『名牝系』華麗なる一族 〜キャサリーンパー(Catherine Parr)編〜活躍馬まとめ

競走馬の世界には牝系という概念があります。

牝系とは、家族の考え方を競走馬の世界に落とし込んだもので、『母』や『母の母』、『母の母の母』というように母方だけを辿っていく概念になります。

そもそも何故この考え方をするのというと、

サラブレッドには

『thorough』[完璧な、徹底的な]『bred』[品種、育ち]

という意味があり、より優秀なものを生産していくというのが目的であるため、1年に1頭しか産めない牝馬と違い、牡馬は種付けすれば父親になれるので、優秀な馬しか父親になれないという理由があります。

優秀な馬しか父親になれないという事は、父親で大きな差は生まれにくく、母親で差が生まれることになります

それは何代続けても同じ事が言えるので、結果的にこの牝馬は、、からこの牝系は、、という考え方になっていきます。

結果的に牝系ごとに評価される事となり、優秀だとかそうでないとかという話になります。

セリなどではその評価の差が価格に反映され、大きな差が出ます。

たとえ母親が競走馬として優秀ではなくても、牝系が優秀だと高値で取引されます

そういった馬から強い馬が現れるのはサラブレッドの世界では日常茶飯事なので、バイヤーはあまり気にしないですし、むしろ活躍していない事から少し安くなるので多くのバイヤーが狙う馬にもなります。

牝系について長々と書いてきましたが、この記事では、キャサリーンパー牝系についてまとめています。


キャサリーンパーについて

キャサリーンパー Catherine Parr [米]

父 Riverman 母 Regal Exception 母父 Ribot 生年月日 1987年04月22日

通算成績:仏9戦0勝 (0-3-3-3)

現役時は未勝利であったが、重賞での好走が複数回あり、一定以上の能力があったと考えられる。

アイルランドで繁殖入りしてから4頭を産むも、目立った成績の馬は出ず、ここまでだと名牝系の祖とはなり得ないのだが、日本に輸入されてからその状況が一変する。

直仔としての活躍馬はJCダート(G1)を勝利したアロンダイトを輩出し、優秀な2頭の繁殖を生んだことにより牝系として広がりを見せることとなる。


牝系の活躍馬

#牡馬=青、牝馬=赤になっています。

  • ブラックスピネル セン

父 タニノギムレット 母 モルガナイト 母父 アグネスデジタル 生年月日 2013年02月14日

主な実績:東京新聞杯(G3)1着、スポニチ賞京都金杯(G3)2着、鳴尾記念(G3)2着

  • インフィナイト

父 モーリス 母 モルガナイト 母父 アグネスデジタル 生年月日 2018年01月22日

主な実績:サウジアラビアRC(G3)2着

  • ラブラドライト セン

父 キングカメハメハ 母 タンザナイト 父 サンデーサイレンス 生年月日 2009年05月15日

主な実績:ダイヤモンドS(G3)2着

ダンビュライト セン

父 ルーラーシップ 母 タンザナイト 父 サンデーサイレンス 生年月日 2014年03月03日

主な実績:AJCC(G2)1着、京都記念(G2)1着、皐月賞(G1)3着

クリソライト

父 ゴールドアリュール 母 クリソプレーズ 母父 エルコンドルパサー 生年月日 2010年02月02日

主な実績:ジャパンダートダービー(G1)1着、コリアC(G1)1着、JBCクラシック(G1)2着

マリアライト

父 ディープインパクト 母 クリソプレーズ 母父 エルコンドルパサー 生年月日 2001年02月19日

主な実績:エリザベス女王杯(G1)1着、宝塚記念(G1)1着

代表産駒:オーソクレース

よりキレに出やすい牝馬ながら、牝系のパワーやスタミナを武器に活躍した異質のディープインパクト産駒で宝塚記念を勝った唯一のディープ産駒になる。

  • オーソクレース

父 エピファネイア 母 マリアライト 母父 ディープインパクト 生年月日 2018年01月19日

主な実績:ホープフルS(G1)2着、菊花賞(G1)2着、朝日セントライト記念(G2)3着

G1勝ちは出来なかったものの成績自体が良く、血統背景も良いので日本での種牡馬入りかと思われたが、トルコでの種牡馬入りとなった。

  • リアファル

父 ゼンノロブロイ 母 クリソプレーズ 母父 エルコンドルパサー 生年月日 2012年02月05日

主な実績:神戸新聞杯(G2)1着、兵庫チャンピオンシップ(G2)2着、菊花賞(G1)3着

クリソベリル

父 ゴールドアリュール 母 クリソプレーズ 母父 エルコンドルパサー 生年月日 2016年02月10日

主な実績:チャンピオンズC(G1)1着、帝王賞競走(G1)1着、JBCクラシック(G1)1着

近年最強クラスのダート王者で日本に限ればデビューから8連勝した。

ラスト2戦は状態がかなり悪く本来の能力を見せることなく引退するに至っており、日本では実質負けなしと言える戦績である。

勝ったレースは1レースを除き全て完勝で、2着とは決定的な差を付けて勝っており能力の高さが際立っていた。

生産界からの評価も高く、ダート馬としては異例の初年度から300万円に設定されたが即満口となった。

  • アロンダイト

父 エルコンドルパサー 母 キャサリーンパー 母父 Riverman 生年月日 2003年05月04日

主な実績:JCダート(G1)1着、東海S(G2)2着、ブリーダーズゴールド(G2)3着


まとめ

いかがだったでしょうか。

キレよりも持続力を武器にする牝系でスタミナがあるため、距離適性が長めに出やすい事と小回りが得意というのが同牝系の特長です。

優秀な枝葉が複数あり、特にクリソプレーズの枝葉は活躍馬が多く、牝馬のマリアライトもいることから今後も活躍する牝系でしょう。

クリソベリルが種牡馬としてかなり期待されていることからも分かるように、同牝系の世間の期待は非常に大きいものがあります。

その期待に答えてくれるような活躍を今後もしてくれるのではないかと思います。

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