「魔法少女育成計画QUEENS」を読んで

前回(ACES)までの魔法少女育成計画

 B市での戦闘で行方不明になったリップルを探していたスノーホワイトは魔法の国の三賢人の一人であるプク派のトップであるプク・プックから重要な儀式に参加するプレミアム幸子の捜索と護衛を頼まれる。プク派のうるると中野宇宙美とともに捜索を開始する。彼女を発見するもプク派と敵対するハムエル率いるオスク派のシャッフリンⅡとオスク派への復讐を狙うプリンセス・デリュージとプフレとの取引で得た戦力であるダークキューティー、物知りみっちゃん、グラシアーネの3人、デリュージを心配するブルーベル・キャンディの計5人達との三つ巴となる。各勢力が一進一退の攻防を繰り広げ、何とかスノーホワイトはプレミアム幸子を連れプク邸の前まで来るも、ピティ・フレデリカによって操られたリップルによって殺されてしまう。さらに、プク・プックの魔法の儀式のキーパーソンはプレミアム幸子ではなくデリュージによって監禁されていたシャドウゲールであり、彼女をプレミアム幸子争奪戦の裏で確保していた。

え、要約できてない?

???「首をはねよ」

QUEENSあらすじ


 着々と進行するプク・プックの「魔法の国」救済計画。多大なリスクを孕んだその計画を阻止するため、そして囚われの身となったシャドウゲールを救い出すため、プフレは記憶を失ったまま起死回生の一手を打つーー

感想

 まさかの展開でしたね…。スノーホワイトが敵役(?)として立ちはだかったりプフレが死んだり、誰が想像できただろうか?ともあれ3部作の締めとしては非常に良かったと思います。緊張感のあるシリアスなシーンが続いていましたが

ハムエル「素晴らしい発想だと研究班も舌を巻くばかりだそうで」

レーテ「そんな舌引き抜いてしまえ」

ハムエル「全くです」

というようなオスク派の2人の掛け合いで申し訳程度のジョークが入っていたのもよかったですね。まぁ2人とも…うん。

 しっかし、プク・プックの魔法強すぎですね、所謂チートレベルでしたね。あれを倒す方法が全然想像できなかったんですけど、最後はなんとなんと前回死亡したプレミアム幸子の契約書を使って不幸を起こして抹殺(物理)するという斜め上の方法でした。さっきも言ったように主人公といっても差し支えなかったスノーホワイトですら即落ちしてしまう魔法の強さとモニターを介しても効果があるという点は非常に強力で多くの魔法少女達が餌食になっていました。魔法も凶悪でしたが個人的には他人に何の躊躇もなく魔法を使うところがタチ悪いなぁと思いました。プク・プックが魔法の国を本気で救おうとしていたことも自分が寵愛している配下のことを気に入っていたことも事実でしょうが、自分のやることに間違いがないと信じて疑わない面はサイコパスのような気質さえ感じさせました。まぁそれがQUEEN感出している節はあります。

 タイトルにQUEENSってついているぐらいなので複数人がそれに該当するのは明らかなんですけど結局だれがそうなんでしょうね。人事部の長ででJOKERSの黒幕のひとりでもあるプフレだったのか、あるいは彼女からもろもろ貰って絶賛何かやらかしそうなプリンセス・デリュージなのか、ほかにもいるのか。私はさっき上げたプク+2人の3人を指しての複数形だと考えました。まぁプフレは退場したのでプクとデリュージかもしれませんが。

 途中でダークキューティーが言っていた「主人公」というワードも読むうえで意識しました。重ね重ね言いますが、スノーホワイトがどっちかというと敵側で登場したので「じゃあ主人公は誰?」って疑問が当然出ます。もともと群像劇みたいなもんだから「主人公」を設定すること自体に意味はないのかもしれませんが、エピローグでスノーホワイトがわざわざその手の考えに言及していることから「主人公」を意識するのは自然だと思いました(暴論)。シャドウゲールを取り戻そうとするプフレがそれに該当するのかなあぁと考えましたが退場しちゃってるんですが…まぁ主人公してたと思うよ。

 そういえばブルーベルが活躍してましたね。ブルーベルといっていいのか分からんが。感情を飴にして出し入れできるのでACESでのデリュージの激昂は彼女のせいでもあったんですね。まぁどっちかといえば初代ラピス・ラズリーヌなんでしょうが。初代も次は何やらかすんですかね、それもまた楽しみではあります。

 最後にシャドウゲールがプレミアム幸子の契約書にサインしたシーンについて。プフレは一か八かで賭けていましたが、ひょっとしたらシャドウゲールがサインした時点でプフレの死は確定したのではないかと考えます。なんせ、魔法にとらわれた状態であれシャドウゲールはプフレのことをお嬢と呼び今までと変わることなく幾度と煮え湯を飲まされてきた相手であるとの認識を変えていませんでした。確かにプク・プックの死を一番の不幸だと捉えていたかもしれませんが本能的にどこかでプフレのことも護るべき主人だと思っていたのではないかと思います。だからこそ、「自らの手で護るべき主人を殺める」という不幸が訪れたのかもしれません。

次回作以降への期待

 長々と感想を書きなぐってますがもう少しお付き合い下さい。

 さて、今回の事件でプク派とオスク派は力を失いました。フレデリカはなぜカスパ派の人間として動いているのか?初代ラピス・ラズリーヌは次どう動くのか?スノーホワイトとリップルの関係は?選択肢を増やしたデリュージの次の目標は?そして抜け殻となったシャドウゲールの再起はあるのか?この辺りが見たい内容ですね。そしてこの3部作で出てきた現身とはどういうものなのかをもうちょっと詳しく説明が欲しいですね。カスパ派の現身さんの謎も気になります。宇宙旅行したファルは帰ってこないでしょうね(適当)。といった感じで次回作の『黒』も後々読みたいと思います。が、まずエピソード〇〇系の方を先に消化したいと思います。

P.S. ハートのシャッフリンちゃんは前々作同様デコイにされたり八つ当たりされたりかわいそうですね。でも涙目かわいいよ。

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