ジェネパンとの付き合い方

本記事では、日本メイプルストーリー(JMS)におけるジェネパン問題について解説し、ジェネパンをするべきなのかどうかを筆者のステータスを具体例として検証します。

○忙しい方向けざっくり要約
・パンダ有り200武器を使ってる場合はジェネパンほぼ必須。
・ジェネクエソロ攻略できない程度のキャラはジェネパン不要。
・ジェネパンするか悩めるならしたほうがいい!



そもそもジェネパン問題とは

大前提として、ジェネパンとは、「ジェネシス武器武公パンダ魂の玉を貼る」行為を指します。

ジェネシス武器は現環境において最も強い武器であり、暗黒の魔法使い(ハード)を倒すことで得られる「暗黒の魔法使いの片鱗」が合計で8個必要です。そのため、ジェネシス武器を取得するためには最低でも8か月を要します。

(ジェネシス武器は筆者未開放のため画像無いです。)

武公パンダ魂の玉も同様に、現環境における最も強い魂の玉です。こちらは期間限定で販売されるモンスタースロットマシンや奇跡の植木鉢といったランダム型アイテムから低確率で入手することができ、現在のオークションでの取引価格は25g↑と非常に高価なアイテムです。

前述のとおり武公パンダ魂の玉は非常に高価であるうえ、成功確率は25%と決して高くはありません。
さらに、失敗時に武器を破壊する可能性があります。
そのため、一般的に、武公パンダ魂の玉を使用する際は、プロテクトシールドと、リカバリーシールドを併用し、失敗時の武器の破壊と、魂の玉の消失を防ぎます。

(リカバリーシールドは期間限定販売)

ここで問題になるのが、ジェネシス武器の強化不可という制限です。
この制限により、ジェネシス武器にはプロテクトシールドとリカバリーシールドを使用することができないため、魂の玉を使用する場合は失敗時に武器が破壊されるリスク(武器の再取得に8か月を要する)と、魂の玉が消失するリスク(失敗する度に25gの損失)の両方を背負う必要があります。

この二つのリスクによって、ジェネシス武器に武公パンダ魂の玉を成功させることが非常に困難になっていることがジェネパン問題です。


ジェネシス換装の火力上昇

ジェネパンをするべきかどうかを判断するための材料として、ジェネシス武器に換装した場合に火力がどれほど向上するかを考えてみます。

例として、現在筆者が使用している武器を挙げてみます。

アーケインシェードケイン、22星LL、非合成黒書埋め、攻撃力転生tier7、武公パンダ魂

この武器をジェネシス武器に換装する場合の火力向上とコストを計算していきます。

ジェネパンをする場合

まず、ジェネシス武器はラッキーアイテムであるため、多くの人が当てはまるアビス3アーケイン5構成の場合は、アビス4セット目のボスダメ30%が増えます。

転生tier7におけるジェネシスケインの攻撃力は804のため攻撃力+8
(※実際は魂のオーブ最大状態では武器攻撃力の10%が加算されるため若干異なりますが、ここでは無視します。)
転生を含めないジェネシスケインのLUKは327であるためLUK+52

そして、ジェネシス武器には「破壊のヤルダバオート」というスキルがあり、最終ダメージが常に10%増えます。

まとめると、攻撃力+8、LUK+52、ボスダメ+30%、最終ダメージ+10%となります。
これを筆者の現在のステータスで最終ダメージ%に換算すると、約14.5%の火力向上となります。

KMSで使用されている換算ジュスタット計算機
正しくステータスを入力すれば誰でも使用可能
リンク

ジェネパンをしない場合

では、ジェネパンを諦めて、魂の玉を貼っていない状態のジェネシス武器に換装した場合を考えてみます。

この場合は、攻撃力などの数値はジェネパンをする場合と同じですが、武公の絶対攻撃(60秒間攻撃力+100%、再使用待機300秒)が使用できないため火力損失が発生します。
(※加えて、STR職の場合はメインステ6%分が減少します。)

筆者の現在のステータス(潜在攻撃力%:140%)でこの火力損失を概算してみます。

スキル稼働率:(60s/300s)=1/5
武公の絶対攻撃使用時の火力向上率:(240%+100%)/240%=1.416…≒41.6%
武公の絶対攻撃未使用時も含めた全体の火力向上率:(1/5)*41.6%=8.32%

今回は武公の絶対攻撃を使えなくなる場合を想定しているため、この8.32%がそのまま火力損失になります。

実際の戦闘では瞬間火力に合わせて使用するためこれより損失は大きくなります。
筆者のメインであるファントムの場合は、以下の理由から、単純な損失の計算値と、実際の損失の真値の乖離がかなり大きいことが考えられます。

  • 盗賊共通5次スキルのレディトゥダイにより、継続火力と瞬間火力の差が比較的大きい。

  • 職業スキルとctリセの相性が良く、アビリティにctリセ20%をつけることが多い。

  • バイパーの4次スキルであるタイムリーフを使用できる。

  • 生存に関するユーティリティが豊富で、魂のオーブを維持しやすい。


換装コスト

ジェネシス武器は強化不可ですが、転生の炎潜在オプション魂の玉は変更することが出来ます。
逆に言えば、強化書強化とスターフォース強化を行うことが出来ません。
(※自動的に痕跡15%埋め、22星強化された状態になります。)

以下、確率に関する話が登場しますが、いずれも韓国メイプルストーリー(KMS)で公表されている確率を引用しています。
JMSにおいても同様の確率であることは保証しません。

転生の炎

永遠の転生の炎を使用し、他のオプションに関わらず攻撃力のtier7で止める場合、確率は0.21053%で、475個で期待値1となります。
永遠転生1個当たり10mとして、およそ4.75gかかる計算になります。


潜在オプション

ジェネシス武器は潜在オプションがユニークアディショナル潜在オプションがエピックの状態で取得できます。
また、ジェネシス武器はキューブを使用することはできますが、レジェンダリーグレードアップの書を使用することができないため、キューブで昇級させる必要があります。

まず、通常の潜在オプションについて計算します。
ミラクルタイムにメガキューブを使用する場合、ユニークからレジェンダリーへの昇級率は2.8%で、36個で期待値1となります。
メガキューブ1個当たり110mとして、およそ3.96gかかる計算になります。

続いて、今回は攻撃力%とボスダメ%のみを有効オプションとして、ネオキューブで3重複するまで回す場合を考えます。(2,3列目のプライマリオプションは考慮しません。)
こちらのサイトで計算した結果、確率は約0.3966%で、253個で期待値1となります。
ネオキューブ1個当たり50mとして、およそ12.65gかかる計算になります。

レッドキューブ(JMSにおけるネオキューブ相当)で攻撃力%orボスダメ%3重複が出る確率


アディショナル潜在オプション

同様に、アディショナル潜在オプションについて計算します。
ミラクルタイムにネオアディショナルキューブを使用する場合、エピックからユニークへの昇級率は3.9216%で、26個で期待値1となります。
ネオアディショナルキューブ1個当たり140mとして、およそ3.64gかかる計算となります。

ミラクルタイムにネオアディショナルキューブを使用する場合、ユニークからレジェンダリーへの昇級率は1.4%で、72個で期待値1となります。
ネオアディショナルキューブ1個当たり140mとして、およそ10.08gかかる計算となります。

続いて、今回は攻撃力%のみを有効オプションとして、ネオアディショナルキューブで2重複するまで回す場合を考えます。
こちらのサイトで計算した結果、確率は約0.6716%で、149個で期待値1となります。
ネオアディショナルキューブ1個当たり140mとして、およそ20.86gかかる計算となります。

アディショナルキューブ(JMSにおけるネオアディショナルキューブ相当)で攻撃力%2重複が出る確率

よって、通常の潜在オプションとアディショナル潜在オプションにかかる費用は、合計51.19gになります。


魂の玉

魂の玉はその種類に関わらず成功確率は25%で、ラッキースクロール等の確率上昇系の効果は適用されません。そのため4個で期待値1となります。

武公パンダ魂の玉1個当たり25gとして、およそ100gかかる計算となります。
(武公パンダ魂の玉と比較して魂の書のコストは小さいので無視します。)

ただし、1回当たりの確率が25%と高く、試行1回当たりのコストが大きいため、早く成功する場合となかなか成功しない場合で段階的に大きなコスト差が生まれます。

下の表は、pythonで簡易的なシミュレーション100万回を行った結果です。

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline 成功にかかった回数n&n回で成功した数 \\ \hline 1&249923 \\ \hline 2&187168 \\ \hline 3&141218 \\ \hline 4&105885 \\ \hline 5&78718 \\ \hline 6&59008 \\ \hline 7&44527 \\ \hline 8&33095 \\ \hline 9&25141 \\ \hline 10&19040 \\ \hline 11&13996 \\ \hline 12&10556 \\ \hline 13+&31725 \\ \hline \end{array}
$$


創造のアイアンの有無

創造のアイアン」はジェネシス武器を装着している場合に使用可能になるスキルで、ct120秒で10秒間無敵になることができます。
(2024年夏のDREAMERアップデートでクールタイムが180秒から120秒に上方調整されました。)

緊急回避用の無敵スキルとしてはもちろん、瞬間火力を安定させるために使用することもでき、非常に汎用性の高いスキルです。

自前で無敵スキルを持たない職業は、特にジェネシス換装のメリットが大きいと言えます。


武公パンダ以外という選択肢

実際にこれを見たことはないですが、武公パンダ魂の玉のコストのみが問題で、破壊した場合に再取得にかかる8か月という期間に目を瞑ることができる場合、武公パンダ以外の魂の玉を張るという選択も残されていると思います。

武公パンダ以外で有力なのは、ボスダメ30%が得られるウィル、真ヒルラ、デュンケル辺りになります。
ボスダメ30%は最終ダメージ%に換算するとおよそ3~4%程度になり、武公パンダに劣るとはいえ、あるのとないのとでは大きく火力が変わります。

とはいえ前述したように、ジェネシス換装をする場合は最低でも50g程度は潜在のために用意しているはずなので、それだけの資金力がありつつボスダメ30%の魂の玉で妥協する選択は難しいかもしれません。


ジェネパン問題解決の可能性

知っている方も多いと思いますが、ジェネパン問題はJMS固有の問題です。

KMS、グローバルメイプルストーリー(GMS)、中国メイプルストーリー(CMS)では、JMSの魂の玉とは異なる、ソウルウェポンというシステムを採用しています。
(メイプルストーリーMもソウルウェポンに似たシステムを採用しています。)
ソウルウェポンは見た目は魂の玉と同じですが、性能は全く異なります。
また、ソウルウェポン強化時に武器が破壊される可能性はありません。

台湾メイプルストーリー(TMS)では、JMSと同様の魂の玉のシステムを採用していますが、ジェネパン問題の改善のために魂の玉の成功確率が100%に変更されました。

JMSでは2024年5月に、ゲーム内のサンデーメイプルの告知の中に、「偉大な魂の獲得率5倍!」という文章があったのが話題になりました。
偉大な魂というのはソウルウェポンにおける用語です。
結果的に運営のミスであり、その後ソウルウェポンが導入されると言った話は出ていませんが、正しく翻訳がされている点を考えるとソウルウェポンが実装される可能性がゼロとは言えません。

昨今のJMSは、オルカのバッジ、天井の息吹、ルナプチの実装のように、単純にKMSのアプデを適用するだけでなく、他国メイプルストーリー限定のアイテムを輸入するケースが多々あります。
また、ジェットの削除、ビーストテイマーのリメイクのように、他国メイプルストーリーと連携して大きな改変も行っています。

可能性は低いと思いますが、こうした背景から見てもJMSにソウルウェポンが導入され、間接的にジェネパン問題が解決されることもあり得ると思います。


結論

まず、筆者自身がジェネパンをするのかどうかという話ですが、「する」予定です。

ジェネパンをするほうが良いケース

明確にジェネパンをするべきなのは、元の武器が武公パンダ有りの完成済みアーケイン武器の場合です。
ジェネパンをする場合の換装コストは、転生が4.75g、潜在が51.19g、魂の玉が100gであり、合計156g程度かかります。
加えて不要になったアーケイン武器を手放すことになるので、完成度や武器種にもよりますが30~70g程度は返ってくるはずです。
そのため、実際は100g程度で最終ダメージ14.5%相当かそれ以上の投資効率が得られます。
ジェネクエをソロで攻略できる程度のキャラクターにとっては、この投資効率は非常に高いです。
このケースでは、アーケイン防具の22星や、漆黒換装、エテルネル換装よりもジェネパンの優先度は高くなります。


ジェネパンをしないほうが良いケース1

では、どのような場合にジェネパンをしないほうが投資効率が良くなるのかというと、ジェネクエをソロで攻略できない程度の低火力低資本キャラクターです。
このような低資本キャラクターの場合は、防具の投資効率が高い箇所が残っているため、ジェネシス武器の転生をtier6で妥協したり、アディショナル潜在をエピック止めしたりすることが肯定されます。
そうした場合、主な換装コストは通常潜在にかかるキューブ代のみでよくなるため、20g程度で十分な成長が見込めます。
ジェネパンをする場合と比較して浮いたメルは防具へ投資することで、ジェネパン以上の効率を得ることができるはずです。
また、このようなキャラクターはジェネシス換装を行うことで討伐可能なHボスのラインが急激に広がります。
迅速にジェネシス換装を行い、より多くの漆黒アクセサリーのドロップ抽選を受けられるようになれば、トータルで得をすることができます。


ジェネパンをしないほうが良いケース2

推奨したくはないですが、プレイヤースキル(PS)に自信のない場合も、ジェネパンをしないことが肯定されます。
JMSにおける魂の玉はその仕様上、ボス戦闘中に1デスでもしてしまうと効果を失うため、2回目のオリジンスキルが使用可能になる開始6分まで生存できない場合は大きく恩恵が薄れてしまいます。
筆者がこれを推奨したくない理由は以下の3つです。

  • セレンやカリーンでは、ギミックによりデス自体が強制敗北に繋がるため。

  • 暗黒やカロスでは、ギミックの構成上、前半段階ではデスする可能性が低いため。

  • 創造のアイアンにより、換装前より生存力が伸びるため。

しかし、PSに関してはある程度どうしようもない部分があり、職業毎の違いもあるため、個人の判断で選択してよい部分だと思います。


ジェネパンをするか悩ましいケース

ここまで細かく読んでくださった方はお気づきだと思いますが、元の武器が武公パンダ無しかつ、ジェネクエをソロで攻略できる程度の火力があるキャラクターの場合、ジェネパンをするかどうか非常に悩ましくなります

元の武器が武公パンダ無しの場合、ジェネパンをしなければ51.19gで最終ダメージ14.5%以上の投資効率が得られます。
使用していた武器を手放せることも考えると、破格の投資効率であることがわかります。

一方で、ジェネパンをすると156gで最終ダメージ14.5%*8.32%≒24%以上程度の投資効率が得られます。
これは、ジェネパンをしない場合の半分程度の投資効率になります。
さらにジェネシス武器が破壊された場合は再度8か月の間、中途半端なアーケイン武器を使用し続けなければならなかったり、失敗数が嵩み、より膨大な費用が掛かったりするリスクを背負う必要があります。

幸いなのは、ジェネクエをギリギリでソロ攻略できる程度のキャラクターの場合、次のボスへの参入障壁が高いため、8か月の間、武器の更新がなくても困るケースは少ないという点です。
この火力帯のキャラクターは275レベル前後で暗黒係数が1程度であることが予想されます。
H暗黒(バリア込650T程度)に続いて討伐するべきボスは、Hセレン(バリア込み600T程度)、Eカリーン(920T程度)、Nカロス(1050T程度)です。
H暗黒を討伐できる6人パーティにとって、これらのボスは火力よりもレベルとオーセンティックフォースが問題となるため、時間が経てば自然と討伐できるようになります。
しかし、さらにその次に討伐するべきボスは、Nカリーン(3500T)、Cカロス(6000T)等と言うように、急激に参入障壁が跳ね上がります。
そのため、時間をかけて装備更新することが許容され、1度ジェネ武器を破壊してしまう程度は問題になりません


結局のところ、ジェネパンをするしないどちらが正しいとは言えませんが、筆者の感覚としては、「ジェネパンをするかどうか悩めるのであれば、するほうがいい」です。

低資本のプレイヤーはそもそもジェネパンなんて考えもしませんし、逆に高資本のプレイヤーはしないという選択がありません。
ジェネパンをするかどうか悩んでいるようなプレイヤーは、高資本ではないにしても、少しでも強くなりたくて悩んでいるのですから、多少背伸びかもしれませんが、ジェネパンに挑戦するだけの価値はあると思っています。


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