調剤報酬改定の仕組み

調剤報酬改定については様々な方が解説してくださっています。
多くの薬局が関わる部分については解説が大変助かります。
その一方で薬局で独自に考えて評価を得ている取り組みが点数での評価にもつながるかどうかは改定の内容をじっくり見ていく必要があります。
そのためには、調剤報酬の成り立ちを理解しておく必要があると思って調べてみました。

調剤報酬は以下のような成り立ちです。

健康保険法第76条で、
療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定する
とされています。
この定めの内容については、「厚生労働省告示」、として示されます。
点数表については、平成二十年厚生労働省告示第五十九号で、「保険薬局に係る療養に要する費用の額は、別表第三調剤報酬点数表により、一点の単価を十円とし、同表に定める点数を乗じて算定する」とされています。
この調剤報酬点数表が都度改訂されていきます。厚生労働大臣が定める内容が変わるものであり、法律そのものが改正されるわけではありません。
また施設基準についても同様に告示内容が変更されていきます。
今回改訂された内容は、以下のページに示されています。

このページの「診療報酬の算定方法の一部を改正する件 令和4年
厚生労働省告示第54号」に改定された調剤点数表が示されています。
改訂された施設基準は、「基本診療料の施設基準等の一部を改正する件 令和4年厚生労働省告示第55号」として示されています。

上記告示に記載された点数表や施設基準には、あいまいな表現があります。例えば、告示に記載された「地域医療への貢献に係る相当の実績」ってなんですのん、となったときに何も規定がなければ、各薬局が自ら実績のレベルを判断し、相当の実績である、と考えればその旨の申請を行うことになります。その申請を審査する側は大変です。

そこで、申請を受理する地方の厚生局や都道府県担当部局に向けて、相当の実績とはこういうものです、という基準を厚労省の担当課から通知します。それが上記ページに、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 令和4年3月4日保医発0304第3号」として示されています。
長大な通知ですが、薬局関連は、14,16,294~315頁です。
この担当部局向けの通知が公開されていることで、申請する我々もそれを参照して申請を行うことができることになります。
また調剤報酬点数表については「別添3 調剤報酬点数表に関わる事項」が「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和4年3月4日保医発0304第1号」に示されています。これは厚労省による調剤報酬点数表の考え方を厚生局や都道府県担当部局を通じて医療機関や審査支払機関に通知する形になっています。

今回は大きな改定になったため、詳細まで把握するのは難しいですが、なんでこんな評価になったとかいな、とか、ここは認めてくれているんだ、とか、細かく見ていくといろいろあります。

点数で評価されることのみを目指して様々な取り組みをしているわけではありませんが、自らやってきたことが点数でも評価されるとうれしいですね。

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