ホラー小説「ドールハウス」第8話 何もない部屋
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15.美夏やっぱり、この屋敷は地獄だった。
和室に飾られた着物を着た死体の目にはピンク色のガラス玉がはめ込まれていて痛々しかった。
本物の死体は人形みたいに飾られていてもグロテスクで気持ち悪かった。
あたしはすぐに和室を出て、近くの部屋を探し始めた。
ドアを開けると、いろんなものが置いてあった。どうやら、物置のようだ。
軽く調べてみたが、裁縫箱やいろんな段ボールの箱しかなかった。脱出に使えそうなものは無さそうだった。
奥には別の部屋に通じるドアがあった。
その