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一般名コード、薬価基準収載医薬品コード、個別医薬品コード(YJコード)、とか


歴史的な経緯とはたぶん異なりますが、一般名コード(一般名処方コード)、個別医薬品コード(YJコード)、薬価基準収載医薬品コード(厚労省コード)の順に考えていくと理解しやすいです。

一般名コード、薬価基準収載医薬品コード、個別医薬品コードはいずれも12桁のコードで、同じお薬であれば先頭の9桁は共通です。

共通な9桁の成り立ちは以下の通りです。
薬効分類4桁+投与経路と成分を示す3桁+剤型を示す1桁+規格を示す1桁

〇一般名コード
一般名処方に際してはこの4つの情報以外はなくても足りるため一般名コードは、この9桁の末尾に固定文字列のZZZを加えたものになっています。(まれにこの9桁が共通でも、理由はわかりませんが区別が必要なものがあるため、その場合は、9桁目がアルファベットに置換され、固定文字列ZZZの部分が別の文字列になって区別されるようになっています。

〇個別医薬品コード
個別医薬品コードの本体部分は、一般名コードと共通の9桁の末尾に、薬をさらに区別するための2桁を付与したものです。その本体部分から計算されるチェックデジットをさらに末尾に加えると個別医薬品コードになります。
一般名処方で、
【般】アルプラゾラム錠0.8mg
と書かれた場合、それに対応する薬はいくつかあります。
以下に一覧を示します。

これら5つの薬は、一般名は共通です。一般名コードも共通になります。これらを区別するために、共通の9桁である1124023F2のあとの2桁に異なる数字が割り振られています。繰り返しになりますが、末尾の1桁はチェックデジットです。

〇薬価基準収載医薬品コード
薬価基準収載医薬品コードと個別医薬品コードはまったく同じである場合が多いです。例外は、統一名収載品といわれる薬です。一般名が同じになる薬で薬価差が大きい場合、薬価が低い複数の薬には個別ではなく一括して薬価が設定されます。それらを統一名収載品といいます。上の例では、屋号が「サワイ」「トーワ」のアルプラゾラムが統一名収載品です。統一名収載品には、共通の9桁の後に固定数字の01が付与されます。末尾にはここでもチェックデジットが付与されます。「アメル」は統一名収載品ではないため、共通の9桁の後は01になっておらず、個別医薬品コードと薬価基準収載医薬品コードがまったく同じコードになっています。

ここでは、個別医薬品コード、薬価基準収載医薬品コードの順に説明しましたが、順番としては、薬価基準収載医薬品コードがあり、同じ薬価基準収載医薬品コードが付与される複数の統一名収載品を区別するために個別医薬品コードが設定される、という流れだと思います。

〇国の設定するコード
厚生労働省が設定するコードは、一般名コードと薬価基準収載医薬品コードです。これらは厚労省のウェブページにも掲載されます。
一方、個別医薬品コードは国が用いるコードではありません。これを国が関与するコードとすべく働きかけが行われるようです。

〇さらなる区別を行うためのコード
個別医薬品コードは、お薬の銘柄を区別できるコードでした。
薬局では、お薬の銘柄だけではなく、包装単位、例えば100錠入りの箱、1000錠入りの箱、を区別して扱います。これらを区別できるコードがJANコードやGS1コードということになります。これらについては別記事でも説明しています。




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