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そこに鳴る 「啓蒙して尋常に」-かじぃの2022年に買ったアルバム 第13回

「凛として時雨」系、文学プログレ偏執的バカテクバンド「そこに鳴る」の6thミニアルバム。
フルアルバムは1枚しか出ていない。2015年から活動しているのに…w
評価は☆4.5。
いい加減フルアルバムリリースしよう?w

ルーツは「凛として時雨」で、鋭いギターカッティングと重厚なディストーションリフが目まぐるしく入れ替わるスタイル。なおかつ変拍子や極端なStop and Goを繰り返し、そこに男女のツインヴォーカルにドラムもコーラスで参加するというなんでもアリなトリオバンド。
その歌詞はものすごく文学的で、内省的で、ニヒリスティックで攻撃的。
だが、どこかキャッチーで耳に残るサビが多いのも特徴。
オレの中で「売れてほしいなぁ」と思う邦楽バンドの堂々1位に輝いてる。

複雑な音楽性はなかなか言葉で説明がし難いため、代表曲を聞いてもらった方がはやい。

上記のように内省的で独特の世界観が極端な緩急を以て描かれている。
それはこのミニアルバム「啓蒙して尋常に」でも健在で、静と動のコントラストが実に美しい。

初っ端から複雑な構成で馬鹿でっかい壁を作って聴く者を分別するかのような「暁を担う」、そっからメランコリックな歌メロを展開しつつもブレイクから一転して複雑な表情を見せ始める「nocturne」、複雑なイントロから男女ボーカルの掛け合いを経てコーラスが美しくてキャッチーなサビを展開したと思わせて唐突な暗転のようなバックの無音ブレイク後に鈴木の重いセリフがやってくる「最低」など、そこに鳴る節が根底に流れながらも曲調のバリエーションは以前にも増して増えていると思う。

その偏執的なまでのバカテクっぷりに混乱しそうになるが、なんだかんだ言いながらも歌メロが印象的なまでに美しいのが彼等の魅力。
それは年を経る度に増していると思う。
だからこそ地道な活動が報われてほしいし、売れて欲しいと思う。

予算が厳しいのは分かるけどフルアルバム作ろう?w

ミニアルバムなので☆-0.5。
ほんとは☆5つけてもいいくらい好きなんだけど。

いや、なんでそんな複雑なギターワークをこなしながらヴォーカル取れるのさw

あと、Youtubeで展開している「そこに鳴る軽音部」も最高なので是非見てほしい。


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