れんあい

恋愛についてわたしにカタルシスはない。経験がないのだ。さて。この経験について、それでは語ることができるのではないか。恋愛をしたことのないわたしが、それではこの24年間一体何を、経験、してきたのか。

「思うことはあるのです。それはまるで、宇宙のように漂っていて、うまくつかめない。」

恋愛関係を語ることはうまくできない。そのような、特殊な関係について内側で体験をしたことがないから。しかし、ひととつながったことはある。恋をしたこともあり、恋をされたこともまたあり、友人がいて、友人と付き合い、分かれ、また出会い。人間と関係をもったことなら、わたしにもたくさんある。ここで考えることはつまり、「恋愛」というのは特殊な人間関係なのだということだ。

もちろん、人間関係の延長線上に恋愛をオクかどうかは、ちょっとした分岐だろう。呼吸するように恋愛をする人種は、まさしく存在する。(少なくとも存在の定義をハイデガーのように定義はできない以上、存在しないとはいえnry)

わたしが言いたいのは、人間関係の屹立のしかた(させかた)だ。屹立。もっと幼い頃、遠い過去に近い場所でわたしは考えていたことがある。オンリーでベストな友人を愛しているから恋愛という俗物的な関係に陥ることが不可能であると。主は言った。もう片方の頬を差し出し、隣人を愛せと。

博愛主義という言葉がなにをさすかをきちんと辞書はひかないけど、割とそんな感じだった時期がある。あまりにも友達ができなかったから、友達でいてくれるひとはみな一様に嬉しく歓びだったときが。

時間はすすむし、すくなくともわたしは時間の経歴から離れた場所を生きた事は無い。わたしは時間によってものごとを経験してきたと言う事ができるね。その上でいえば、上記にのべたような博愛という感覚は、それ自体が特別であるということが少しずつ浮かんできた。簡単にいうと、たくさんの人間と関わって行くなかで、博愛の対象と非対称がわかれてきたということ。

ここで直面するのは、どのような理由で非対象を決めるかという事だ。

少し話しを戻そう。離れてもいいんだけど。他人の前で自分を定義するということについて。あるいは、自分を自分でどのように定義し、それをどう相手にみせるかということ。

「試してみたいと思ったの。だから、ずっと赤点だった物理で初めて97点をとったとき、同じ電車に乗った」

行動と結果。あるいは、行動と思考。行為と自己。この二者関係についてはまたむずかしい哲学の問題があるので、ほっとこ。結果がついてくるかどうかで、惨めさとそこから逃れる自己が対立するような事象は、特に現代においては浮き彫りになりやすい問題(こじらせ)だけど、とりあえずおいておく。

ここで問題にしたいのは、「試してみたい」「勉強した」という過去の行動についてだ。ここに浮上するのは、相手にとっての自分。「わたしをみつけてくれる彼」「わたしをみつめてくれる彼」言い換えると、「彼にみつめられる私」という存在を、自己で丁寧に定義している。

「半蔵門線のほうが近いのに、言えなかった。彼は東京に慣れていなかったから、JRを選び、わたしはわかっていたのに黙ってついていった」

ここにあるのは、「戸惑い」。自己をおくことも、相手を否定することも、否定する自分も、受け入れてもらおうとする自分も、受け入れることができない自分もなく。

簡単にいうと、過去の過去の経験に、由来はあると考えることはできる。もちろんそんなものは無粋だけど。そう、無粋な過去への邪推はもうやめたい。惨めもこじらせも、未来の成功には一瞬にして塵になることができるのだ。

さて。ここでじゃあ、どう定義するか?が問題だ。いつやるの?今でしょ。修造カレンダーでも買ってろ。かんたんに言うと、どう定義するかがみつかってればこんなところには書かないし、教えない。じゃあなんて書いてるか、なにをコンテンツとして遺そうとしているかというと、ダイレクションだ。わたしが示せるものはそれくらいだしそれだけだし、まあそれがオンリーでベストでしょ。

じゃあパターンをいくつか考えてみよう。これはこういうダイレクションや啓蒙系ハウツー本の定石。他人の分類化。まあよい。

まずは、「上目遣い系」これは自己を定義するのが苦手なひとが実は得意なんじゃないか、と思うが最もハードルが高いパターンでもある。

自己を定義するのが苦手な人間は、すなわち他己を内側にもつことを苦手とすることが多い。あるいは、自分と自分をみつめる他己との間に深い乖離がありうまくつきあえない(こじらせ論で詳しく述べる)。これを逆手にとったパターンがこれ。よく知らないなにかになりきる。演技系。そうすると責任が分散され傷つくダメージが減る。とりあえず上目遣い系の定義をしておくと、ヒョウのように相手の懐に入っていって、つかれちゃった、と上目遣いで言うだけ。それだけ。かわいいとか関係ない。大事なのは吹っ切ること。


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