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1976年の東映特撮作品を見た話

こんにちは。
先日、1976年放送開始の「東映制作の特撮作品」を6作品見終わりました。
超神ビビューンを見てから1976年という時代に興味をもち、思い切ってほかの作品も見てみました。

どの作品もワクワクするような独自性や、こだわりのある挑戦を感じられる楽しい作品ばかりでした。


作品を見ている最中、東映ヒーローMAX Vol.17(2006年)に「東映ヒーロー1976MAX」という特集があることを知りました。
その特集では、1976年は特に作品数が多くどれも個性的な作品だったと記述されています(意訳)。


・・・・・・たしかに、どれも個性的でした。

考えられていて熱意がある、作り手の表現したい!という気持ちやコンセプトが伝わる個性


私は特撮作品の造詣に深くはないので、伝統と異質の見極めができません。
でも判断はできないものの、
作品を見て驚き、技術力や発想力に対して「面白い!凄い!」という感想はたくさん抱きました。

他の年代ももちろん魅力的なのですが、個性的で熱い1976年の作品について今回は書きたいと思います!

※ネタバレは極力控えますが、ご注意ください

対象作品(放映開始日順)

①宇宙鉄人キョーダイン
②ザ☆カゲスター
③忍者キャプター
④超神ビビューン
⑤ぐるぐるメダマン
⑥5年3組魔法組

①宇宙鉄人キョーダイン

一言でいうと、宇宙とロボットのヒーローものです(?)。
作風は仮面ライダーに近い印象です。
戦闘は華麗なアクションというよりも、ロボット的なカクカクした演出が印象的でした。
でもやたらとアクロバットなシーンもあります。
あのスーツでそこまで動けるの????と思いました。
巨大ロボ戦もあります。たまにパペットになるし、口をパクパクさせるのがめちゃくちゃ可愛い。

そう、キョーダインは「可愛い」んです。
作品を見たら分かるんですけど、「超仲良し」兄弟ロボなんです。

設定は少し複雑で、
父親と長男・次男が異星に連れていかれます。
その長男・次男を「模した」ロボット(サイバロイド)がキョーダインで、地球と弟(三男)を守るために戦います。
※長男・次男は生きています

キョーダイン自身は可愛いんですけど、お話はシリアスめですね。
でも急に可愛い唄が入ってきたり、緩急がついています。

ロボットと人間が、楽しく生活しているのを見たい人におすすめです!!


②ザ☆カゲスター

少し前に見たので、もう記憶が曖昧です。
怪人は人間で、最後に逮捕される刑事ドラマっぽさや、
人から影が分離して、分離した影がヒーローになる(自身は気力がなくなってふらふらになる)という展開には驚きました。
この2つの設定は独自性もあり好きだったのですが途中からなくなりました・・・。

でも設定だけでなく、力強くてマントを使った華麗なアクションも魅力的です。

これはめちゃくちゃカッコいい。踊るみたいな、とにかく華麗。
ベルスターのスカートもひらひらしていてとても素敵です。
でも力強い。めちゃくちゃ強い。

私は、戦闘シーンをカゲスターベルスターの「ステージ」みたいだなぁと感じています。
主題歌も相まって、本当にカッコいい!

あと、主人公が社会人なので働いている描写もあります。
社会人のヒーローって、妙なリアルさと親近感がありますよね。

主人公たちは「巻き込まれ展開」でヒーローになったにも関わらず、真面目な方たちで安心して見ることができます。

後半はコメディタッチの部分が薄くなるので、ヒーロー作品として面白く見れると思います。


③忍者キャプター

7人の複数メンバー・それぞれカラーがあるという点で、スーパー戦隊に近い作品ですね。

内容は忍者ヒーローものです。
誇張した忍者表現も多分にありますが、地に足がついた部分も多いように感じました。抜け忍の設定や袋返しの術など良かったです!

この作品の一番の魅力は、メンバーの書き分けと一人ひとりのお話がある点ですね。
7人という大所帯にも関わらず、性格の違いがはっきりしています。
「顔が見分けられる」というところもポイントが高かったです。

あとメンバーが一緒に住んでるのも好きですね〜。
何かあるとすぐ集まります。
落語家の一門みたいな感じなんですかね。
家族じゃないけど家族なんです。

忍者的なクールさはもちつつ、本来の明るさが垣間見えるところもポイントが高いです。戦いの後に見せるみんな笑顔が素敵なんです。

アクションは、基本的に個人武器が多いですね。風とか雷とかの属性があるので、そういった武器と演出になります。
武器以外だと、水忍の格闘技がきれいでめちゃくちゃ好きです。

みんなでワイワイしてて、特に弟系キャラ好きな方は楽しいと思います!

④超神ビビューン

好きすぎて感想を書ける自信はないですが、書きます。
アクマイザー3の続編で、アクマイザーの魂を受け継いだヒーローです。妖怪と戦うので、妖怪ものという印象が強いです。

今回紹介している作品の中では、一番スーパー戦隊に近い雰囲気を感じます。
なんというか、価値観が古くなく、感覚的に「見やすい」です。

超神ビビューンの好きなところはたくさんありますが、一番おすすめなのはアクション演出です!
技斗・アクションはJACさんで、ビビューンが空を飛んだり、ズシーンが地面にもぐったり、バシャーンが泳いだりします。

当時のスタッフさんは「ビビューンを飛ばせたかった」とインタビューで言っており、工夫して撮影したそうです。

この話はサンバルカンのムック本に載っているのですが、私は、スタッフさんの愛と技でビビューンが空を飛んだんだなぁと受け取りました。

空と大地と水を使い3人を個性的に見せた登場・戦闘シーンは、ばっちり見ごたえがあるのでおすすめです。
サンバルカンのムック本も是非読んでほしい・・・。。

また、敵にドラマが少なく、バッサバサ倒しちゃうところもさっぱりしてて好きですね。
深く考えずに楽しめる一面もあります。

基本的に全話1話完結なので見やすいと思います。

アクマイザーは見てなくても大丈夫ですが、見るとちょっと感想変わります。
なので超神見てアクマイザー見て、もう1回超神を見ましょう!!!?



⑤ぐるぐるメダマン

ロボコンみたいな作品、というと伝わるのでしょうか…。人間ではないキャラが、子どものおうちに居候するお話です。

最初に見たときは、
おばけとか怖い〜
年齢層低めでコメディ系かな〜
と思っていたのですが、泣かされました。

全体的には家族のお話が多く、それは主人公の高坂家以外も含まれます。
メダマンたちおばけは良い子じゃないですし、道徳的な番組ともまた違った雰囲気を感じます。

でも、得体のしれないメダマンという存在が受け入れられていく展開は温かいですし、奇妙なおばけの社会感はめちゃくちゃ面白いです。
ハワイ版アズキアライがピーナッツアライとか衝撃すぎます。

体を張ってマミちゃんを守るメダマンや、メダマンを家族のように慕ってくれる高坂家のみんなを、気付いたら大好きになっていました。
楽しく見ていたら思わず感動してしまう、素敵な作品です。

おすすめするのも難しいジャンルですが、一人ぼっちを感じる人には意外と楽しめるかもしれないですね。
自分の居場所を見つけるというか、相容れない存在だけど分かりあうというか、そういう見方もありだと思います!(たぶん!)


⑥5年3組魔法組

メダマンと同じく、ヒーローものではない特撮作品になります。
一言でいうと、00年代にやってたNHK教育番組みたいな感じです(?)
魔女が出てきたり子どもたちが魔法の道具を使ったりしますが、基本的には小学校の仲良しグループのお話です。

お話自体は尖ったものではないですが、素晴らしい役者さんたちが物語を彩ってくれます。

魔法の道具を使うのは前半が多く、後半はお話を重視している感じがします。わたしは後半の雰囲気がとても好きですね。
鋭い突っ込みのあるしみじみとしたセリフがとても面白くて、特にガンモくんのキャラクターが最高でした。ハテナマンも良かった。ショースケもミコちゃんもチクワも良かったぁ~。

でも面白いだけじゃなくて、「生徒の悩みは先生の悩み」と言ってくれる先生もカッコいいんですよね。担任の先生が途中で入れ替わるのですが、そういう学校ならではの物語も良いな~と思います。

また、友だちときょうだいで関係性が違うリアルさや、
冒頭でストーリーテラーとして、子どもたちが自己紹介するのもとっっっても良かったです!!登場キャラが喋るの大好きです。

敵と戦うわけではないので、1話ずつ楽しめるのも見やすくてよいですね。
子ども向け番組好きな方は楽しめると思います!

おまけ(特番)

特撮やアニメ番組を集めた特番はいくつかあったようで、
・戦え!ぼくらのヒーロー大集合(5月15日放送)
・チビッ子祭り!正義のヒーロー総出撃(7月31日放送)
・夏休みちびっ子人気者ヒーロー大集合(8月24日放送)
などが放送されていたようです。

今回は7月31日放送の「チビッ子祭り!正義のヒーロー総出撃」について書きたいと思います。超神ビビューンが出ているので・・・。
(ちなみに、8月24日放送の番組は超神ビビューンの裏番組でした)

新聞を見ると、登場キャラは
・ゴレンジャー
・ロボコン
・ザ☆カゲスター
・コンバトラーV
・一休さん
・超神ビビューン
などがいたようです。

読売新聞では番組紹介欄にも記載がありました。

人気番組のヒーローが一堂に集まり、アクションあり、トンチあり、笑いありの楽しい子供向け特別番組。
正義のヒーローと悪役たちが入り乱れ、舞台と観客席を縦横にかけまわり、迫力あるアクション劇をくりひろげる
(※誤字脱字があるかもしれません)

読売新聞(1976年7月31日) ※縮刷版確認

舞台と観客席??????
とめちゃくちゃ気になっていましたが、この番組はなんと、インターネットに台本が売られています。

表紙から得た情報によると、
6月19日(土)に八王子市民会館で撮影された舞台のようです。



めちゃくちゃ見た~~~~~~~~~~~~い!!!!!!!

6月は超神ビビューンの放送前なので、最後に出てくるちょっとした助っ人なのかなぁと妄想しています。
まだ知らない人もいたでしょうし、どんな雰囲気だったのか気になります。
あと音声が本人なのかなぁとか・・・どうなんでしょう・・・


謎が深まったところで、今回の記事はここまでです~。

番組だけでなく、当時の新聞や、特集された雑誌などを見るのも面白いですね。
まだまだ知らないことや曖昧な情報もあって悩みますが、少しずつ理解を深めていきたいです(超神ビビューンの)。