電車

電車が地上に出た瞬間、車内に響き渡る声。
「見えた、お外ー!!」
就学前から倒置法を使いこなす女児である。かわいい。

「おうちも見えたあー」
外に家が見えるのは、私たちにとっては当たり前である。しかし幼い子供にとっては、それすらも珍しいのだろう。

電車が駅に差し掛かった。
「見えなくなっちゃったあ」
私は駅員に代わってお詫びしたくなった。駅についてごめん。ていうかこの電車地下鉄でごめん。景色もっと見たいよね。

別の子どもが友達とふざけ合っていた。何を話しているのか、揺れながらにこにこしている。何をしていても楽しいのだろう。

子どもって尊いなあ。


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