて、いっしょに行くことになった。

聞いてみるとおっさんはウクライナから旅行できているらしく、東京に3日、京都に7日滞在する予定で、今日が東京の初日らしい。

「娘がロンドンに住んでるけど、ロンドンの道は汚い」
「日本はめっちゃキレイだ!」
みたいな話を聞きながら歩いていく。

さっきまでおっさんフォトグラファーのひろこさんとおっさんの魅力について話していたところでウクライナのおっさんに出会い、この方もかなり味わいのあるおっさんだったのがほんとに面白かった。

ようやくホテルに着いて帰ろうと思ったら、おっさんが手招きしてエレベーターに乗るように促す。
「え、なんで?」
と思ったけど促されるままエレベーターにのっておっさんについていった。

10階で降りておっさんの部屋まで行くと、ついてこいと言った理由がわかった。

私を、部屋にいたおっさんの奥さんに引き合わせたかったのだ!!

そういえばさっき歩きながら電話で誰かに話していたけど、あの相手は奥さんで、「今日本人がホテルまで案内してくれてる」と話していたに違いない。

奥さんはドアをあけるとすべてを了解していて、私にサンキューソーマッチと言ってくれた。

これはかなりうれしいことだった。

そして二人と握手をして、お礼を言ってわかれた。

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この「死ぬまで(仮)1日1話」を始めて、初日から「自分」には話すべき言葉がないと痛感して以来、自分のなかの自分を超えた何かに「使ってもらう」しかないという実感を深めている。(そういう感覚はもともとあるにはあったけど、更に深くなってきている)

今日のうれしい出来事も、駅で無になってぼーっとしてるなかで、トントントンと起きていったことだった。

自分ひとりのあたまで考えた自分がやるべきことを自分でやろうとするのでなく、自分を空にして使われることでこんなうれしい経験をさせてもらえるんだな・・という体験だった。

使われることで、思いもよらなかった人とのつながりへと開かれていく。

ひろこさんのお話からウクライナのおっさんまで、見事につながってたな・・と思えた今日だった。

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