『名牝系』華麗なる一族 〜シルヴァースカヤ(Silverskaya)編〜活躍馬まとめ

競走馬の世界には牝系という概念があります。

牝系とは、家族の考え方を競走馬の世界に落とし込んだもので、『母』や『母の母』、『母の母の母』というように母方だけを辿っていく概念になります。

そもそも何故この考え方をするのというと、

サラブレッドには

『thorough』[完璧な、徹底的な]『bred』[品種、育ち]

という意味があり、より優秀なものを生産していくというのが目的であるため、1年に1頭しか産めない牝馬と違い、牡馬は種付けすれば父親になれるので、優秀な馬しか父親になれないという理由があります。

優秀な馬しか父親になれないという事は、父親で大きな差は生まれにくく、母親で差が生まれることになります

それは何代続けても同じ事が言えるので、結果的にこの牝馬は、、からこの牝系は、、という考え方になっていきます。

結果的に牝系ごとに評価される事となり、優秀だとかそうでないとかという話になります。

セリなどではその評価の差が価格に反映され、大きな差が出ます。

たとえ母親が競走馬として優秀ではなくても、牝系が優秀だと高値で取引されます

そういった馬から強い馬が現れるのはサラブレッドの世界では日常茶飯事なので、バイヤーはあまり気にしないですし、むしろ活躍していない事から少し安くなるので多くのバイヤーが狙う馬にもなります。

牝系について長々と書いてきましたが、この記事では、今後活躍馬が増えてくるであろうシルヴァースカヤの牝系についてまとめています。


シルヴァースカヤについて

シルヴァースカヤ Silverskaya [米]

父 Silver Hawk 母 Boubskaia 母父 Nijinsky 生年月日 2001年01月17日

通算成績:仏8戦5勝 (5-0-0-3)

主な実績:ロワイヨモン賞G3)1着、ミネルヴ賞G3)1着

産駒に爆発的な能力と脚元の弱さを遺伝させる母として有名で、脚元が持てばという枕詞がよく使われる。能力が高いと脚元はそれに反比例して弱くなる傾向があり、自身の馬力に耐えられないケースが多い。


牝系の活躍馬

#牡馬=青、牝馬=赤になっています。

  • Seville [独]

父 Galileo 母 シルヴァースカヤ 母父 Silver Hawk 生年月日 2008年04月10日

主な実績:ザ・メトロポリタン(G1)1着、愛ダービー(G1)2着、パリ大賞(G1)2着

  • ヴィクティファルス

父 ハーツクライ 母 ヴィルジニア 母父 Galileo 生年月日 2018年05月01日

主な実績:フジTVスプリングS(G2)1着、共同通信杯(G3)2着

シルバーステート

父 ディープインパクト 母 シルヴァースカヤ 母父 Silver Hawk 生年月日 2013年05月02日

主な実績:垂水S(1600万下) 1着、オーストラリアT(1000万下)1着

代表産駒:ウォーターナビレラ

実績としては、1600万下が最高成績だが、主戦の福永騎手が『能力だけならコントレイルよりも上』と言った程の逸材であったが、その馬力に脚元が持たなかった。

その言葉を証明するかのように初年度から活躍馬を多数輩出し、産駒デビュー後初となった2022年の種付料は前年の150万円から600万円まで引き上げられたが、即日満口となった。

初年度の種付料は80万円であったため価格に応じた繁殖しか付けられていない事もあり、3年後に出てくる活躍後の産駒の質は格段に上がったものになるだろう。

  • ヘンリーバローズ

父 ディープインパクト 母 シルヴァースカヤ 母父 Silver Hawk 生年月日 2015年02月05日

主な実績:2歳未勝利1着

全兄のシルバーステートが種牡馬として成功し始めた事をきっかけに種牡馬になった。

ただ、本馬も相当な期待馬であったのは確かで、新馬戦は超スローの瞬発力勝負でハナ差の2着に惜敗。しかし相手は後のダービー馬ワグネリアンであり、3着にも5馬身の差を付けた。

2戦目の未勝利戦では、終始馬なりで2着に4馬身差の圧勝。タイムも良く順調ならばクラシックで勝負になったはずだ。

初年度は44頭、2年目は38頭に種付けを行っているが、シルバーステートの活躍もあり、更に頭数を集めることが予想される。


まとめ

いかがだったでしょうか。

牝系としては数が少ないのは確かですが、孫世代から活躍馬が出ている事や、種牡馬として成功している馬がいる事から牝系に活力があるのは確かで、今後更に活躍馬が増えていく事が予想されるので、先取りしてみました。

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