見出し画像

かけ算九九を覚えるってのは大変だから、お助けしたい。……プリント紹介します。

九九を覚えるってのは大変。

小学校の教師を定年で辞めて4年目に入りました。4月のこの時期は、子どもも教師も大変だったなぁって思い出します。
で、小学校の算数の中でも大きな山場になるのが、かけ算九九の学習です。かけ算の仕組みを理解するのも子どもにとって大変なことですが、さらに九九を覚えるってのが修行みたいな感じになってしまいます。
私は、記憶力がとても弱いので、子どものころ九九を覚えるのに苦労したのだと思います……って、苦労したことさえ忘れちゃっている。

計算の学習ってのは、覚えるステップまでやらなきゃだめ。

故石田一三先生は「計算指導の定石化」の中で次のような旨のことを書かれていました。(書籍は絶版で、人にあげてしまったので、正確ではないかもしれませんが……)

  • 計算の学習には、わかる、できる、おぼえるの3ステップがある。

  •  わかるステップとは、授業の中で教師の指導や他の子の発言でその計算の意味や仕組みがわかるステップ。

  • できるステップとは、わかったので実際に計算してみて正しく計算ができるステップ。

  • 覚えるステップとは、できるステップの練習を繰り返すことで、答えがぱっと出てくるステップ

子どもは、わかるステップ、できるステップまで来ると、もう大丈夫と思って安心してしまい、覚えるステップまで練習を繰り返さなくてもいいって思いがちです。計算ドリルの学習はそのためにあります。繰り返すことで覚えるってのはとっても大事なのですが、できるからいいやって考えてしまい覚える学習を軽視してしまうのです。……それは、保護者も同じなのかも。

でも、実際はぱっと答えが出るまで覚えることが大事なのです。
6 + 7 =
という計算でいちいち頭の中で 6 を 3 と 3 に分解し、7 と片方の 3 を合計して 10 を作る。残った 3 をあわせて答えは 13
なんてやっていたら、それ以降の計算の学習で間に合わなくなってしまいます。
6 + 7 = といったら 13 ってぱっと出せるようにするまで学習することが大事なのです。(ちなみに3秒以内に答えが出せるのが合格ラインです)

かけ算九九の学習は、この覚えるステップまで進むための学習なのです。

九九を覚えるためのプリントの紹介

九九を覚えるために、九九カードというのがあります。英単語を覚えるためのカードみたいなものの九九版です。
それを使って練習するのも大事ですが、実際にプリントに書き込む学習も重要です。
で、自分の HP に計算練習のためのプリントを提供するページを作ってありますので。それを、紹介します。(この時期になるとアクセス数が増えます。)

計算練習プリントの一覧

かけ算九九だけではなく、たし算やひき算の練習のプリントも作ったので、一覧にして紹介するページです。

各段ごとに特化したかけ算練習プリント

かけ算の練習でそれぞれの段ごとに特化して練習するためのプリントです。
2の段から9の段までそれぞれ5回練習することができるようになっています。
1回ずつ練習してもいいのでしょうが、決められた時間内にどれだけすすめるか? を記録すれば、向上を自覚することができます。

かけ算九九では大方の子どもは 7の段 でつまずきます。7の段は、覚えにくいようです。 4×7(し・ひち)、7×4(しち・し) 、7×7(しち・しち)がいいにくいからなのでしょうか? 不思議です。
故に、7の段に力を入れて練習するのは大事です。7の段だけしつこく練習するのがいいでしょう。

かけ算九九100問テスト

かけ算九九の計算問題をランダムに並べたプリントです。81問じゃないのは、1×○ ○×1 の1のかけ算も入っているのと、7の段だけ2回出るようにしているからです。
左側に答えが一覧で載っているので、自分で採点できます。
私は、現役のとき、このプリントを算数の授業の最初の8分くらいで毎回行っていました。

かけ算九九早見表

いくら練習してもなかなかけ算九九を身につけられない子もいるのが事実です。記憶力のない私はそういう子の気持ちが痛いほどよくわかります。
で、3年生になっても九九がおぼつかない子がいます。それどころか、5、6年生になっても結構間違える子がいるのです。
で、そういう子はどうしたらいいかというと、算数の教科書の裏表紙のところに、九九早見表を貼り付けて「わからなければ見ていい」というふうにするといいのです。
わり算の学習をするとき、かけ算九九をつかわなければなりません。でも、かけ算がおぼつかない子は、かけ算を覚えていないためにわり算までわからなくなってしまうのです。
かけ算のつまずきがわり算のつまずきの原因になるのです。つまずきの連鎖、積み重ねになってしまいます。
故に、わり算の学習をする時、「かけ算に自信がなければ、九九早見表を開いて見てもいいよ」としてやればいいのです。

小学校2年生以上の教員の皆さんには、子ども全員に、算数の教科書の裏表紙の内側に貼ることを指導してください。それを見れば、かけ算でつまずいている子も、わり算の学習に参加できるようになります。私は、現職の時、わり算のテストを行うのに九九表を見ていいことにしました。九九を覚えていなくてもわり算の仕組みが理解できているのならば、そのことを評価してやればいいと考えたからです。

保護者の方には、早見表を使わせることを担任の教師に伝えてください。
「うちの子は、かけ算九九がまだ十分に身についていません。これからも練習して身につけるように努力させますが、わり算の学習にはいる段階で間に合わないかもしれません。故に、そのときは早見表を使うことをご許可ください」
そんな感じで伝えたらよいのではないかと思います。

著作権については、保留とし、自由にダウンロードできるようにしてあります。

ひとりでも多くの子がかけ算九九で苦しまないようになるといいなぁと願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?