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【夢日記】金魚

(ここは…一体…?)

僕の目の前には、真っ白い空間が広がっている。いや、空間ではないかもしれない。
真っ白すぎて距離感が掴めないため分からないが、何だか少し息苦しい。

ふと視線を落とすと目に映るものがあった。

いつの間にか、僕の手は器状にされておりその中に一匹の金魚がいる。
エラを上下させピクピクと小刻みに揺れている。呼吸ができず苦しんでいるみたいだ。

(水…水がいる。)

そう思い前を見た。
すると、何も無かったはずの真っ白い空間の中に水色の小さな池のようなものが見えた。
一歩足を踏み出せば届きそうな位置にあり、金魚が泳ぐのに十分な大きさと深さがあるように見えた。

(た…助かった…。)

早速苦しむ金魚を助けようと水たまりに近づこうとする。
しかし、僕の足は石のように動かない。

(??????)

なぜだろうか?分からない。
何度足を踏み出そうとしても、僕の足はピクリとも動かない。

ならばと手を動かそうとする。
…これも動かない。
手のひらを器の様な形にしたまま、固定されているかのようだ。

このままでは、手の中の生命はじきに燃え尽きてしまうだろう。

こんな状態で動かすことができたのは、目だけだった。

僕はその目で、ただ金魚の最期を見つめていた。