【論文0001】プライマリケア領域での関節リウマチ患者における脂質異常症の有病率は?

Management of hyperlipidemia among patients with rheumatoid arthritis in the primary care setting.
BMC Musculoskelet Disord. 2015;16:237
Jafri K, Taylor L, Nezamzadeh M, Baker JF, Mehta NN, Bartels C, Williams CT, Ogdie A
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26336889
PMID: 26336889

背景:
関節リウマチ(RA)は心血管疾患の罹患率および死亡率のリスク増加に関連付けられているが, 高脂血症などの古くから知られる心血管リスク因子のように, リスクの最適な管理がなされていない. 本研究の目的は, 1) プライマリケア従事者(PCP)が診る、RA患者における高脂血症のスクリーニングための有病率をもとめること,  2)スクリーニングされた患者において脂質低下療法の開始を検討し、3)心血管リスク計算の修正案が, 脂質異常症の治療が必要とされたRA患者の割合を変更するかどうかを評価することである.

方法:
米国の学術医療センターベースの医療記録のデータベースを使用した後ろ向きコホート研究を実施. 2005年から2010年までの期間中に, 少なくとも1つのICD-9コードの存在によって定義されたRAを有する患者が対象(RA患者を識別するためのICD-9コードの陽性予測値は96.7パーセント)

結果:
RAを有する1056人の患者が脂質異常症のスクリーニングに組み入れられ, そのうち、実際にスクリーニングされたのは539(51%)人であった. 糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、肥満や年齢が50歳以上の患者はスクリーニングを受けることが多かった. 脂質検査の結果を受けた患者 290人のうち、25人(9%)がガイドラインに基づいた脂質低下療法を受ける必要があることが判明した.その25人のうち, 10人(40%)は実際には治療を受けていなかった.  修正されたリスク計算方法を適応させても, 治療が必要な患者数は2人だけしか変化しなかった.

結論:
脂質異常症などの昔から存在する心血管リスク因子のスクリーニングおよび管理は、最適化する必要があると結論.

【感想】
一読してもさっぱり理解できなかった論文です.
印象としては, 「関節リウマチと脂質異常症を合併すると心血管イベントリスクが増えるかもしれないから, 新しい基準を作ってもっとうまく管理しようぜ」といったメッセージのための論文かなと愚考してます.

注:
当記事の内容に関しては最低限の質を担保するよう最大限の努力をしているものの, 内容に誤りなどがございましたら, twitterアカウント@pharmasahiroまでご連絡ください.


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