時代の変化。

いきなりですが、2002年、消費者金融のアイフルのCMがきっかけでチワワブームが起きました。ご存知の方は多いと思います。

https://youtu.be/BV7Tm8zbj8I

このCMが放映されたのが今から約20年前ですが、このCMの内容はペットショップで可愛い仕草の子犬に一目惚れして消費者金融でローンで購入する、っていう筋書きで、この内容を今この時代にそのまま放映したらツッコミどころが多すぎて間違いなく炎上するだろうなと思う。(ちなみに、先日インスタでアンケートをしたところ、ペットはローンではなく、一括で払える範囲で買うべき、という意見が8割だった)

最近話題の報道ステーションのCMが何で大炎上したのか、CMを何度見てもよくわからない私でもそれだけはわかる。

そして対象的に、今や世界的な企業となったユニクロの今年のCMがこちらで、保護犬の譲渡会に足を運んだ父親を息子が気になって電話をする、という内容。女優の綾瀬はるかさんが譲渡会場のスタッフと言う役柄。

https://youtu.be/JKFcidMJGa8

そう、この20年で、犬を迎える、というシーンは少なくともCMの世界ではここまでの変化が起きた。

おまけに、時代の変化を敏感に感じてその業態を華麗に変化させ続けている企業、カルチュアコンビニエンスクラブがプロデュースする「蔦屋書店」にはついにこんなブースも登場した

画像1

これらの変化を例に挙げて、ペットショップ反対だとかそんな事をわざわざこの場で言いたいわけではなく、アイフルがチワワのCMを放映していた時はペットショップを経営し、ユニクロが保護犬のCMを放映している今は保護犬の譲渡活動をしている身として感じる事は、ペットの迎え方について、時代の変化のうねりが最近特に大きくなってきていることは間違い無いようだ。

その「うねり」の根源、震源地は分からないけど、日本のペットに対する意識の文化レベルがここ数年で急に上がったのだけは間違いない。

ただ、昨今のプラゴミに対する意識の高まりを考えると、その事(意識の文化レベルが上がる事)が良いのか悪いのか、正しいのか間違っているのかを判断するのはまだ時期尚早だと思う。

プラゴミに関して言えば、有料になってもレジ袋はお金を出せば相変わらず買えるし、海のゴミって言われてるプラスチックはあくまでちゃんとゴミ箱にいれなかったゴミが海に流れているわけで、海のプラスチックゴミの問題は実はプラスチックの問題じゃなくてゴミはゴミ箱に捨てましょう、っていう問題な気もするし、容器全体はプラスチックなのにほんの数%を占めるストローだけを紙にしたところで環境への影響はないに等しい。それでもレジ袋をお願いする時に多少の罪悪感を感じるようになってしまった変化だけは確実に起こった。

保護犬もみんなが保護犬を迎えてブリーダーが繁殖を辞めたらあっという間に犬が日本からいなくなるわけで、適正な範囲で人為的に繁殖は続いていくべきだし、そうある以上は販売(購入)も選択肢として残っていくべきで、購入は悪で保護犬を迎えることが絶対的な正義だって言う伝え方は危険だなと思う。
※ただ、「生体の仲介業」の存続はなかなか厳しいものがあるが、それは冒頭のCMの変化のように、愛護団体でも政治でもなく、時代がいずれ判決を下すのだと思う。

要は、プラゴミの問題もペットの問題も、レジ袋をやめてマイバックにしよう、とか、保護犬を迎えよう、とかの具体的な手段や方法を告知するだけじゃなくて、その事によってどんな世界を目指しているのか、その事がどんな事に結びつくのかの全体像を共有していくことがシー・シェパードのような過激な因子を産まずに世界を変えていく為に大事な事なんじゃないかなと思う。

最近、過去に引退犬を引き取ってあげたという「恩」を武器に、引退犬をよこせ、お宅の飼い方ではかわいそうだ、あの時助けてやっただろう、と何度も何度も電話で恫喝され、怖くて泣く泣く繁殖犬の一部を愛護団体に渡した、と涙ながらに話をしてくれたブリーダーがいる。

マスク警察しかり、時代のうねりの本質を見極めず、この行為はダメ、と行き過ぎた正義感に洗脳されて短絡的に判断する人が増え、ペットショップで犬を買った人が襲われたりするような事が起きない事を切に願う。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?