『名牝系』華麗なる一族〜ドナブリー二(Donna Blini)編〜活躍馬まとめ

競走馬の世界には牝系という概念があります。

牝系とは、家族の考え方を競走馬の世界に落とし込んだもので、『母』や『母の母』、『母の母の母』というように母方だけを辿っていく概念になります。

そもそも何故この考え方をするのというと、

サラブレッドには

『thorough』[完璧な、徹底的な]『bred』[品種、育ち]

という意味があり、より優秀なものを生産していくというのが目的であるため、1年に1頭しか産めない牝馬と違い、牡馬は種付けすれば父親になれるので、優秀な馬しか父親になれないという理由があります。

優秀な馬しか父親になれないという事は、父親で大きな差は生まれにくく、母親で差が生まれることになります

それは何代続けても同じ事が言えるので、結果的にこの牝馬は、、からこの牝系は、、という考え方になっていきます。

結果的に牝系ごとに評価される事となり、優秀だとかそうでないとかという話になります。

セリなどではその評価の差が価格に反映され、大きな差が出ます。

たとえ母親が競走馬として優秀ではなくても、牝系が優秀だと高値で取引されます

そういった馬から強い馬が現れるのはサラブレッドの世界では日常茶飯事なので、バイヤーはあまり気にしないですし、むしろ活躍していない事から少し安くなるので多くのバイヤーが狙う馬にもなります。

牝系について長々と書いてきましたが、この記事では、近年活躍馬の多いドナブリー二牝系についてまとめています。


ドナブリーニについて

ドナブリー二 Donna Blini [英]

父 Bertolini 母 Cal Norma's Lady 母父 Lyphard’s Special 生年月日 2003年03月27日

通算成績:英11戦4勝(4-2-0-5)

代表産駒:ジェンティルドンナ、ドナウブルー、ドナアトラエンテ

現役時はスプリント戦線で活躍し、G1勝ちを含む重賞を2勝するなどスピードに優れた馬だった。

現役を引退し繁殖牝馬として輸入された本馬は、三冠馬ジェンティルドンナなど活躍馬を多数輩出し、その活躍馬らからさらに活躍馬が現れる好循環になっている。

また本馬の甥でジェンティルドンナの7/8同血であるロジャーバローズがダービーを優勝したことで、さらに同牝系の価値が上がったと言える。


牝系の活躍馬

  • ドナウブルー

父 ディープインパクト 母 ドナブリー二 母父 Bertolini 生年月日 2008年02月09日

主な実績:京都牝馬S(G3)1着、関屋記念(G3)1着、ヴィクトリアマイル(G1)2着

  • ドナウデルタ

父 ロードカナロア 母 ドナウブルー 母父 ディープインパクト 生年月日 2016年02月09日

主な実績:サンスポ杯阪神牝馬S(G2)3着

ジェンティルドンナ

父 ディープインパクト 母 ドナブリー二 母父 Bertolini 生年月日 2009年02月20日

主な実績:牝馬三冠、ジャパンC(G1)1着、有馬記念(G1)1着

代表産駒:ジェラルディーナ

三冠を含むG1を7勝した言わずと知れた名牝で、数えきれないほど活躍馬がいるディープインパクト産駒の中で最も賞金を稼いだ馬でもある。

三冠レースももちろんだが、記録にも記憶にも残るレースが多く、前が塞がって無理矢理こじ開けてきたシーマクラシックや物議を醸したオルフェーヴルとの肉弾戦など、気持ちやフィジカルの強さが印象的な名馬である。

自身ほどの活躍馬を出すのはそもそもかなり難易度の高い話だが、繁殖としてのポテンシャルも見せており、G1を勝つ馬が出るのも時間の問題だろう。

  • ジェラルディーナ

父 モーリス 母 ジェンティルドンナ 母父 ディープインパクト 生年月日 2018年05月12日

主な実績:鳴尾記念(G3)2着、小倉記念(G3)3着

  • ドナアトラエンテ

父 ディープインパクト 母 ドナブリー二 母父 Bertolini 生年月日 2016年01月24日

主な実績:福島牝馬S(G3)2着


まとめ

いかがだったでしょうか。

まだ新しい牝系なので活躍馬の数自体は多くないですが、質の高さが見てとれる牝系で、牝馬の割合がかなり高いこともあり、あっという間に頭数自体が増えるでしょう。

特にジェンティルドンナとドナウブルーの同牝系を代表する2頭の産駒は牝馬に偏っており、繁殖能力も高いので今後かなり期待値の高い枝葉になっています。

これからの牝系ですが、下地は整っているので後は活躍馬が出るだけという状態になっています。

是非注目してみてください。

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