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09/07:叩き台ってびっくりするくらい割とそのまま行く

仕事をし始めたころ、「叩き台」という名前を付けてお出ししたものが名前ほどに叩かれず結構そのまま(もちろん修正は入るにせよ)通っていくケースがままあり、社会はこれで回っているのか? と訝しんだことがある。

これは自分の能力が高いとかいうことではなくて、例えば時間が足りなくてかなり雑になってしまったものでも、ダメ出しは食らうにせよ、根本的にそれを差し替えて良くする、という手段がほとんど採られないということをいうものだ。

当時は上司の見る目がないのでは……などと思いもしたけれど、今はなんとなくわかる。要はみんなそんなに仕事したくないのだ。上司の方が工数がかかるからこんなフェーズをやってられないとか、そういう理由もあるだろう。けれども、真面目に数比べするよりはるかに「ここに突っ込みを入れたら質は良くなるけれど、ここから発生する展開にかかわるのが面倒くさい」という気持ちの方がよっぽど大きいはずだ。たたき台からブラッシュアップを経るのも、右左のわからない新卒に何たるかを教えるのも、たぶん面倒くさいのだ。上司は経営者じゃないから、下の育成ってそこまで重要でもない認識でいたんだろう。それよりも、すぐできて成果も見えやすい、ウマいタスクに着手したかった。

端的に怖かった記憶がある。自分が出したものが思った以上にそのまま通って社会に出て行くような光景。粗末なものが社外にお披露目されることが辛いし、光景を構成しているその会社へ不安が募るのもある。

でもなあ、言うほどこう、自分が出したものって、他人は興味ないんですよ……今なら言いたい、昔の自分に。あんまり気にすんない。

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