ケアマネがAIと仕事する未来(前編)

ダイスケです。外勤での移動は基本ロードバイク、速くて渋滞無くて駐車場の心配ない&運動になるので便利です。
今回は、ケアマネージャーとAIの共存についてお話ししたいと思います。

ChatGPTとの出会いと興奮/悩み

未来が来た!

私がAIというものに直接触れたのは2023年3月頃でした。「何かChatGPTというのがすごい」という噂を聞いて、YouTubeで検索すると、
「人間のようにチャットで答えてくれる!」
「どんなジャンルの事も知っている!」
「プログラムも書いてくれる!」
と大盛り上がり。有料のGPT-4というモデルがけた違いにすごいというので、さっそく課金して使い始めました。
「す、すげー!!!」
というのが素直な感想。とにかくどんな問いかけにもナチュラルに答えてくれます。モデルの制約上、最新情報や抽象的な質問には正確に答えられないのですが、読み込んだ文章の要約・テーマに沿ったアイデア出しと検討の相手が出来るというのは本当に衝撃的な出来事でした。
プログラムも書けるというので、簡単なお題を出してPython言語で書いて。とお願いすると、ささっとコードが出てくる…
私は前職でPHPというプログラム言語を使っており、今でもコードを読むことは出来ます。仕事の合間で新しくPythonという言語を学んでいたのですが、時間が取れなくてなかなかコーディングが進まず、言語を使って何か作るのはムリかな、と思っていたところだったので、「これ、Python使えるようになるぞ」と大興奮。ChatGPTに色々指示を出しながらプログラムを作成していました。

ケアマネの仕事が奪われるという懸念

しかし、ChatGPTに興奮しながらも、ある不安が頭をよぎりました。それは「AIがホワイトカラーの仕事を奪ってしまうのではないか?」という懸念です。ChatGPTを使い始めた当初、私はその便利さに夢中になっていましたが、同時にその能力の高さに驚愕しました。私がケアマネージャーとして日々行っている多くの業務が、もしかしたらAIによって代替される日が来るのではないか、と考えたのです。

例えば、書類作成やデータ整理などの事務作業は、AIにとって非常に得意な分野です。ChatGPTが数分でこなす作業に対して、人間が数時間を費やすこともあります。この現実を目の当たりにすると、AIが人間の仕事を奪うという未来が現実味を帯びてきます。

さらに、AIの進化は留まるところを知らず、ますます多くのタスクを自動化できるようになっています。プログラミングやデータ分析といった専門的な分野でも、AIは優れたパフォーマンスを発揮します。これが進むと、ホワイトカラーの仕事がどんどんAIに取って代わられるのではないかという不安が広がります。

ケアマネージャーという職業においても例外ではありません。AIがケアプランを作成し、モニタリングを行い、利用者の状態を評価する未来が来るかもしれない。そんな中で、ケアマネージャーとしての自分の役割や存在意義が揺らぐのではないか、と考えるようになりました。

本当に仕事がなくなる…のか?

しかし、冷静に考えてみると、AIにはできないことも多いのです。AIは膨大なデータを処理し、パターンを見つけ出すことには長けていますが、人間の感情やニュアンスを完全に理解することはまだまだ難しい。ケアマネージャーの仕事の中でも、利用者との対話や信頼関係の構築などは、人間ならではの繊細さや柔軟性が求められます。

私は、この不安を乗り越えるために、AIにできることとできないことを明確に分け、自分自身のスキルアップに力を注ぐことが重要だと考えるようになりました。AIに任せられる業務はどんどん任せて、ケアマネージャーにしかできない価値の高い仕事に集中する。これが、AI時代におけるケアマネージャーの新しい働き方なのではないかと感じています。

ケアマネ(=人間)にしかできない仕事は何か

AIの進化は確かに目覚ましいものがありますが、ケアマネージャーとしての私たちにしかできない仕事があることを忘れてはいけません。AIは非常に優れたツールですが、ケアマネージャーが持つ人間性や直感、柔軟性には到底及びません。

利用者との信頼関係の構築

まず、利用者との対話と信頼関係の構築があります。ケアマネージャーは、利用者やその家族と直接対話を重ねることで、信頼関係を築いていきます。この信頼関係は、表面的な会話だけではなく、利用者の微妙な表情や言葉の裏にある本音を読み取ることから生まれます。これらのコミュニケーションを通じて、利用者のニーズや希望を深く理解し、最適なケアプランを作成することができます。

専門的な判断と現場での対応

次に、専門的な判断とケアプランの策定です。ケアマネージャーは、利用者一人ひとりの状態や環境に応じたケアプランを策定するために、高度な専門知識と経験を駆使します。例えば、利用者が抱える複数の健康問題や、生活環境、家族の状況などを総合的に考慮して、最適なケアを提供する方法を決定します。このプロセスには、医療や福祉に関する深い理解と、実践的な知識が不可欠です。

また、現場での迅速な対応と柔軟な問題解決も、ケアマネージャーにしかできない重要な仕事です。現場では、利用者の状態が急に変わることがあります。そのような時、ケアマネージャーは迅速に対応し、適切な対策を講じることが求められます。例えば、訪問中に利用者が体調を崩した場合、その場で適切な対応を取り、必要であれば医療機関に連絡するなど、柔軟で迅速な判断が必要です。

人間らしさが光る瞬間

さらに、ケアマネージャーとしての仕事には、利用者や家族との感動的なエピソードが数多くあります。例えば、ある利用者が長い間外出できなかったのが、ケアプランの改善によって外出できるようになり、その喜びを分かち合った瞬間。あるいは、家族との調整がうまくいかず悩んでいた利用者が、ケアマネージャーの介入で問題が解決し、安心して生活を送れるようになった時など、これらの経験はAIには真似できない、人間だからこそ提供できる価値です。

このように、ケアマネージャーには、AIにはできない仕事がたくさんあります。私たちが利用者と直接向き合い、信頼関係を築き、専門的な知識と経験を活かして最適なケアを提供することで、利用者の生活の質を向上させることができるのです。AIはあくまでサポートツールとして、私たちの仕事を補完してくれる存在であり、ケアマネージャーとしての私たちの役割はこれからも変わらず重要です。


ここまでは、AIとの出会いやケアマネの不安、ケアマネージャーにしかできない仕事についてお話ししました。次回の後編では、ケアマネージャーがAIと共に働く未来について詳しくお話しします。お楽しみに。


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