チョコレートドーナツ/Mommy

週末にみた映画

Mommy グザヴィエドラン

タイトル通り母の話である。母がどう思ってどう考え行動したか、の話。
でも母の気持ち全然わかんないなあ〜〜、とにかくスティーブ、なにも悪くなくない?っていうこと、論理的思考で文章を紡ぐとこうなる。
もちろん母も人間であるので悩んだり、立ち止まったりはするのはわかるんだけど、スティーブは悪くないのよ。
コミニケーションが難しいっていう話が健常者視点かな。

愛着障害の視点から話をする。ちなみにこの愛着という和訳は嫌いだ。
愛着障害とADHD。
でもコントロールは必要ないと思っていて、世界の尺に自分を合わせる必要なんてないのよ。もちろん生きていくうえでは必要なので実際的には必要なんだけど、理論的には必要ない。
それでも、ほんとうに、ずっとずっと堪えているのね、愛情の表現を抑えているのね、スティーブは。その溜まってるものがほかの場所で爆発してしまうことがたまにあるのね。
愛情の表現を我慢することはたぶん一番つらいんじゃないかな、我慢の中でも。わたしもずっとそうだから感じるけど、すきなものをすきでいるのはほんとうにつらい。しかも物質でない人間との関係を愛するとき、対象を愛したときに、関係を超えてしまうことがある。これは、ほんとうにコンプリケイティッドな、関係の話。
それでも自分の中の感情が、それはむけていいものなのか、ちがうものなのか、どういうやり方で触れるとかそういう、機敏の差異は、コントロールをしようとして、学べるのか。気持ちがあって生まれるものをコントロールなんてして、形に、結果につなげられるのか。
でもたぶん欲するところだけで、結果を求めていないところが愛着障害という、ちょっと厄介なところなんだろうな。
結果を求めることができればケツから考えて行動を変えられるけど、単純に心の中にあるものを放出するだけだと、始点も終点も内側で終わるのね。
でもあるものは無視できないのね。
わたしは、あるものはもう無視できないから、あきらめて、対象から離れた。東京を出た。愛する対象を減らして、視界にいれないようにしてすごく制限して、ようやく人並みの感覚を手に入れた気がする。まだまだ狂ってるけど。
だから、離れるという選択肢は間違ってないのだけど、やり方が、映画的演出。でも、ああでしかないんだろうな、って、思う(思わせる)
でも最近のこういう泣かせる系の映画は、ほんとうに夢も救いもないな、カイラが最後、結局スティーブに向かってなにもしないのは、現実的すぎる。
そして最後、スティーブが逃げ出すシーンは映画的すぎる。
でも、やっぱり、コミニケーションがだめなのよ。訴えもなにも、だって届いてないってことでしょ、マミーに。どれだけ体を張っても。そのせつなさがせつなすぎてせつない。ほんとうに子どもは愛しい。さいきんまた子どもの夢をみるんだけど、帰りたい。大人の事情なんてすべてとっぱらって子どもに会いたい。はやくちゃんと自分が安定していられる状態になって、はやく子どもに向き合う時間になりたいな。
この映画をみてダイアンを否定することは一ミリもないけど、わたしは最初から最後までスティーブのことしか考えられないし考えられないな。
10年後くらいにまたみたい。音楽がまた愛しい映画だった。

チョコレートドーナツ トラヴィスファイン

ゲイのカップルがダウン症の子どもを引き取ろうと奮迅する話。
これだけの内容なんだけど、一切ダレることなく、ピンと糸が張り続けていて、演出にも役者にも感動する映画。
これはそんなに立つ立場が複数あるわけではないので言葉にたくさんするものはないんだけど、恋と出会いは、それこそコントロールできないのかな、って。映画かな。でも、あるんだろうな、って思わせるのが映画なんだろう。
恋に落ちる瞬間は、まあ映画的演出のわかりやすいいつもあるやつだけど、恋が始まってからの2人のやりとりとかほんとうに均等に感情が振られていてあ〜〜これが思いやりが〜〜って感じの。
感情を表現してその対象が、それを、受け入れてくれるっていう、それがね、それがね、一番大事なのよね。
一番いいなってすてきだなって思うのは、やっぱり感情を表現したくなって、結果を求めずに感情を表現したときに、対象がそれをdefuseしないこと。そういう、生まれるべくして生まれたものが結果的に関係になっていくやつ。あるんだろうね、そういうことも。きっと世界は広いはずだから。
映画はほんとうにズルくて、飴と鞭かよっていう、もうほんとつらい、映画みるのほんとつらいわ。つらいのよ、つらい。幸せのシーンのつらさったら、ないのよ、わたしは幸せからも逃げ続けるの。20%くらいの幸せでお腹いっぱいなの。器がせまいの。あ〜〜ここはもう、幸せすぎる、つらいなってなったら移動する、こんなに幸せな場所は一刻も早く逃げたい。逃げても逃げても、ついてくるけど。幸せ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?