ながとりのはなし ebama 2014年9月20日 21:08 ながとりはながーいにわとりです。 ながーいたまごから生まれて、 ながーいひよこ時代をすごして、 おとなになってもながーいままです。にわとりとはこういうもの。ながとりはこれがフツウだとおもっていました。 ある日初めてにわとりのむれと出会いました。しかしそのにわとりは長くはありませんでした。 「ぼくたちはきみとは違うよ だってきみはながいじゃないか ぼくたちがフツウなんだよ」にわとりたちはそう言ってながとりから遠ざかりました。 ながとりはショックをうけ、テノールボイスでコケコケ泣き出しました。 「フツウなんかじゃなかった。ぼくだけがながい、ぼくはひとりぼっちなんだ」「そんなことないよ」 ながとりと一緒に暮らしているおもながの女の子、おもながこがながとりを励ましました。「わたしがいるよ。ながくったっていいじゃない。」おもながこはながとりのかなしいきもちがよくわかりました。なぜならおもながこも少し前まではじぶんのおもながの顔にくるしんでいたのです。「ながこ……」 「家にかえろう」「うん」ながとりとおもながこの1人と1羽は、たとえ他の鳥よりながくったって顔がながくったって、それが自分たちのフツウなのです。 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート