岩田康成

パッシングスルーにダートが向かない理由~第66回エンプレス杯(2020)予想~

こんにちは、ぺち(@Pettit0116)です。
第66回エンプレス杯(キヨフジ記念)(JpnⅡ)の予想をしていきます。
キヨフジとは戦後の地方所属馬で初めてJRAのクラシックであるオークス(1951)を制したという化け物です。
時代が時代ならハイセイコーになれかもしれませんね。
生まれた時代が早すぎましたね。

話は変わって。。。
紫苑S勝ち馬のパッシングスルーが出走しますね。
初ダートなのでこの馬の判断が難しいところなので、まずはPスルーのダート適性を多方面から分析しました。
その後に予想はしていますので今回は①Pスルーダート適性分析、②エンプレス杯予想の2本立てです!

パッシングスルーの取捨

【血統】【過去の傾向】【走法】
この3点からエンプレス杯で好走できるかを判断していきます。 

【血統面】
父ルーラーシップは現在中央種牡馬リーディング5位に位置しており、昨年も5位だった。
キャリアでの勝利の内訳は芝が230勝、ダートが91勝と芝が優勢。
産駒の重賞13勝も12勝が芝で1勝が障害戦。
その父キングカメハメハが芝ダートともに活躍馬を輩出していたことを考えると、ルーラーシップは芝に特化したキンカメ系種牡馬といえる。
それでもルーラー産駒のダート馬でOP入りしている馬は2頭いるが。。。

パッシングスルーの母系をみるとダートでの活躍馬は2頭いる。
伯母にあたるスルーレート(父フレンチデピュティ)は船橋のクイーン賞を3着の実績がある。
もう1頭の近親がいとこにあたるブルミラコロ(父キンシャサノキセキ)が佐賀のサマーチャンピオン2着という実績を持つ。
スルーレートとブルミラコロの共通点は父が芝でもダートで活躍馬を出していること。
そういった意味では、父がルーラーシップのパッシングスルーはこの共通項にあやかれない

以上から、血統的にはパッシングスルーのダート適性は低いと考える。

【過去のエンプレス杯】
直近5年の3着以内馬の内、エンプレス杯がダート戦初挑戦という馬はいない
中央勢で見るといずれも中央のダート戦で1勝はしている。
かろうじているのが芝のレースで1勝して、そこから頭打ちになってダート戦に転向しパターン。
それでもきちんと中央ダート戦で勝利してからやってきている。
2100mという長丁場でもあるので、いきなりダートで結果を求めるのは酷か。

【走法】
飛びが大きいストライド走法で、前脚を目いっぱいに前に伸ばして推進力を出しているので軽い馬場向きに思う。
実際に好走しているのは高速馬場だったフローラS(4着)と秋の中山開幕週でスーパーレコードが出た京成杯AHと同じ週に行われた紫苑S(1着)。
1勝クラスを福島の稍重馬場で制しており、この時はパワーが必要な馬場ではあったが、レースレベルを考えると参考にしがたい。
前走愛知杯(7着)ではまくり差しに失敗していたが、その一因として重馬場があったように思う。

これらを踏まえると、パッシングスルーが今回好走できるとすれば能力の絶対値で勝るくらいしかない。
中央芝、しかも秋華賞の前哨戦に当たる紫苑Sで勝ったポテンシャルがこの馬の今回期待できる唯一の点。 

◎プリンシアコメータ(3.2)

昨年の覇者でこの舞台の持ちタイムは圧倒的な1位で昨年のこのレースで出した2:15.3。
ちなみに持ちタイム2位がサルサディオーネで2:16.5なのでその差は1秒以上。
このデータは大きく信頼できる。
前走クイーン賞は重賞ながらハンデ戦で、勝ったクレイジーアクセルは斤量52kg、プリンシアは56kgを背負わされている。
しかも船橋1600mは逃げ有利の舞台で、クレイジーは逃げて勝利している。
トラックバイアスと斤量差で敗れた2着と考えて良い。

スタートが速くない先行馬で、ゲートを出てから追われて好位を取る。
それが失敗したのが前々走のレディスプレリュード(10着)で、いつもなら道中3~4番手にいるところがこの時は7番手と中段の位置になってしまっていた。
この馬の不安要素はテンの位置取り争いだが、前走は3番手から競馬ができていたので状態は上向いていると判断できる。
好位追走ができていれば馬券圏内はほぼ確実。

今回実績的に並んでいるのがアンデスクイーンだが、この馬は左回りの勝利がないのでコース適性的に割引が必要。
3人気ラインカリーナは昨年同じ舞台で関東オークスを制しているが、今回は同脚質が多く思い通りの競馬がしづらい。
馬自身の能力、競馬のしやすさ的にもプリンシアコメータがかなり優位に立っていると思う。 

〇ラインカリーナ(5.7)

持ちタイムは関東オークス勝利時の2:17.7と平凡だが、この時は2着マドラスチェックに0.4秒差をつけて勝利している。
マドラスは今年に古馬になってTCK女王杯を制している実力馬。
ラインカリーナも古馬の牡馬牝馬相手に堅実な走りをしており、明け4歳とまだ若いので関東オークス時のタイムはあまり参考にならない。
ちなみに前走佐賀記念(2000m)では2:07.9で走っており、これに100mなので8秒追加しても2:15秒台では走れる計算になる。

中央のレースを含めても右回りよりも左回りの方が結果を残しているので、川崎という舞台は前走の佐賀よりも適性は高い。

懸念点は位置取り。
これまで逃げて結果を残していたが、今回は内枠に絶対的な逃げ馬のクレイジーアクセルがいるのでハナを主張するのは困難。
前々走クイーン賞(3着)ではクレイジーが逃げて、ラインは2番手となっていた。
今回もこの時と同じような位置取りになると思われるが、そうなってくるとクイーン賞での番手競馬の経験が活きてくる
番手競馬で3着ながら崩れなかったので、重賞勝利をした得意舞台ならば崩れる可能性は低い。
3着以内は堅そうなので対抗に評価。

以下はざっと

▲アンデスクイーン(2.8)
実績上位も近走左回りで崩れており、歳を重ねるごとに位置取りが後方になってきている点も気になる。
先述したように左回りでは勝利がなく(0-2-0-7)、重賞では(0-0-0-3)。
右回り重賞が(2-1-0-1)で地方競馬に限れば(2-1-0-0)と連対率100%に対してだと、左回りの実績はあまりにも寂しい。

△クレイジーアクセル(11.4)
逃げるには絶好の内枠2番を引けた。
前走は完全に脚が上がってしまったが、川崎2100mは以外にも関東オークス3着など実績がある。
勝利こそないものの(0-1-2-1)と着外は昨年のエンプレス杯の11着のみ。
その時よりも着実に力をつけており、クイーン賞の勝利もその後のこと。
まだ見切れない。

△サルサディオーネ(27.1)
逃げないと厳しい馬で今回は逃げるのが難しいのは承知の上で印を打つ。
前走報知グランプリカップの勝利は価値が高く、この時は前走でヒカリオーソに先着しているタービランスや浦和記念6着のヤマノファイトなどメンバーが揃っていた。
その時よりも今回はレベルが落ちるので、展開は向かないかもしれないが能力は足りている。

買い方

◎プリンシアコメータ
〇ラインカリーナ
▲アンデスクイーン
△1クレイジーアクセル
△2 サルサディオーネ

【3連単】
◎→〇→▲△1△2
◎→▲△1△2→〇
計 6点

以上、第66回エンプレス杯(キヨフジ記念)(JpnⅡ)最終予想+パッシングスルーダート転向可否について、でした。
ご覧頂きありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?