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Meshuggah "Immutable" -かじぃの2022年に買ったアルバム 第5回

ジェントという一大流行を築いたオリジネーター、メシュガーの9作目で6年ぶりのアルバム。
Immutableの名の通り「不変の」サウンドを貫いている。
評価は☆4。

ジェントを今さら説明する必要があるかどうかは分からないけど、とにかくシンコペーションやポリリズム、変拍子を多用し、ドロップチューニングをした多弦ギター(8弦とかそれ以上)で、リフに特徴のあるメタル(グロウルを多用するので人によってはデスメタルっぽく聞こえるかもしれない)といった感じか。
とにかく変態的な楽曲をやってるジャンルでOK。

そのオリジナルであるメシュガー、ジェントブームは去ったけど当の本人達は流行なんか気にせずにマイペースに自分達の音を貫いている。
それをマンネリとするか不変とするかは人によるだろう。
歌メロは変則的なリズムやリフに合わせたりハズしたりといった感じで、ぶっちゃけ魅力はない。あるとすれば耳に刺さらないグロウルか。
逆にメロディではなく、リズムとリフにフォーカスするとジャンク置き場のようにとっ散らかりながらもひと塊となって襲い掛かってくる音。
そこにハマるリフ好き、変則リズム好きは多い。

本作は不穏で不気味な1曲目、Broken Cogから幕を開けて、徐々に凶暴さが明らかになっていくような印象。3曲目のLight The Shooting Fuseあたりまでは「うーん…」といった印象だが、4曲目のPhantomsあたりから「あー、やっぱメシュガーだわ」ってなる。7曲目のThey Move Belowで不穏な雰囲気を全面に押し出した小休止に入り、あとは一気呵成だ。

しかし、ここまで徹底した「リズム&リフ」に徹してるとはいえ、目まぐるしく変化していく楽曲であるにも関わらず、ドラマティック性に欠ける。
ひたすら不穏な空気と不安を煽る。その繰り返し。
変化しすぎて逆に単調に感じるというのが彼等の弱点でもある。
そこがやっぱりマンネリ化を感じてしまう要因でもある。
ひたすら陰鬱で怒りに満ちたリフに身を委ねたい時以外は、かなり食傷気味にもなる。
それは音楽性は違えど、方向性は似ているバンド、TOOLにも言えることではあるのだけども。

なんかこう、もうちょっと壁をぶち破るような何かが欲しい。


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