【ネタバレあり】超神ビビューンの話

こんにちは。
今回はタイトル通り、超神ビビューンについて書いていきたいと思います。

超神ビビューンとは、1976年に放送された特撮番組です。
石ノ森章太郎さんがイラストを描かれているので、仮面ライダーや戦隊の親戚みたいなものかなと思っています。
ちなみに、76年は秘密戦隊ゴレンジャーが放送していたそうです。

超神ビビューンはアクマイザー3(75年)の続編に当たる作品ですが、この記事では、超神ビビューンに焦点をあてて書きたいと思います。
一部アクマイザー3にも触れますが最低限に絞ってます。長くなるので。

さて、早速感想を書いていきますが、
超神ビビューンの魅力はやはり「明るさ」ですね。
丸みのある、落ち着いた色合いのカラフルなデザインは可愛いですし、
作品全体が明るく登場キャラの人柄が朗らかなので、見ていて"疲れない"作品です。

超神のデザインに関しては、変わっているというか個性的というか、要素の取り入れ方が秀逸なんです。
ダサそうで、カッコいい。このバランスがすごく良いんです。
まず、ビビューン。全身赤色で、羽根のような意匠が目と胸に取り入れられています。この羽は、透明感のある素材で作られてるのが良いんですよね!!
カットによっては透明ではないのですが、グラデーションもまた良し...。芸術作品です。
ビビューンと言えば、緑のスカーフも外せません。本編でみると、このスカーフがいい仕事してるんですよね。
このデザインをカッコよく見せているのは、俳優さんのお陰でもあるかなーと思います!決めポーズなんかは本当に画になるカッコ良さです。

続いてはズシーン。超神は3人ともデザインがバラバラなのですが、ズシーンは特に異色です。生物ではなく、無機物モチーフだからでしょうか。
個人的にすごい発想だと思うのは武器のデザイン。棒の両端に、グーとチョキを象った手がついています。しかも目みたいな模様が入っており、古代文明のような、荘厳さも感じさせます。
また、ビビューンが止め画なら、ズシーンは全身を使った動きが良いですね。細身ながらも力強い、不器用で純粋なズシーンの戦闘シーンは素敵です。
ベルトのバックルがコマになっているのも面白い。バックル、ぱっと見は鳴門巻きですが...笑

最後はバシャーン。見たら、サメだ!ってすぐに思いますね。水色と白色のボディに赤いラインが入っているのが素敵です。平面的なラインではなく、窪みの裏側に色が入っている、あの絶妙な角度が最高なんです。
特に胸のところ、柔らかい素材で、動くと赤いラインが見え隠れするんですよ。ほんと可愛い。。。
あと、個人的にはお顔も最高なんですよね!!後ろが、ヒレのデザインなのかちょっと跳ね上がってたり、全体的に丸みのあるラインが可愛くて最高です。大きな目も可愛い。
波の形をした背びれも良いですし、モチーフが最大限に活かされてるデザインですね。

デザインついでに話すと、登場キャラの衣装も色味があって画面が明るいんですよね〜。超神の3人は数回衣替えをしているので、複数の衣装を見れるのは嬉しい。
わたしは菅くん(バシャーン)が好きなのですが、菅くんのスカーフ姿、赤いチェックのシャツ、ピンクのシャツ、グレーのスウェット…どれもめちゃくちゃ可愛くて楽しかったです。
菅くんの喋り方や服装を見てると、可愛がられてるポジションっぽいですよね。服装からも、立ち位置を感じられるのも面白いです。

超神ビビューン(作品)は、見た目もかわいい!大好き!!なのですが、お話も魅力的です。

先述したように、要所は押さえながらも、明るい作風です。
この明るさは、登場キャラの性格が朗らかで明るい、というところが大きいです。
普通の大学生が、ある日、
戦う宿命を背負っている、戦わなければ呪いで死ぬ。
と言われて戦いを決意するのが第1話(といっても超神誕生の話はビビューンしか描かれていません。他の2人がどう超神になったのかは不明)です。この始まりは、選択肢が少なすぎてなかなかハードだと思います。
それでも、戦うことを嫌ということや辞めたいということ、宿命を呪うことはありませんでした。
妖怪が出たと聞いても「考えすぎ」「やたらめったら妖怪が出てきたら(学業もあるし)困る!」といったご様子。呑気に話してるときに「妖怪が出たから急いで行け!」って言われて出動することもしばしば。
彼らは妖怪を深刻に考えていないような雰囲気で、ダイマ博士(超神の協力者)が一人でめちゃくちゃシリアスになってるけど、それが響いていない。
妖怪に人々が襲われているのはシリアスなのですが、暗くなりすぎない展開が続きます。

また、お話に関して、もう1つ面白いと感じた構成があります。
変身前含め、超神がなかなか出てこない回がいくつかあるんです。
子どもが出てくるお話が多いのですが、その回の登場キャラと妖怪について、1話だけのキャラでありながら丁寧に描いていると思います。。
この登場キャラ(主に子ども)の描写がまた、生活感があっていいんです。
子どもたちがどういう家庭環境で暮らしているか、抱える悩みや性格などが伝わってきます。
生活の中に現れる妖怪は、人の心を利用することもあるし、人を呪うこともある。その妖怪を倒して日常を守る、それが超神なんです。


また、全体の構成もよく、全36話で、1クール(12話)ずつ展開が変わります。
最初は、超神の活躍が多いです。戦いの演出も炎や水、土を盛大に使って派手で個性的。
2クール目からは先述した日常要素が強くなります。
そして、ラスボスの正体が判明した3クール目は、日常要素もいれつつ、段々強くなる妖怪との戦いを描きます。

ここから最終回のネタバレなのですが、ラスボス前の戦いがめっっちゃくちゃいいんですよ。
3超神はバラバラになり、過去に出てきた妖怪と戦うのですが、ズシーンは砂地、バシャーンは海での戦いになります。大地と水の超神の彼らにぴったりの場所です。
物語序盤は、土地を生かした戦いも多かったのですが、お話が進むに連れて描写が少なくなっていたんですよ。原点回帰とも取れる演出に、感嘆の声は禁じえませんでしたね〜。
撮影大変だっただろうなぁ、と思うのですが、最後に活躍の場を作ってくれたのは、本当に嬉しいです!

で、その戦いのあと、色々あって変身が解けます。あの朗らかだった彼らは、変身せずに戦います。
彼らの力の源は破軍星の輝き。
再び変身できるようになったあと、倒せない敵を前に、星に力を求めます。
そして、破軍星は、すべての力を超神に託したことで、消滅します。

この破軍星の展開について、個人的に良かった点が3つあります。

まず1つ目は、超神が破軍星に、命と引き換えになっても力を求めたこと。
あの3人、めちゃくちゃ頑張ってたんですよ。辛さを吐露せず、終始にこやかで、でも誰かの悲鳴には駆けつけ、妖怪とたたかう。

めちゃくちゃカッコよかった、ヒーローだった...

妖怪を倒せるのは神を超えた存在(=超神)だけの世界で、彼らはたたかう宿命のもと、その使命を果たしていました。

2つ目は破軍星と超神の関係です。
破軍星がなくなったことにより、超神は存在しなくなりました。戦いのあと、3人も死んだと思われたのですが、最後は笑顔で帰ってきます(なんで、そんなに楽しそうに駆け寄ってくるんだよ、ってくらい可愛い)。
ケラケラ笑いながら芝生に座る3人。
寂しさと嬉しさが入り混じって感情が可笑しくなりそうな場面ですが、その複雑な感情が良い。

破軍星は希望であり、呪いでもあったのだと思います。それが、破軍星は物語上、消えなければならなかった理由かと。
一番最後の場面で、ダイマ博士は「あの若者たちはこれから人間として、みんなと同じ人間として生きていくんじゃ」と言います。
命をかけて戦ったこと、最後の「人間」という言葉から、彼らは超神として生まれ、役目が終わったら死ぬ宿命だったんじゃないのか?という説も考えています。

最後の3つ目は、この破軍星の消滅がもう1つの意味を持っていることです。
実はこの破軍星、前作アクマイザー3と関わりがあります。
アクマイザー3は、敵の呪いで魂をカプセルに入れられ宇宙空間に彷徨いでました。この敵は、ビビューンたちが戦う敵でもあります。
破軍星はアクマイザーの魂が宿っており、超神にアクマイザーの力を受け継がせています(※宿るという表現は正しくないかもしれません)。
アクマイザーは死んでない、けど、死ぬことすらできない存在になっていたのだと考えています。
破軍星が消滅したことでアクマイザー3の魂も解放された、もしくは、アクマイザー3が、3人の代わりになったのかなと考えています。

超神ビビューンは、破軍星をキーに、超神の誕生と消滅までを描いた作品という感じでしょうか。意外と、こういう作品って少ない気がします。
謎な部分も多く物足りなさもすこし感じますが、終始まとまっており、作品を見終わった満足感はありますね。

まあ、深読みしなくても、楽しく見れる作品なので、機会があれば見てみてください。
わたしも今年に入って作品を知った、新参者です笑


思ったより長くなってしまったので、感想はこれまでにします。
次も、好きな作品の感想など書いていきたいですね!

ここまで読んでくださってありがとうございました。