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望廊杯2nd禁止制限で考えていたこと

●まえがき

望廊杯2ndのレギュを発表してからだいたい2カ月が経過した。
様々な理念と願望を込めて選択し、決定し、発表した。まあ、そのうちひとつは過ぎた理想だったけど……

望廊杯1stの最終予選を終えたころ(2020末くらい)から、次のレギュをどうするか? を本格的に悩み始めた。悩み悩んで、本戦が延期になって、結果的に1年の猶予がもたらされ……そして紆余曲折。

ふと思い立ち、望廊杯のレギュレーションに関して、裏側……というほどではないものの、考えていたことをぽろぽろ書いていくことにする。

禁止制限の内容に直接触れる前に、まずはレギュレーションそのもの。

望廊杯2020の時に念頭に置いた設計は以下の通り。
・半日で全行程を終わらせたい
・デッキを組んでほしい
・運の要素を高めに
・カードパワーを高めに
・でもなんだかんだ上手い人が勝つ
こんな感じ。


●大会形式

D0の競技的側面のある大会では前例のない(はず)、ランダムマッチング。この実装には以下のねらいがある。
・R1開始時にすべての対戦の組み合わせが決定できる(参加者偶数の場合)
・マッチングの平準化。いわゆる「勝てば勝つほどメタゲーム」の抑止。

これらは運要素の向上、時短に貢献する。
なお、ここでいう運要素とはデッキの当たり運のことであり、決勝トーナメントへの進出についてはむしろ水準点が上がる可能性もある。
見た目ゆったり、実情シビア。なんだかんだ上手い人が勝つ。


●試合形式

公式のサービス終了、最初の全最の開催は2012年。10年前のこと。
みな大人になった。年を取った。終わったTCGだから新規は来ない。それぞれの人生がある。だから1日……可能なら半日で全てを終わらせる必要がある。こうして1本制を採った。
ちなみに、全国大会一発勝負ではなく予選を設けた理由のひとつには、「どこか1か所でも参加できれば、本戦に出られなくとも精神的に身近に感じてくれるかもしれない」というものがある。
……だから、延期後の本戦がクリスマス直撃だったのは本当に苦渋の選択だった。2022年の1月にはまた諸々あり、結果だけ見れば間隙を突いたことにはなった。

と、ここまでが前提。以降は禁止制限のお話。

●禁止制限

《焔魔ハナクイドリ》禁止
《焔魔ヤガスリ》解除
《大陸アルドのブラックナイト》解除
《修羅の騎士》警戒

3コスト以下が《焔魔ツジガハナ》のみという後ろに倒れた前例のないコストカーブの提案。

《光の巫女ホリプパ》解禁
長く禁止されていたこと、背景ストーリー上重要な位置にあること、象徴であること、《騒乱時計パニックヴォイス》を解禁したかったこと。
光は彼女を照らし、いくつもの影が重なった。

《悪魔竜エキドナ》解禁
こいつはもともと、資産格差の解消のために禁止されていた。3-1のSR、《大陸アルドのサイクロプス》の互換……と言いつつ使い分けもできるカードということで、必要になりそうなわりに入手が困難だったためだ。
《エビアクトレス》の解禁で「入手難易度!資産格差!」という建前が崩壊したのでここも解禁ということに。そうしたら理由の本元が再禁止されたという難儀な状態。一旦はまあいっか、としている。《賢者妖精ペイングリン》なんかも集めにくい部類だし、新商品のないゲームを10年以上回しているわけで、この辺はどこかで基準を一定程度諦めないと無限にアンティーク化していく。
《騒乱時計パニックヴォイス》はズッ友(※)なので、《大陸アルドのサイクロプス》含め4枚5枚とヘビーなコントロールも検討いただけると嬉しい。

※全最以降早々に《騒乱時計パニックヴォイス》が禁止されたので言うほど友達ではない

《騒乱時計パニックヴォイス》解禁
黒の最大にして最後の調整弁。望廊杯2020の予選段階、黒はプラチナや単色ビートで楽しそうにしていて……本戦ベスト8ではつつましやかなサブカラーだった。
今回の改定はさらなるカードパワーの上昇を企図しており、それは高速化を誘発する。とすれば、コントロール側にもインパクトを出したい……という流れ。
とはいえ解禁には墓地除外の強化は必須と考えていて、《光の巫女ホリプパ》が一緒に戻った。
これで黒の禁止カードは払底。もう強化できない。
後述するカード群には「危険なカード枠」があるが、むしろこいつが一番危険なのではないかとも思う。

《エビアクトレス》解禁(2022/02/09再禁止)
危険なカード枠その1。《カニアーミー》デッキは性質上パラダイムシフトが起きにくい。なにか起爆したいと思ったときに、カードパワーの全体的な向上の潮流を踏まえて解禁に踏み切った。
起爆には成功したが、ディメンション・ゼロそのものが爆散したので再禁止された。一応《エビレスラー》を禁止すればコンボは不成立になるが、そこまでしてこれを残したところでアーミーアクトレスの超スピードは残存しており、団結を集めきったあとで禁止されるよりは……と判断した。

申し訳ありませんでした。

《賢者妖精ペイングリン》解除
危険なカード枠その2。存在が確認されている無限は準備に時間もかかり、かつ汎用性に乏しいパーツも多く用いるため、高いカードパワーを出力する環境においては多様性を淘汰するほどにはならないだろうと判断。
新しいデッキが開発される場合はその限りではないが、すぐに禁止するよりかはきちんと検証を重ねたい。

《獣騎士ガロン》解除
耐性の不快指数と《大地の緒》とのシナジーを高く見積もり禁止していたが、緑のデッキの幅を予想以上に狭くしてしまったと認識している。
望廊杯本戦ベスト8は大局的には青、白、草の3色。色目線での健全性はできるだけ取り戻したい。
反面黒には申し訳ない。《騒乱時計パニックヴォイス》で許してほしい。というか、もう解禁できるカードがない。


《大地の緒》禁止
《大陸アルドのレプラコーン》禁止
もう5年くらい続けて見ているので、そろそろ変化を起こしたいと思った。
《草夾竹桃》のフィニッシュとして十全に働いていることもあり、よい口実だった。

《悪戯するフェアリー》禁止
お手軽エネルギーブーストはやはりダメだということで、これと《枯れ果てた大樹》のどちらかは止めようということに。結果、《命の歌声シュシュ》《騒乱時計パニックヴォイス》を踏まえてこちらに。
《枯れ果てた大樹》は壊す手段あってのパワーで、その最強格がいないならまた何か考えなければならない点も評価。新しくデッキやシナジーを考える方向の変更は望むところ。

《大陸アルドのフェアリー》解除
おおよそ《大地の緒》とのトレード。《大陸アルドのレプラコーン》《大地の緒》はとにかく墓地とエネルギーゾーンというあんまり触りすぎたらいけない領域をいともたやすく触るが、それがないならないでズルする楽しみもなくなってしまう。ならば彼女でしょうと白羽の矢。《光の巫女ホリプパ》の解禁と《命の歌声シュシュ》の維持で賑やかなコロボックル界隈の《ファンシーカット・ムーンストーン》や《変幻獣ゲルボックル》へのエールも含めて解禁とした。
《獣騎士ガロン》も含めて、攻め込む緑の復権も期待。

《光の天使ピース》警戒
緑のあんちくしょうどもが「もう良くない?」で禁止されておきながら、白単には特に制限を加えなかった。これは禁止改定がカードパワーを向上させる方向で行われているため。規制緩和と警察権力の弱化を同時に行うことは好ましくないと考えた。
下げる方なら白単にも規制を加えた。その時の対象が《光の天使ピース》。
今回は上げる方なので据え置きだが、文字通り「警戒」とはしている。


《魔獣暴走》解禁
危険なカード枠その3。《洗脳商人バット・ファーザー》との組み合わせは有名だが、自分の認識ではこのコンボ、目立った実績が残っていない。
7コストで出た時に何もしないユニット+5コストノーマルストラテジーということで、Vセンチュリーの速度感で成立できるだろうか……できなければ安全だし、できるならその強さ次第ということで、解除の価値ありと判断した。


こんなところだろうか。

●おわりに


もうこんなに長い間ディメンション・ゼロを遊んでいて、それでいてカードプールは変化がない。味変するにもセンチュリーを区切っていくだけでは厳しいかもなあ、という展望がある。そして僕らも年を取る。どこまでも同じではいられない。

2ndを解禁するとか、レアリティを縛るとか、2デッキ制を施行するとか……今回のレギュなんか簡単な方で、今後どうするかの方がよっぽど難しくなっていくだろうな……と思う。

それでもなお、3×3のスクエアを「0次元」と言い張るこのゲームを遊んでいて、そして制定したレギュレーションにお付き合いいただけるプレイヤーの皆さんには頭を垂れるばかりである。人がいなければゲームはできない。

今後もなんとかやっていきたいところ。

今後も仙望廊の活動にお付き合いいただければ幸いである……


具体的かつ近い例では……そう!
仙望廊の春ゲムマ新作ゲーム、『セグメント・セブン』!
「3×3」で「カードを移動」させて戦う「プレイング重視」のゲーム……!

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自陣エリアからカードを伏せて配置、敵陣エリアのその奥、ルートスクエアまで移動しライフを奪い取るプレイング重視のカードゲーム。
それが『セグメント・セブン』。

移動の足跡から相手のカードを読み、思考を読み……時には相手のカードを正面から負かし、時には勝てないカードをするりと避けて進んで勝利を手にするその様は、どこか『ディメンション・ゼロ』で慣れ親しんだ光景を彷彿とさせる。
なんならD0のプレマがそのまま使える。

わずか10分のプレイ時間の中で、死ぬほど悩める、死ぬほどヒリつける、そんなゲームが『セグメント・セブン』。

4/23,24開催のゲームマーケット2022春、【エ05】「ゼロハウス/仙望廊」にて頒布となる。あの『マドリイズム』も手に入ります。

ゲムマには行けない方も安心。BOOTHでお求めいただける安心仕様。

D0プレイヤーには間違いなくぶっ刺さる(望廊杯本戦会場でのテストプレイでは100%刺さっていた)ので、本当にオススメである。

それでは、明日に向かって、レディーゼロ!

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