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強さ、弱さ

最近ぐるぐる考えてること。


活動先のほっちのロッジ。
医療的ケアが必要な子たちが通ってきて、遊んだり、一緒に過ごしたり、ご飯やトイレをしたり。

彼らは、自分の力で座ること、痰を出すことが難しい。
座位保持の椅子に寝て、痰を出そうとゴホゴホ頑張っているTくん。
居合わせたYくんが、
「この子は、男の子なのに、なんで弱いの?」
と聞いてきた。

答えに困った。
私は、「Tくんは弱くないよ。」と答えた。
とっても表情豊かで、楽しければ声を出して笑う。いやなことがあれば顔じゅうの筋肉を使って苦しい顔をする。
周りの人にたくさん愛されて、来年小学校に上がる。ここまで生きてきた。
Tくんは弱くない。

でも本当は、
「男の子だって、弱くていいんだよ。」
とも伝えたかった。
Yくんはハートやピンクぽいものが好き。お母さんにべったり。きっと、「男の子なんだから強くなりなさい」って、言われているんだろうな。

強い弱いに男女は関係ない。
人って誰でも、強さと弱さをどちらも抱えていると思う。


母と別れて5か月。ばたばたと動き回ってる。この5ヶ月で、札幌、横浜、当別、つくば、東京、倉敷、軽井沢、京都、滋賀、大阪、尼崎、秋田。
「強いね」と言ってくれる。
でもそれは弱いから。
本当は苦しくて、つらくて、毎日泣きたいくらい寂しくて。そんな弱さを吹き飛ばして生きるしかないから、生きるために強くあろうとしている。
私はたぶん、弱いから強い。

強そうにみえるあの人も、いつもきらきら笑ってるあの子も、たぶん、つらくて弱い夜がある。
強くあろう、強く生きよう、とすればするほど。
本当に大事なものを、大事にしつづけようとすればするほど。
つらい、きついときがある。
強いから弱い。

そして、弱さをさらけ出すのは怖い。
弱音を吐くこと、頼ることは、強さだ。


強さも、弱さも、みんなのなかにある。生きるってたぶんそういうこと。どっちも大切なんだと思う。弱いから強いし、強いから弱い。
YくんもTくんも、強くないといけないなんてことはない。二人は強くも弱くもある。

だから、
強くありたいときも、弱くありたいときも、受け止められる人間でありたいし、受け止めてもらえる社会をつくらないといけない。
世界には、弱いときに生きていてもいい場所が少なすぎる。弱くあることが粗末にされすぎる。

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