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Wayfarerガチャは本当にガチャなのだろうか?

昨日の話ですよ。
Tweetdeckで「Ingress」をキーワードに、日本語でTweetを自動的に検索して表示させているのだけど、昨夜、Web Radioの音声編集の最終チェックをしながらそのタイムラインをぼーっと眺めてたわけですよ。
そしたらポケGOのトレーナーがPOIの申請の為にIngressを始めたとかいう話が流れてきたわけですよ。

POI申請して弾かれちゃった、と。
似たようなオブジェがすぐ近くにあって、それと勘違いされたらしく、重複として弾かれちゃったみたいだ、と。
Wayfarerやってる奴等はちゃんと見ろよ、と。
きっとテキトーにしか見てないんだ、と。
やっぱりWayfarerはガチャだよな、と。
なるほど、ガチャかー。そっかー。

もちろん「なんだとぅ?!ガチャとは何だ!ケシカラン!」という反応もありだろう。
そのタイムラインに「いや、ちゃうねん。そやないねん」とぶっこむのもありだろう。
でも、そうじゃないよな、と思ったわけですよ。
彼等が言っている事も理解できなくはない。
他方からのみの視点では、正しい。

ぶっこんで説得するのは下策だ。
「なんやねん、こいつ」と思われて、反感を持たれて、丁寧に説明をしたとしてもその反感を以て9割方拒否られる。
一度反感を持たれて拒否られたら、それはずーっとその考え方を拒否され続ける事と同意だ。
よほどの事がなければ。

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彼等とオレを隔ているのは何か?
ある意味「見ている世界が違う」のだと思う。
世界線が違うということだ。
彼等は「PokeGo」でオレは「Ingress」とかそういう話じゃない。
彼等は「ゲームの世界でアドバンテージを取れればそれでいい」という世界であり、オレは「ゲームだけでなく、現実世界とも繋がっているコンセプトのゲームで遊んでいる」という世界なんだと思う。

Ingressは「XMが湧き出るPortal」というコンセプトのもとに現実世界の地図で世界観を構築しているので、比較的現実世界を認識しやすいゲームだという意見もあると思う。
確かにそれはそうなんだけども、IngressのAgentってNianticのファンが多くて、NianticのニュースとかCEOのジョン・ハンケとかJPの村井社長とか、川島さんのインタビューとかを良く読んでいるという側面もあると思っている。
つまりは"Adventure on foot"というNianticの仕掛けるリアルワールドゲームの基本コンセプトを理解しているかどうか?だと思っている。

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きっかけはゲームでもいい。
ゲームでPOIに行って、ふとゲームから顔をあげて、現実世界に立ち戻って見てみたら、そこに面白いものがあった。
そういった経験こそが、ゲームを、そしてプレイヤーの人生を豊かにしてくれると信じている。
その理念。

その理念を強く抱きすぎて、「面白いものがあった」という体験ができる方がとても大事なのであって、ゲーム上のアドバンテージを得るというのが副次的な産物になってしまっている、というのが今のオレだ。
とても捻じくれていると思う。
が、この捻じくれが面白いとも思う。
なぜならば、この捻じくれがNianticのリアルワールドゲームの未来を切り拓くものだと思えるからだ。
住所からジャンル別でピックアップした店舗を地図上に配置するという他の位置ゲーとは一線を画し、Nianticオリジナルの「リアルワールドゲーム」を唯一無二のオリジナルのものだと位置づけることができるからだ。
その先にこそ「その場所に行かないと出会えない何か」があると信じているからだ。
この捻じくれの構造をNianticは狙って放っているのではないかと思っている。
理念に固執し過ぎて、ライトユーザーとトラブルを起こさない限りはNianticにとっては有利に動いてくれるユーザーといったところだろうか。

PokeGoも魔法同盟も「リアルワールドゲーム」である必要性を感じないという意見もあるだろう。
でも、Nianticからリアルワールドゲームとしてリリースされちゃってる以上はそれはもう仕方ないよねって感じ。
んだから、PokeGoのトレーナーにもいつかは理解して欲しいなって思っている。
こちらから押し付けるのではなく、自分でそういう衝撃的な出会いをしないと分かんないのかもなぁって思ってもいる。

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ゲームはいつか飽きる。
ぶっちゃけIngressの三角で陣取りするのはだいぶ飽きた。
いくら陣地を奪還したところで2日くらいで真緑に戻されるしw
補給はダルいしw
でもね。
多彩な楽しみ方ができるからIngressを辞めずにいられる。
好きだったIngressを今でも好きでいられる。
それはたぶんとても幸せなことなんだと思うんだゼ。
その主軸が「三角の陣取り」から「その場所に行かないと出会えない何か」に移行しただけ。
その分長く楽しめるし、何よりもフィールドワークはめちゃくちゃ楽しい。

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「その場所に行かないと出会えない何か」は文字通り、Point Of Interestであって欲しいと思う。
「興味深い何か」、つまり「エモい何か」。
NianticのPOIの基準を満たしてれば、確かにWayfarerは通るんだけども。
市街地の公園にゲームしに行って、POIになっている現実のオブジェが公園の看板だったとして、それが興味深いか?それがエモいか?と問われてもぶっちゃけNoとしか答えようがない。
そこに行ってみようという気になるか?と問われてもぶっちゃけNoとしか答えようがない。
逆に店舗の壁から牛のケツだけがにょきっと突き出ているオブジェがあって、それがPOIになっていたとして(実際福岡県福岡市中央区大名に実在する)、それが興味深いか?それがエモいか?と問われたらどうか?そこに行ってみようという気になるか?
オレはYesだね。
テンガロンハットを掲げて牛のケツに乗って「ヒャッハー」とかやってるところを写真に収めたいね。乗れるほどのスペースがないんだけど。

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そういうことだと思う。
当然エモさなんてのは人それぞれの感性だとか、興味のある方向だとか、そういうのでバラバラではあるのだけど。
古墳が大好きな人は古墳を訪れたいと思うし、珍しい神社が好きっていう人もいるだろうし、狛犬の姿形に興味を示す人もいるだろうし、お地蔵様のご尊顔を研究している人もいるかもしれないし、猿田彦の石碑の形状の地域による差異を研究している人もいるかもしれない。
自分はエモいと思わなくても、現実世界で「これはエモいと感じる人がいるかもしれない」というのはなんとなく想像つくんじゃないかと思う。
そこは想像力で補なわないとなかなか難しいだろうとは思うけど。

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そういう意味では先に挙げた「公園の看板」なんていうのも県や市ごとにデザインが違ってて、それを研究してる人もいるかもしれないね。
マンホールなんてのも、市によってデザインが違ってて、そういう写真を集めてる人もいる。
ただ、同じデザインのものがいっぱいあるなら、量産品ではあるのだから、そのうちの一つだけPOIに採用されりゃ十分なんじゃない?って思ってしまうし(PokeGoのトレーナーには「多くて何が悪い?」って反発されるんだろうな、たぶん)、マンホールなんかは道路にあって交通の邪魔だったり轢かれる危険性があったりだとか色々難しい問題も出てくるよね。
移動されたり撤去されたらもうそれでオシマイっていうオブジェもあったりするだろうし。

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Nianticが掲げているPOIのガイドラインって、結局はそういう「現実世界でちょっと困った事になりそうな案件」の例を挙げてるわけよね。
PokeGoなんてのはジムレイドとかあるもんだから、人がいっぱい集まっちゃうわけで、人がいっぱい集まったら迷惑をかけちゃう場所なんてのもあるわけで。
そこは「現実世界の事情を勘案したうえで」申請したいし、審査もしなきゃいけないと思う。
それらを全部クリアできてはじめてWayfarerが通るっていう話になる。

最終的には「自分が想像できる範囲のエモさをもっている、あまり他では見かけない(デザインの)オブジェ」という個人の判断に委ねる形にはなってしまうんだけど、その個人の判断に幅があるせいで「オレの申請が通らない」という事態が起きているわけじゃないと思う。
その審査には複数の人が関わっていて、全く感性の合わない一人がそのPOIを弾いたとしても、他の全員がOKを出したらそのPOIは生えるのだから。
弾かれたPOIは「複数のWayfarerをやった人達の平均を採った結果」なのであって、それはガチャとはちょぉっと違うんじゃないの?とは思っている。

重複は誰か一人でも重複と判断して審査したら弾かれるんだっけ?
どうだったっけ?w
まぁ、「これは20mほど離れたオブジェとは別の個体であり、描かれているイラストが違う。あちらは豚さんでこちらは河馬さんだ」とでも書いていれば弾かれないんじゃない?とは思う。
是非今度はそれでトライして欲しい。
エモさが伝われば、きっと審査を通過するんじゃないかな。
たぶん。

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そういうのをさ、「ちょぉーっと待ったぁ!」って叫びながらぶっこんで説いたとしてもさ。
ゲームのアドバンテージを血眼にして探している人にとっては反感の材料にしかならないので、ぶっこむ事はしませんよ。
いずれ、ゲームに飽きた時に「そういやPOIはエモいもんだとかなんとか言ってた人がいるな」って思い出してくれて、「ちょっとその楽しみ方を参考にしてみようかな」って思ってくれればそれで僥倖かな、くらいの長期的な視野でないと受け入れられないかなぁって気はしている。

なんにせよ、Wayfarerはある意味苦行なので、たとえメダル欲しさにはじめたとしても、真面目に取り組もうっていう意気込みがある人の方が厳しく見ていると思う。
逆にテキトーな人こそがテキトーに審査して通しているんじゃないかって思うんだけど、実際はどうなんだろう?
まぁ、「チョロい人がいっぱい居ると通る確率があがる」という意味でラッキー要素を秤に掛けるガチャかもね。

なんだ、やっぱガチャでいいのか。

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