週次報告7

2週間すっ飛びましたが、元気でやっています。


とうとうリリースされました、マーダーミステリー「ロサリウム」。

このnoteに来るような人は(多分)ここに宣伝を見に来ているわけではないので、作品の魅力を宣伝的に記述することはしません。でもプレイしてはほしいです。

マーダーミステリーを最初にプレイしたのは最初期テスト版の「星屑の彼方で」でした。大体2019年の夏あたりのことです。その後「約束の場所へ」のGMをやり、このゲームジャンルを「もっと掘ってみたい」と思うようになりました。

現在マーダーミステリーで活躍されているクリエイターさんたちはこのジャンルに「可能性/勢いを感じた」と話すことが多いと感じていますが、自分の場合は「自分に合っているかもしれない」という感触です。選択と運の配分が好みといってもよさそうです。

そこから1年ほど経って、プレイしたのはおよそ50作程度でしょうか。オンライン、パッケージ、店舗と様々に作品を楽しみました。

マーダーミステリーは、その定義が定まっていないゆえに、求めるものがそのまま作家性になっているように思います。面白いことですよね。ある程度の共通性を持った「お約束」が意識できる程度にはあり、それでいて作者さんごとにまったく違う信念が見えます。
作家性を受け入れるだけの広さを持った砂場として認識・活用されているのだろうなと。好きなことをやれば、誰かは確認してくれる。とっても素敵な場所です。特異性も高いので、人はある程度選びますが。

「ロサリウム」もまた、マーダーミステリーを砂場的に利用した作品です。……といっても、奇抜なシステムではありません。ルール、コンポーネントはほとんどむしろ、「お約束」を堅持した作品とさえ言えると思います。つくりは無難に、既知のものを……「ロサリウム」を手掛ける際に、通底して意識したことです。斬新さは型を知ってから、以降の作品で挑戦するべきことだと考えていました。

「ロサリウム」で試したのはいわゆる「ガワ」ではなく、プレイヤーが受け取る体験の構造です。順序と言い換えてもいい。とはいえ、プレイ中に「うわあ、これは斬新な体験だ!」となるようなこともないのですが(もちろん謎や驚きは盛り込んでいますよ!)……日常の中で使っているコップやお皿が少しいつもと違う、それくらいのものです。何も聞かずにプレイして当てられたら、自分は驚くだろうと思います。

現状、マーダーミステリーという広い砂場で自分が見えている景色に足りないものがあり、それを充足するための要素を考え、導入した。それだけです。しっかりお話しすべきことではあるのですが、ネタバレを避けては通れないので、別のところでしっかり書くことにします。幸い、発売してすぐではありますが、目的は一定程度達成されているようです。
この作品も、何かしらの「信念」がある。それだけ知っていただければ、ひとまずは嬉しいことです。

……そして、あらゆる反省を活かして、次の作品づくりが始まるわけです。

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