あたりまえのことをあたりまえに。

当店ではハンデを持って産まれた子犬、子猫の他、ブリーダーの繁殖引退犬も引き取り、里親さんを募集しています。

先日、当店で引き取った繁殖引退の子をお引渡しした後、里親さんがトリミングや動物病院で診察を受け、当店で言われた年齢よりも少なくとも5~6歳は年を取っている、と言われ、当店にお問い合わせをいただきました。

当店でも、過去に引き取る際に言われた生年月日をみて、歯の状態等をみて、どうみてももっと上の年齢だな、という場合は適正な年齢に修正して募集することはありましたが、おそらくその時は動きやトリミング時の力の強さ等々から早々に判断してしまい、引き取る際に言われた年齢で問題ないという判断をしてしまったのだと思います。

結果、そのまま最後まで家族として迎えて頂けることになりましたが、そのご家族の寛大な優しさに感謝するだけで今回の事を終わらせては済まないと思い、当店として重く受け止め、再発防止の為にできることをしようと思いこの記事を書くこととなりました。

里親募集犬が何歳であれ、引き取る際の年齢が何歳であるかは里親として引き取る際の大事な判断基準になるはずです。それぞれにご事情はありますから、若い2,3歳の子を探している方もいらっしゃいますし、もっと年を取っている子を探されている方もいらっしゃいます。

それは、募集する際に提示する年齢が正しいことが大前提となります。2歳だと思ったら8歳だった、逆に8歳だと思ったら2歳だった、ということがあると、それは里親の方が思い描いていた里親募集犬との生活に大きな計画変更が余儀なくされることになります。

表示されている(伝えられた)年齢が本当かどうかは分からない。このようなことがある限り、里親募集犬(繁殖引退犬)を迎える文化を普及したい立場の人間が自らハードルを上げている事になってしまうと痛感しました。

そこで、当店では今後、繁殖引退犬を引き取る際は血統書の原本(またはコピー)の提出を必須とし、年齢を※6歳まで、とすることを徹底することにしました。※海外で一般的な繁殖犬の引退年齢に基づく

考えてみれば、繁殖引退犬は人為的に管理して繁殖をされてきた子たちなので、産まれた子たちには血統書を申請しているのですから、その親犬の年齢が分からない、というのはあり得ないことです。

引退させる際においても、繁殖者として生年月日を含めた血統情報(血統書)を開示、提出し、元飼い主としての責任を含めて次の譲渡団体なり個人なりに引き渡すことは当然の事だと思います。

この考えに賛同し、いずれ家族に迎えてくれる方への感謝と責任を理解していただけるブリーダーさんの引退犬のみ、当店としても真摯に向き合って命のリレーのお手伝いをさせて頂こうと思っています。

この事で、おそらく当店に入ってくる引退犬は減ると思います。血統書を渡さないといけないなら他の団体に渡す、というブリーダーからの引退犬がゼロになるからです。

それでも、当店では自身の存続を第一優先とせず、あくまで里親の文化を普及させるために「こうするべき、こうならないといけない」という姿を模索しながら実践し続けていこうと思います。

ということで、譲渡団体の方々へ提案です。ブリーダーの廃業や保健所収容犬は別ですが、ブリーダーから繁殖引退犬を引き取る際は血統書の原本(またはコピー)を受け取り、7歳以上の子は引き取らない(当店で推奨しているAMA運動にもつながります)、ということを「あたりまえ」にしませんか?








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