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徳島都市開発への貸付融資に対する増田市議の反対討論全文

1/26に開催された、徳島市議会臨時会で増田秀司市議の反対討論を全文紹介いたします。
徳島市から徳島都市開発株式会社への融資について、問題点がわかりやすく述べられています。

過去30年で臨時議会が開かれたのは、わずか5回

令和2年度徳島市一般会計補正予算第10号の内、徳島都市開発株式会社貸付金10億円の予算案に反対の立場で意見を述べさせて頂きます。

まず、この度の臨時議会の招集にあたって、1月12日に臨時議会を開くとの説明がありました。
過去30年間で開かれた臨時議会は市議選挙後に毎回開かれるものを除いては、5回だけであり、要するに非常に緊急性の高い場合において開かれるものです。

市議にも詳細を知らされず、招集。
詳細は新聞報道で知ったという事実

今回の臨時議会招集の緊急性と案件の説明を求めましたが、アミコビルの事と、ホールの土地の事としか説明は無く、いくら聞いても詳細についての説明は頂けませんでした
その後1月15日の新聞の報道で都市開発株式会社への20億円の融資と大きな見出しの記事をみて、我々議員も多くの市民の皆さんも驚いたことと思います。臨時議会の招集の理由はこの件であろうと確信しました。

敷金の返金すらできない、徳島都市開発

緊急性を要するのは1月末に支払わなければならないそごうへの敷金4億3千7百万円
この為に徳島市が都市開発に貸付ということでしょう。

本年1月末に敷金を返済しなければならないことはそごうが撤退した時点で決まっていたことだと思いますが、その返済資金を調達するために金融機関に融資依頼をしてきており、
結果融資が受けられないと判断したから12月18日に本市に依頼をしてきたのではないかと思われます。

しかし会長幹事長会、議会運営委員会ではその敷金返済の質問にも明確に答える事もなく、委員会で詳しく報告するとの一点張りで、納得のできる説明はありませんでした
本来敷金とは家賃等の債務の担保として借主が貸主に預けておくものであり、退去時には原状回復に係る費用を差し引いて借主に返すもので、あくまで貸主が預かっておくお金です

預かっていたお金を返すことが出来ない会社に対して金融機関が融資するはずもなく、金融機関から融資を受けられない為、本市に対して融資の依頼をしてきたものだと思われます。

ずさんな収支計画

そして1月20日のまちづくり特別委員会で出てきた収支計画は、徳島都市開発株式会社の収支の実績と計画というA3用紙1枚に返済計画と共にまとめられたものでした。
この資料には詳細な内訳はなく大まかな項目予測された希望的な数字が記載されているだけであり、到底この資料だけで融資の可否が判断できるものではありません。

1月22日の建設委員会で幾つか質問をさせて頂きました。

令和3年1月以降の必要資金総額が約42億円との事ですが、その内訳は運転資金、設備投資、敷金返済、借入金返済とあります。
そごう撤退後に経営状況が悪化しており運転資金、設備投資が必要なのは理解できますが、敷金は先にも述べましたが、敷金とは家賃などの債務の担保として借主から預かっているお金であり、通常は経営の資金等に充てるものではありません

よって返済する敷金が無い、ということは通常考えられず、このこと自体が会社を経営するうえでも失格であると言わざるを得ません。

また、借入金の返済の為ともありますが、返済の為に新たに借り入れするのはすでに都市開発株式会社が自転車操業に陥っており経営破綻一歩手前の状況だと思われます。

そのような状態を回避するためにこの度10億円もの税金を投入しようとしておりますが、保証人も担保もなく、万が一貸し倒れになった場合、この10億円はドブに捨てることになります。
誰かが責任をとれるような金額ではありません。

必要資金の残りはどこから調達するのか?

また、必要資金約42億円の内の20億円を本市が融資するとの事ですが、残りの約22億円は一体どこから調達するのでしょうか?
委員会での理事者の回答は「粘り強く金融機関に交渉をする」とのものでしたが、金融機関からの融資が受けられなかった為、本市へ融資の依頼をしてきたのではないでしょうか。
あるいは本市が融資をすることにより金融機関から融資が受けられるようになるのでしょうか

結局徳島市が融資しつづける悪循環になるのでは?

結局今後も金融機関からの融資が受けられず、再度本市への融資を依頼してくるのではないでしょうか。
今回本市が融資をすると、その融資を無駄にしない為に再度融資をする、経営破綻をさせないために次々と融資をする。
そのような悪循環におちいるのではと非常に危惧されます。

莫大な借金を抱える徳島都市開発株式会社

委員会資料にもありますが令和2年1月31日時点の負債は約58億円とあります。
そごうの敷金の返済をすれば負債額は約42億円になりますが、更に42億円の融資を受けると合計82億円の負債となります。
同時に返済をしていきますので返済計画にこの金額は表れておりませんが令和5年1月の借入が約71億円です。
このような莫大な負債を抱えることになる会社に本市が融資しようとしています。

委員会では都市開発株式会社からこの融資の依頼にあたり担当部局及び理事者側には委員会資料以外の詳細な資料が提出されと答弁頂きました。
それらの資料を精査した上で融資可能であると判断されたのでしょうが、我々議員にはそれらの書類等は契約上の守秘義務があるので提示できないともご答弁頂きました。

根拠となる資料が提示されず、
市民の声を代弁する市議に判断を委ねている状況...

我々は委員会資料のわずかな情報で判断が迫られています。
我々議員に判断を求めるのであれば、理事者側が融資を認める根拠と納得できる説明がなされない限り、私は判断することはできません

確かに中心市街地の活性化は重要課題であります。
しかし今世の中は新型コロナウイルスの影響で経済は大きく落ち込んでおり、経済回復の目途がたっている状況ではありません。
そして多くの方々は収入が減ったり、職を失ったり新型コロナウイルスの影響で苦しい生活を余技無くされています。
食事の回数を減らしたり、薬の回数を減らしたり、この寒い中、暖房をつけずに毛布にくるまって過ごしたり、そういった本当に困っている方々が沢山います。

今予算はそのような方々を救うために使うべきであり、先行きが不透明な会社への融資ではありません。
市民の皆さんが納得のできる予算の使い方をして頂きますよう要望しておきます。

よって令和2年度徳島市一般会計補正予算第10号には反対致します。

議員各位におかれましてはご賛同いただきますようお願いし、私の討論を終わります。

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