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三セクに20億円貸付。内藤市長の言う「財政難」って?

徳島市が最大20億円融資へ〜そごう撤退の三セクビルに

新聞にこのような見出しが出ました。

20億円。
徳島市民の皆さん、この数字を見てどう思われますか?

ちなみに内藤市長は市長選挙の際の公開討論会で「財政調整基金と減債基金の合計額のがたった42億円しかない。だから徳島市は行財政改革が必要だと」と危機感を煽っていました。(ちなみに、この合計金額は間違っていたと遠藤前市長から指摘されています)

突然ふって湧いたようなこの貸付話
しかも臨時議会まで開いて第三セクターの徳島都市開発株式会社に貸し付けようとしているのです。

通常は市長の権限によって召集される臨時議会、
なのになぜか「議会運営委員会」に付託の採決で...。

臨時議会の招集は市長の権限によって行われ、各会派の会長・幹事会全会一致が必要です。
しかし今回の臨時議会の招集は議会運営委員会に付託され採決の結果で開かれる事になりました。

徳島市議会 議会運営委員会
加村 祐志(委員長/朋友会)
齋藤 智彦(副委員長/至誠会)
土井 昭一(公明党徳島市議団)
岡 孝治(徳島活性会議)
井上 武(誠和会)
古田 美知代(日本共産党徳島市議団)
武知 浩之(朋友会)
加戸 悟(日本共産党徳島市議団)
玉野 勝彦(自由民主党徳島市議団)

なぜ今、臨時会議?

「臨時議会」は読んで字のごとく、「臨時」に開かれる「会議」
よって、開催自体が稀です。
なのに、今年度内藤市政になってこれで2回目の開催


過去30年で開催された臨時議会は、市議選後に毎回開かれるものを除いて以下の5回だけです。

●平成11年:可動堰建設に関する住民投票条例制定議案
●平成5年:平成4年度徳島市一般会計補正予算
●平成4年:佐川急便事件の徹底解明と金銭腐敗防止のための政治改革を求める意見書提出について
●平成2年:海洋パーク事業への融資に関する住民投票条例制定議案
●平成元年:地方自治法第100条の規定による調査について

議題をご覧いただくとわかるように、非常に緊急性が高い場合において招集されています。

臨時議会を招集するからにはそれなりに緊急性があるはずです。
内藤市長をはじめとする行政を執行する権限を持つ理事者からは納得できる 説明はなく、「委員会で説明する」の一点張りだったそうです。

市民の代弁者でもある市議が招集する理由を尋ねたのに「委員会で説明する」というのは、おかしな話ではないでしょうか。

報道によると、1月末にそごうへの敷金の返済をしなくてはならないから、とりあえず10億円融資
これが本当なら敷金すら返せない会社に10億円を貸し付けるという話です。銀行へ融資は申し込んだのか?
担保はあるのか?
疑問は多々ありますが、当然今後の事業計画・返済計画を見ての内藤市長の判断なのか、大きな疑問です。

過去にもあった都市開発への突然の貸付融資

平成21年度の徳島市議会議事録にはこのような記述もあります。

日本共産党徳島市議団 中野一雄氏(当時)からの質問

徳島都市開発株式会社の問題ですが、この会社に対して、年利1.8%、元利均等20年払いで、本市が2億3,300万円の貸し付けをするという案件が突如提案されております。
この会社は、本市が半分、ほかを金融機関、マスコミ、電力、ガス関係等の出資で、昭和54年に設立された不動産管理会社でありますが、経営が行き詰まったとしまして、平成13年、平成15年に新規増資分9億1,000万円のうち、本市が5億円出資をしております
このときにもいろいろ議論がございました。
ところが、今回の融資は、二つの債権回収会社、借金取り立て会社なんですが、これが借金の全額一括返済を迫ってきたためと説明をされております。これはいわば貸しはがしでありまして、許されることではありませんが、問題はこの債権の返済方法にあります。
その返済金として2億3,300万円を、なぜ本市、徳島市が全額貸し付けしなければならないのかということです。
第三セクターといっても、これは株式会社です。
会社が資金を借りる場合に、常識的には金融機関からです。
徳島市は金貸し業ではありません。金融機関でももちろんない。
本市が融資するのが企業会計とか特別会計なら、これはわかります。
この参加企業の中に、会社設立時からそうなんですが、金融機関が四つあります。それらが応分の資金融通をするというならまだしも、徳島市だけが単独融資するなどは、到底理解することができません。
これはまさに参加金融機関の貸し渋りではないのでしょうか。
これは、紛れもなく私は貸し渋りだというふうに思います。
前回の増資のときもそうなんですが、貸し渋りに遭ったために、やむを得ない策として本市が増資をしたわけですね、主として。
そこで、金融機関から資金融通を受けるために、この徳島都市開発株式会社はどんな努力をしたのか、お伺いしたい。それと、どういう理由でこの貸し渋りをしているのか、これもお伺いしたいと思います。
http://voices.city.tokushima.tokushima.jp/voices/CGI/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=1&SORT=0&KTYP=2,3&KGTP=1,2,2&TITL_SUBT=%95%BD%90%AC%82Q%82P%94N%91%E6%81@%82P%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C03%8C%8E11%93%FA-04%8D%86&SFIELD1=HTGN&SKEY1=%93%BF%93%87%93s%8Es%8AJ%94%AD&SSPLIT1=+%2B%2F%21%28%29-&KGNO=93&FINO=419&HUID=18276&UNID=K_H210311000422

これに対する当時の開発部長の答弁はこちら。

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朝日新聞の報道によると、この貸し付けた2億3300万円のうち返済残高は1億1700万円となっているとのこと。
そして、都市開発の債務総額は53億円...。

アミコビルは昨年8月末、収入の柱だったそごう徳島店が退去し、テナント賃料が大幅に減少。市や金融機関からの借入金の返済や、そごうに返還する敷金や保証金など、都市開発の債務総額は約53億円に上っている
2019年2月~20年1月の都市開発の決算報告書によると、売上高は約17億4200万円(前期比約5100万円減)、営業利益は約1億8400万円(同約4千万円減)。市は都市開発の債務返済支援のため、09年に2億3300万円を貸し付けており、残高は1億1700万円になる。


内藤イラスト2

内藤市長の言っていた「財政難」は?

内藤市長は保育施設等整備事業を見直しにした理由に「財政難だから」「未来の子どもたちに負担を負わせたくない」
こう言っていた舌の根も乾かないうちに、突然降って湧いてきた20億円貸付という案件。
矛盾を感じざるを得ません。
この貸付金の返済について、内藤市長は「めどはある」と言ったけれども具体的な返済計画や貸付金の使途、貸付利率などについては、「今後の市議会委員会で詳細を説明する」と述べるにとどめたそう。
「対話」どころか「説明」もない状態です。
このお金は徳島市民の方の大事な血税です。
市民にも納得できる理由を示して貰う必要があります。

事前委員会は1/20から、臨時会は1/26

事前委員会は1/20〜22に開催、臨時会は1/26に開催されます。
いずれも傍聴が可能です。

徳島市民の皆さん、しっかりと見ていきましょう。
20億円という大金を税金から払うという大きな問題を、納得できる議論も行われないまま可決させるようなことはあってはならないと思います。
市議会議員は市民の代弁者となりえているのか、また内藤市長は一部の「お友達」や「利権者」だけでなく、市民の暮らしを考えた政治を執行しているのか...。
有権者として、そして共に徳島市がより良いまちとなるよう「まちづくり」をしていける為政者であるのか、注視していく必要があります。


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